上 下
194 / 246

#193 初子と怪獣大戦争⑳

しおりを挟む
 私が思わず己の手を見詰めてしまったのlには、理由がある。

 はたらけど
  はたらけど猶わがくらし楽にならざり
  ぢっと手を見る…。

 などと、何も石川啄木の短歌が頭に浮かんだからではない。

 肉弾戦、と聞いて閃いた戦法が、これ。

 指浣腸だったからである。

 風の噂に聞いたことがある。

 あるいはBL小説で読んだのだったか。

 男の場合、直腸は、勃起中枢に通じていると。

 だから、アヌスに指を突っ込むと、100%男は勃起し、ひどい時には射精してしまうものだと。

 だったら、これは、やるしかないだろう。

「任せて!」
 私=初子は大地を蹴ると、両手を合掌の型に組み合わせ、人差し指を伸ばして突っこんだ。
 そのまま、股間を押さえてガニ股なっているゴローの足のあいだにスライディングを敢行すると、真下から尻の割れ目めがけて力いっぱい指を突き出した。
 が、私の指浣腸は、むなしく空を切っただけだった。
 ぐおうっ!
 がは、がはははっ!
 勝ち誇ったように叫ぶゴロー。
 信じられない!
 ああ、こいつ、よりによって、私の必殺・指浣腸をひょいと尻をひねってよけやがったのだ。
 首根っこをつかまれ、引きずり起される。
 尻を突き出した姿勢のまま、後ろから腰を抱え込まれた。
 まずい。
 私は焦った。
 今や初子の処女は風前の灯火だ。
 ひとえに風の前の塵、とはこのことだ。
 無常感が木枯らしのように胸の中を葺きすぎていった。
 どこか遠くで祇園精舎の鐘が鳴っている。
 その諸行無常の響きに、心が震える。
 なんせ初子の白桃のような丸い尻は、ゴローの眼の前なのである。
 このまま無事で済むはずがない。
 案の定、
 うほっ、うほっ、うほっ。
 鼻息も荒く、ゴローがぶっとい指で初子の木綿のパンティを引きずり下ろしやがった。
 くうう。
 パンティが足首に絡んで、余計動けないってば!
 こいつ、猿だけに猿知恵が働くのか、背中のホックの意味に気づいたらしく、今度はブラを外しにかかってる!
 おまわりさーん!
 痴漢です!
 正真正銘、これ、レイプです!
 セクハラどころじゃありません!
 な、なんとかしてください!
 私はすっかり正気を失っていたようだ。
 そんな私を現実に引き戻したのは、いつもあまり役に立たないあの女神さまの声である。
 ー翔子、今さら何です。案ずることなど、ないではありませんか。よおく思い出してみるのです。初子はともかくとして、翔子、あなたはすでに処女ではない。そう、少なくとも前の”穴”はー
 
 う。
 痛っ。
 そうだった。
 前の穴って。
 私の処女は、あの時…。
 
 忌まわしい記憶とともに閃いたのは、捨て身のエロ魔法の存在である。
 手を汚すことを厭わなければ、私には必殺技があったのだ。

「ありがとう。気づかせてくれて」
 悔し涙に暮れながら、私は礼を言った。
「こうなったら、どっちの穴でもいいから、早く来いってんだよ!」
 半ばやけくそになって、これみよがしに、尻を突き出した。

 と。次の瞬間。
 熱く硬い、とんでもなく太い棒が、めりめりと音を立てて、私の体の中に入ってきた。
 

 

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...