臓物少女

#79 四天王その二&その三⑩

　こ、これが…。
　忘我の境地の中、明は思った。
　これが、おまん〇か…。
　膣ノイドは、その名の通り、女性器に特化した怪人である。
　顔が巨大な女性器になっているという、正真正銘の化け物だ。
　しかし、年齢＝彼女いない歴、生まれながらの完全童貞である明にとって、彼女が化け物である事実は二の次だ。
　膣ノイドにフェラチオされるということは、本物の女性器と性交することー。
　その事実に、気づいてしまったのだった。
　な、なる、ほど…。
　こ、こいつは、き、気持ち、いい…。
　膣ノイドの口、いや、膣の中は生温かく、ぐにょぐにょしている。
　どうなっているのかよくわからないが、かなり複雑な内部構造をしているようで、その感触がたまらない。
　舐められ、吸われ、しゃぶられてガチガチに勃起した明の男性器に、ぬるぬるの襞々が纏わりついているのだ。
　こ、これが、本物の、セックス、というもの、なのか…。
　夢見がちな目をして、明は思う。
　なるほど、確かに、オナニーよりも、ずっと気持ちが、いい…。
　人間、やっぱり、誰かと結婚して、つがいになるべきなのか。
　この快感こそが、生きるということの、本来の意味なのかー。
　ああ、もう、がまんできない。
　い、いきそうだ…。
　これで俺もようやく、童貞とは、オサラバだ…。
　う、うう…。
「で、出る…イ、イク…」
　明が陶酔した表情で、来たる脈動に備え、四肢を放埓に脱力した、その時だった。
「このクズ！　あんたは相手がたとえ化け物でも、チンポしゃぶられればすぐにどびゅどびゅ出しちゃうんだね！」
　そんな身もふたもない叱咤の声が、いきなりフロアにとどろき渡ったのはー。