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#186 『コナン』みたいに万人受けしないけど… ~デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション【後章】~
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4月に公開された前章に続く浅井いにお原作漫画のアニメ化完結編。
【あらすじ】
大学生になり、仲間たちとゆる~い学生生活を送る中川凰蘭と小出門出。
そこに宇宙人でありながら人間の身体を持つ謎の少年大葉が現れ、シェアハウスで二人と同居し始める。
その傍ら、東京上空で静止したままの侵略者の巨大母艦内ではメインエンジンが不調を起こし、メンテナンスをしないと爆発するという危機的状況に。
日本政府は地上に潜伏した無力な侵略者たちを狩ることで国民の目を逸らし、その裏では一部の上級国民のみ、新建造の”方舟”でいざという時東京を脱出するための極秘計画を立てていた。
宇宙人大葉は、凰蘭の正体が前の時間軸で自死した門出を救うために別の時間軸からやってきたシフターであることを察知する。同時に、自分だけが母艦爆発を止めるキーワードを知っていることにも気づくのだった…。
原作に忠実なリアルこのうえない作画、あの、幾田りら両名の声による迫真の演技。
ワイド版全12巻の漫画を4時間に圧縮しながら違和感をまるで感じさせない優れた脚本、そして作品のイメージにぴったりの音楽と、どれをとってみても傑出した素晴らしい作品だと思います。
(東京が壊滅するシーンの黙示録的な美しさといったらもう…荘厳さに呑まれ、声も出なくなりました。)
原作では最後に1巻分あとひとひねりあって、もう一度時間軸の移動が発生するのですが、その部分をばっさりカットすることで、映画版は比較的すっきりしたハッピーエンドになっています。
ただ、筆者は昔からSFにどっぷり浸かってきているせいで、原作にもある”別の平行世界の時間軸への移動”なるアイデアがどうにも気になります。
例えば凰蘭は自殺した門出を救うために、別の平行世界の”ふたりが出会う時間にいる自分”に精神のみ移動し、門出を守ることで親友の死ぬ未来を変革した結果、侵略者たちの再訪を招いてしまいます。
しかし当然、これは完全な解決にはなりません。
彼女が元居た世界線では、宇宙人の侵略はないものの、相変わらず門出は死んだままであるわけですから。
そして、ここで生ずる疑問は二つ。
一つは、平行世界を移動できるのが意識だけだとすると、元の時間軸に残された凰蘭の肉体はどうなってしまったのかということ。
それから、彼女の精神が移動した先の平行世界の歴史というのは、そもそもどうなっていたのかということ。
別の時間軸から凰蘭が来なかったら、そのまま彼女が元居た世界と全く同じ歴史をたどることが運命づけられていた、とそういうことなのか。
とにかく、なまじタイムリープを否定してしまっただけに、平行世界と時間軸の概念の整合性が取れなくなり、中国の小説で話題になった『三体』みたいに、「おお、すごっ!」とはならないのです。
そこが実はこの作品の情動を司るキモの部分でもあるだけに、なんだか、
”些末なことが気になる自分の性格”が、非常に残念に思われてならないのでした。
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大学生になり、仲間たちとゆる~い学生生活を送る中川凰蘭と小出門出。
そこに宇宙人でありながら人間の身体を持つ謎の少年大葉が現れ、シェアハウスで二人と同居し始める。
その傍ら、東京上空で静止したままの侵略者の巨大母艦内ではメインエンジンが不調を起こし、メンテナンスをしないと爆発するという危機的状況に。
日本政府は地上に潜伏した無力な侵略者たちを狩ることで国民の目を逸らし、その裏では一部の上級国民のみ、新建造の”方舟”でいざという時東京を脱出するための極秘計画を立てていた。
宇宙人大葉は、凰蘭の正体が前の時間軸で自死した門出を救うために別の時間軸からやってきたシフターであることを察知する。同時に、自分だけが母艦爆発を止めるキーワードを知っていることにも気づくのだった…。
原作に忠実なリアルこのうえない作画、あの、幾田りら両名の声による迫真の演技。
ワイド版全12巻の漫画を4時間に圧縮しながら違和感をまるで感じさせない優れた脚本、そして作品のイメージにぴったりの音楽と、どれをとってみても傑出した素晴らしい作品だと思います。
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原作では最後に1巻分あとひとひねりあって、もう一度時間軸の移動が発生するのですが、その部分をばっさりカットすることで、映画版は比較的すっきりしたハッピーエンドになっています。
ただ、筆者は昔からSFにどっぷり浸かってきているせいで、原作にもある”別の平行世界の時間軸への移動”なるアイデアがどうにも気になります。
例えば凰蘭は自殺した門出を救うために、別の平行世界の”ふたりが出会う時間にいる自分”に精神のみ移動し、門出を守ることで親友の死ぬ未来を変革した結果、侵略者たちの再訪を招いてしまいます。
しかし当然、これは完全な解決にはなりません。
彼女が元居た世界線では、宇宙人の侵略はないものの、相変わらず門出は死んだままであるわけですから。
そして、ここで生ずる疑問は二つ。
一つは、平行世界を移動できるのが意識だけだとすると、元の時間軸に残された凰蘭の肉体はどうなってしまったのかということ。
それから、彼女の精神が移動した先の平行世界の歴史というのは、そもそもどうなっていたのかということ。
別の時間軸から凰蘭が来なかったら、そのまま彼女が元居た世界と全く同じ歴史をたどることが運命づけられていた、とそういうことなのか。
とにかく、なまじタイムリープを否定してしまっただけに、平行世界と時間軸の概念の整合性が取れなくなり、中国の小説で話題になった『三体』みたいに、「おお、すごっ!」とはならないのです。
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