気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#43 応援したくなるヒーローの魅力 ~シャザム!~

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 コナン旋風が吹き荒れる中、さっそく観て来ました。『シャザム!』。
 幼い頃、母親に捨てられ、里親の家を転々とする14歳の少年のビリーが、世界最後の魔法使い?の後継者に選ばれ、スーパーヒーローに変身できる能力を手に入れる、というお話。

 前半の、新たなグループホームで知り合った同じ里子のひとり、ヒーローオタクのフレディと一緒に、ビリーがシャザムのパワーを検証すべく色々な実験を繰り返すシーンは、とにかく見てて楽しい。そのスーパーパワーの無駄遣いぶりには笑えます。
 
 また、スーパーヒーローとヴィランの最終決戦といえば、『マン・オブ・スティール』を初めとして、パワー対パワーのごり押しで、いくらCGがすごくてもどうしても単調なものになりがちなのですが、その点この『シャザム!』は違います。これはひょっとして『ウルトラマンメビウス』のあれか? と思ったら、その予想もいい意味で裏切られました。

 以前このコーナーにあげた『アクアマン』『キャプテンマーベル』など、今年もアメコミヒーローものが続いていますが、その中ではこの『シャザム!』がいちばんおもしろかったです。笑いの中にもサム・ライミ監督の『スパイダーマン』に通じる切なさがあって、久しぶりに応援したくなるヒーローの誕生といった感じでした。

 今思えば、DCコミックのアベンジャーズ版、『ジャスティス・リーグ』は明らかに早過ぎましたね。ワンダーウーマン、アクアマン、そしてこのシャザムの単独作品が人気を博した今こそ、どーんと公開するとよかったのではないでしょうか。個人的には、できれば、シャザム、バットマン、ワンダーウーマン、フラッシュの4人を主役に据えて、新たな『ジャスティス・リーグ』をつくってほしいです。スーパーマンは強すぎるので、代わりに海外TVドラマ で現在人気のスーパーガールを入れるのもありかと思います。
 
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