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#59 悪魔の契約⑥
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尻ノイド事件がひと段落して、世間の関心が新たな芸能人の不倫や某国のミサイル打ち上げやらに向きー。
明と紗英。
秘密基地であるマンションに潜伏したふたりには、とりあえず、平穏な生活が戻ったかに見えた。
むろん、いくら潜伏生活といっても、二人っきりではない。
笹原杏里刑事がほぼ同居という形を取り、そのほかに、ほぼ毎日と言っていいほど、他の刑事が見回りに来る。
が、笹原刑事もずっとマンションに居るわけではなかった。
他にも刑事としての仕事があるらしく、昼間はたいてい出かけて留守なのだ。
そうなると、昂りが収まらないのは、明だった。
あの時の約束は、片時も忘れたことがない。
紗英は、噴水の池の中から、確かに言ったのだ。
ーこの場の全員の目を5分間引きつけてくれたら、なんでも言うこと、聞いてあげる。それがどんなゲスいクズな頼み事でも、なんでも、ねー
ゲスい、クズな願い事。
魅惑的な響きだった。
具体的な内容は、頭が爆発しそうなくらい、いっぱい考えてあった。
問題なのはー。
あとはその願い事を、いつ口に出すかという、そのことだ。
ふたりっきりで、できるだけ、長時間愉しみたい。
それが明の魂胆だ。
自分が紗英に嫌われていることは、もう丸わかりだった。
だからこの際、「ボクを好きになってほしい」だの、「真剣に交際してほしい」だのと、浮いたような言葉をほざく気はさらさらない。
ただ、気持ちよければそれでいい。
明らかそこまで堕ちていた。
ならばいっそのこと、紗英を監禁状態にして、好きなように嬲り尽くすー。
それが健全な男子の取るべき道ではないか?
正直自分は草食系などではない。
明はそう確信している。
エロは大歓迎だし、最近はすぐに炎上したり逮捕されたりするから軽々しく口には出せないが、太腿もパンチラもブラチラも脇乳もみんなみんな大好きだ。
そんな俺の願い事をかなえるためには、なんとしてでも丸一日、紗英とふたりきりにならねばならぬー。
が。
案ずるより産むが易しだった。
ある日の午後―。
都心で白昼からアホな若者グループによる宝石店襲撃事件が起こり、その応援のために笹原刑事も駆り出されることになったのである。
その後逃走中の犯人のひとりが牛丼屋に立てこもり、藤谷ニコル似の女性店員を人質に取ったから、事件は長引くと思われた。
明にとっては大チャンスである。
「しばらく家を空けるから、後は頼んだよ。絶対に外に出ちゃダメ。わかってるよね」
言い置いて出ていく女刑事を見送ると、明は早速シャワーを浴び、全裸のまま紗英の部屋の前に立った。
「紗英ちゃん、ちょっといい? 大事な話があるんだけど」
早くも勃起し切ったペニスの先で器用にドアをノックしながら、逸る胸を抑えて明はそう声をかけた。
明と紗英。
秘密基地であるマンションに潜伏したふたりには、とりあえず、平穏な生活が戻ったかに見えた。
むろん、いくら潜伏生活といっても、二人っきりではない。
笹原杏里刑事がほぼ同居という形を取り、そのほかに、ほぼ毎日と言っていいほど、他の刑事が見回りに来る。
が、笹原刑事もずっとマンションに居るわけではなかった。
他にも刑事としての仕事があるらしく、昼間はたいてい出かけて留守なのだ。
そうなると、昂りが収まらないのは、明だった。
あの時の約束は、片時も忘れたことがない。
紗英は、噴水の池の中から、確かに言ったのだ。
ーこの場の全員の目を5分間引きつけてくれたら、なんでも言うこと、聞いてあげる。それがどんなゲスいクズな頼み事でも、なんでも、ねー
ゲスい、クズな願い事。
魅惑的な響きだった。
具体的な内容は、頭が爆発しそうなくらい、いっぱい考えてあった。
問題なのはー。
あとはその願い事を、いつ口に出すかという、そのことだ。
ふたりっきりで、できるだけ、長時間愉しみたい。
それが明の魂胆だ。
自分が紗英に嫌われていることは、もう丸わかりだった。
だからこの際、「ボクを好きになってほしい」だの、「真剣に交際してほしい」だのと、浮いたような言葉をほざく気はさらさらない。
ただ、気持ちよければそれでいい。
明らかそこまで堕ちていた。
ならばいっそのこと、紗英を監禁状態にして、好きなように嬲り尽くすー。
それが健全な男子の取るべき道ではないか?
正直自分は草食系などではない。
明はそう確信している。
エロは大歓迎だし、最近はすぐに炎上したり逮捕されたりするから軽々しく口には出せないが、太腿もパンチラもブラチラも脇乳もみんなみんな大好きだ。
そんな俺の願い事をかなえるためには、なんとしてでも丸一日、紗英とふたりきりにならねばならぬー。
が。
案ずるより産むが易しだった。
ある日の午後―。
都心で白昼からアホな若者グループによる宝石店襲撃事件が起こり、その応援のために笹原刑事も駆り出されることになったのである。
その後逃走中の犯人のひとりが牛丼屋に立てこもり、藤谷ニコル似の女性店員を人質に取ったから、事件は長引くと思われた。
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言い置いて出ていく女刑事を見送ると、明は早速シャワーを浴び、全裸のまま紗英の部屋の前に立った。
「紗英ちゃん、ちょっといい? 大事な話があるんだけど」
早くも勃起し切ったペニスの先で器用にドアをノックしながら、逸る胸を抑えて明はそう声をかけた。
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