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#192 初子と怪獣大戦争⑲

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「アビリティ連続魔法!」
 私は叫んだ。
「全身ローション!」
「ヴァーチャル洗濯ばさみ!」
 初子の肌という肌からじゅわっと液体が滲み出し、摩擦係数をゼロにする。
 ゴローのハグが緩んだ。
 チャンスである。
「はっ!」
 掛け声とともにその場にしゃがみこみ、毛むくじゃらの腕から逃れ出ると、私=初子は横っ飛びに転がってゴローから距離を取った。
 ゴローは追ってこない。
 なぜなら、エロ魔法”バーチャル洗濯ばさみ”が発動して、その厚い胸板に顔をのぞかせているふたつの乳首を責め立てているからだ。
 ドラミングを実行するわけにもいかず、ゴローは目を白黒させ、みるみる勃起し始めた己の乳首を凝視している。
 ここで攻撃の手を休める愚を冒すべきではなかった。
 私=初子は2、3歩大きく飛び退って十分な距離を取ると、立ち尽くす巨獣に向けて両手を突き出した。
「更にアビリティ連続魔法無限大!」
 こうなったら、総攻撃をしかけて一気呵成に昇天させてやるまでである。

「全身さわさわ!」
 悶えるゴロー。
「エア・フェラチオ!」
 その股間から、茶色い毛に覆われた肉棒がそそり立った。
「エア・パイずり!」
 肉棒は、戦車の主砲のように太く長くなっていく。
「ヴァーチャル素股!」
 見えない太腿にこねまわされ、ねじれ、しごかれる巨根。
「エア・コーガンもみもみ!」
 だらりと下がった金玉袋が伸縮し始めると、ゴローがおうおう吠え始めた。
 快感で、全身金縛り状態に陥っているに違いない。
「唾液吸引バキューム!」
 とどめとばかりに、舌を引きずり出してじゅうじゅうねぶってやった。
「これでどうだ!」
 あとは仕上げを御覧じろ。
 呪文をすべて唱え終え、腕組みして様子を観察することにした。
 だが、ゴローはしぶとかった。
 明らかに快感で頭が真っ白になり、熱病のようにぶるぶる震えているくせに、屹立した電信柱のような肉棒は、精液を発射しようとしないのだ。
 -我慢汁分泌120%。うーん、惜しいです。いい線いってるんですがー
 頭の中で女神が言った。
 -もうひとつ、決め手に欠けるようですねー
「んなこと言ったって、メンタル系の魔法はこれで打ち止めなんだけど」
 私は焦った。
 エロ魔法の効力は長くて3分だ。
 しかも、こんなにいっぺんに同時に使ったのはこれが初めてだから、1分もてばいいほうだろう。
 -あとは肉弾戦しかないですねー
 ため息混じりに女神が言った。
 -初子自身の手で、彼を涅槃に導いてあげるのですー
「な、なんと!」
 私=初子はじっと己の手を見つめた。
 ついに、この手を汚す時が来てしまったと…そういうわけなのか。



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