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#9 祭りの後
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嗅ぎ慣れたあの臭気が締め切った体育館の中に漂っている。
僕は全裸のままゴールポストに背を預け、放出の後の脱力感でぐったりとなっていた。
すでに四肢の拘束は外されていた。
匂いは僕の股間中心に立ち上り、いくら顔を背けても鼻孔の奥に沁みついてくるようだった。
「やべーやつだったんだな、金田って」
明らかにドン引きした様子で、高尾がつぶやいた。
「いじめられてる途中でイクやつって、初めて見た」
甲高い声で同調したのは相棒の赤城である。
耳を塞ぎたかった。
見られてしまった。
その思いが、強い。
僕の一番、恥ずかしい部分を、よりによって、一番知られたくないやつらに、知られてしまったのだ…。
「これはいじめじゃないさ」
あっけらかんとした口調で、如月が言った。
「だって、僕らは彼に快感を与えてやったんだぜ。それも、絶頂に至るほどの。彼が望んでいた通りに」
悪魔だ、とその得意げな横顔を盗み見て僕は思った。
こいつは、優等生の皮を被った悪魔なのだ。
「動画は撮ったよね。ならば、きょうはこの辺で解散にしよう」
天井のスピーカーを見上げて、如月が言い出した。
「そろそろ、先生たちが見回りに来る頃だ。見つかったら、いろいろと面倒だろ」
「こいつはどうする?」
「このまんまでいいんじゃない? 彼、露出狂みたいだから、全裸が好きだろうし」
「人気のない体育館で、全裸になって自分を慰めてた変態少年。あまりの気持ちよさに失神する、ってとこだな」
「俺、マジで気持ち悪くなってきた。変態は放っておいて、行こうぜ」
死にたくなった。
散々な言われようである。
それに、下半身に飛び散った体液が放置した糊みたいに乾き始めていて、ひどく不快な気分だったのだ…。
僕は全裸のままゴールポストに背を預け、放出の後の脱力感でぐったりとなっていた。
すでに四肢の拘束は外されていた。
匂いは僕の股間中心に立ち上り、いくら顔を背けても鼻孔の奥に沁みついてくるようだった。
「やべーやつだったんだな、金田って」
明らかにドン引きした様子で、高尾がつぶやいた。
「いじめられてる途中でイクやつって、初めて見た」
甲高い声で同調したのは相棒の赤城である。
耳を塞ぎたかった。
見られてしまった。
その思いが、強い。
僕の一番、恥ずかしい部分を、よりによって、一番知られたくないやつらに、知られてしまったのだ…。
「これはいじめじゃないさ」
あっけらかんとした口調で、如月が言った。
「だって、僕らは彼に快感を与えてやったんだぜ。それも、絶頂に至るほどの。彼が望んでいた通りに」
悪魔だ、とその得意げな横顔を盗み見て僕は思った。
こいつは、優等生の皮を被った悪魔なのだ。
「動画は撮ったよね。ならば、きょうはこの辺で解散にしよう」
天井のスピーカーを見上げて、如月が言い出した。
「そろそろ、先生たちが見回りに来る頃だ。見つかったら、いろいろと面倒だろ」
「こいつはどうする?」
「このまんまでいいんじゃない? 彼、露出狂みたいだから、全裸が好きだろうし」
「人気のない体育館で、全裸になって自分を慰めてた変態少年。あまりの気持ちよさに失神する、ってとこだな」
「俺、マジで気持ち悪くなってきた。変態は放っておいて、行こうぜ」
死にたくなった。
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