気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#140 これはある意味、特撮ファンの夢! ~シン・ウルトラマン~

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 今回ばかりは早々に観てきましたよ、『シン・ウルトラマン』。

 筆者は、とにかく、怪獣映画に目がないもので。

 で、感想は、と言いますとー。

 『シン・ゴジラ』的な部分もあるけど、方向性はかなり違う。

 序盤から、ゴメス、マンモスフラワー、ぺギラ、ラルゲユウス、ゴーガ、パゴスと、『ウルトラQ』の怪獣たちが怒涛のごとく登場して、自衛隊との戦闘!(このあたり、『ゴジラ ファイナルウォーズ』の出だしとよく似てる)

 すごい。

 凄すぎる。

 怪獣好きの私はここでもう狂喜乱舞状態です。

 その後、いよいよウルトラマンが登場し、ネロンガ戦、ガボラ戦へとなだれ込みます。

 更に続いてザラブ星人、メフィラス星人の出番となるわけですが、彼らの性格付けは『初代ウルトラマン』登場時とほぼ同じで、この作品が初代への壮大なオマージュになっていることがわかります。

 (ザラブの偽ウルトラマン、メフィラスの女性隊員巨大化も、オリジナルのアイデアを踏襲したものですね)

 ラストは、ゾフィーが仕掛けた最終兵器ゼットンとの闘いですが、このあたりは明らかにエヴァ。

 (オリジナルゼットンの面影を残したあの巨大構造物のデザインなど、まさにそれ)

 世間では、長澤まさみの描き方がセクハラっぽいとか(個人的にはカッコよかったけどな。こういう批判って、なんかいかにも令和的で、いい子ぶってる分、逆に鬱陶しい発想)、ストーリーが駆け足すぎとか(尺から言ってしょうがないだろ)、色々批判もあるようですが、個人的には非常に楽しめた作品だと思います。

 どの怪獣も宇宙人も現代の最新技術でグレードアップされて美しく、できればDVDを買ってじっくり堪能してみたいところです。

 強いて苦言を呈すれば、『禍特対』が『科特隊』と違って政府機関の下部組織にすぎず、メンバーが操作するのはおおむねパソコンであって、ジェットビートルなどの新兵器が出てこないこと、主役の神永(斎藤工)とヒロイン(長澤まさみ)の絆の描き方が、モロボシ・ダンとアンヌ隊員のそれに比べると、きわめて表面的であること、などでしょうか。

 そのあたりを考慮して、次回はぜひ『シン・ウルトラセブン』を制作してほしいと思います。

 それにしても、庵野氏の脚本って、『シン・ゴジラ』の時もそうだったけど、けっこうハードSF寄りで、そこがうれしくもあり面倒くさいところでもあるわけで、この調子だと、次の『シン・仮面ライダー』はいったいどうなるのでしょうね。予告編は浜辺美波のビジュアル以外はほぼオリジナルそのものといった印象で、思いっきり昭和の雰囲気が堪能できそうで良かったですが…。

 
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