上 下
383 / 385

#380 女子大生調教②

しおりを挟む
 琴子は梨乃の華奢な肩に手を置くと、やんわりとその柔らかな身体を遠ざけた。
「勘違いしないで。私はあなたが極端な寂しがり屋っていうから来てあげただけ。それ以上のことは望んでないわ」
「え?」
 ショックを受けたように目を見開き、顔を上げる梨乃。
 ふふっと心の中で微笑む琴子。
 ー私、もう、濡れちゃってるんですー
 琴子の自尊心をくすぐる、素敵な一言である。
 だが、ここであっさり相手の術中に落ちてしまうわけにはいかないのだ。
 主導権をどちらが獲るか。
 それは、最初の手合わせで決まるのだから。
「とにかく、まずは中にいれてくれない?」
 その身体を半回転させてドアに向かせ、背中を押す琴子。
 短い廊下の先が居間だった。
 同じ分譲マンションだから、仁美の家も間取りは琴子の所と同じである。
 だが、成人男性が住んでいない分、こちらのほうがまろやかな雰囲気で、どことなく華やかだ。
 テーブルをはさんで差し向かいで坐ると、
「どういうことですか?」
 梨乃がいきなり訊いてきた。
「どういうことって?」
 琴子は、ほつれたこめかみの髪の毛を指に巻きつけ、じらすように梨乃を見る。
「きのう、琴子さん、梨乃にいやらしいこと、しましたよね? まるで、そう、煽るように」
 頬が紅潮し、大きな目には涙が溜まっている。
「ああ、あれ」
 琴子はあくまでもはぐらかし通すつもりだった。
「悪かったと思ってるわ。あの仁美さんの妹って聞いたものだから、つい…」
「悪かったって、じゃあ…」
「もう、あんなことはしない。約束するわ」
「え?」
「梨乃ちゃんも、突然で面食らったよね。第一、あなた、レズ経験、ろくになさそうだったし。ほんと、ごめんなさい」
「ごめんなさいって…。なら、きょうは、何しに来たの?」
「寂しがり屋のあなたの話し相手くらいにはなれるかな、と思って。一人じゃ、夜も眠れないんでしょう? それに、時々はお料理も作ってあげられるし」
「話し相手、だけですか…?」
「私じゃ不足かしら。そっか、歳も違い過ぎるしね」
「そういうことじゃなくって!」
 ばんっ。
 テーブルに手のひらを突いて立ち上がる梨乃。
「きのう、あれだけ梨乃のこと誘惑して、その気にさせておいて、今度はいきなり放置プレイですか? 梨乃の乳首、吸ったり嘗めたりしたのも、あれはみんな、遊びだったってことですか? 梨乃をここまで本気にさせといて、 んもう、そんなの、あり得ない!」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...