気まぐれシネマレビュー

#136 新世代のバットマンは･･･？ ～THE BATMAN～

　ようやく劇場に足を運ぶことができました。

　見てきたのは『THE BATMAN』。

　いやはや、スパイダーマンもそうですけど、我々はいったい何人のバットマンに付き合わされることになるのかー。
（ていうか、それをまたぞろ見に行く自分も自分だが）


　さて、『ダークナイト三部作』以来のバットマン単独作品ですが、感想は、というと･･･。

　今回のブルース・ウェインは、腺病質な外観といい、傷つきやすそうな表情といい、一番のはまり役かも。

　ヒロインのキャットウーマンもまずまずだし、音楽もいいしで、まあそれだけでも及第点は上げてもいい作風。

　ただし、ゴッサムシティを牛耳るマフィアと政界の汚職をメインに据えたストーリーは、3時間以上も費やす割にはなんだか2時間ドラマの枠を超えないレベルで、途中けっこうどうでもよくなってくる。

　ブルースの両親を殺した真犯人がどっちのマフィアなのか、正直、そんなんどっちでもいいじゃん、どうせ両方とも悪人なんだから、って感じでしょうか。

　孤児から企業会計士に這い上がり、孤児院建て直しの資金を貪る富裕層たちに復讐するリドラーの造形は、大ヒットしたあの『ジョーカー』の影響を受けているようにも見えます。

　ともあれ、ラスト近く、改心したバットマンが、洪水で滅茶苦茶になったゴッサムシティで災害救助に精を出すシーンは、いかにも今風だなと感心した次第。

　ペンギン＝秘密クラブのオーナー（あの体格なのになぜかカーチェイスではバットモービルとほぼ互角）
　リドラー＝政治犯で連続殺人鬼（動機はわかるが本人はかなりのサイコパス）
　キャットウーマン＝猫をたくさん飼ってる若い女の泥棒
　バットモービル＝普通の車（ただし、ロケットエンジンは搭載か？）

　という布陣なので、ワンダーウーマンやアクアマンとの共演は絶対に無理。
　三部作だそうですが、このリアルなノアールのムードをバットマン単独映画として最後まで貫くのでしょうね。
　ラストから、次回はジョーカーが登場するのではないかという声が高いようです。
　もしそうであるならば、この暗いトーンからして、もしかすると次作は、相棒のロビンがジョーカーに殺される回を下敷きにするのかもしれません。