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ACT5 ヴァルプルギスの夜
#10 リコ④
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ハルの洗濯竿のような長大なペニスに突き上げられ、更に立位の体勢に持ち込まれると、リコの思考回路は愉楽の渦にさらわれ、一気に混沌の淵に飲み込まれてしまった。
ああ、いい…。
ハル…なんて、すごいの…。
躰が、溶ける…。
溶けて崩れて、なくなっちゃう…。
もみくちゃにされる乳房からくる快感。
ハルがリズミカルに突き上げる肉棒が子宮の中で暴れまわる感触。
そのどれもが初めての体験で、リコを忘我の境地に追い込むのに十分な威力を持っていた。
そしていよいよリコの身体の中心で、ハルのペニスが射精の兆候を見せてぐわっと膨らんだ、その瞬間である。
「リコさまあ。ハルぅ」
だしぬけにアリアの声が響き渡ったかと思ったら、次の一瞬、リコはベッドの上に乱暴に投げ出されていた。
な、なに?
どうしたって…いうの?
シーツに顔をうずめ、横になっていると、少しずつ、正気が戻ってきた。
薄い掛け布団を体に巻き、けだるげに上体を起こすと、ハルはすでにコートを羽織り、裸身を隠していた。
ハルの後ろ、部屋の入口あたりに、廊下の明かりに逆光になって、小さな人影が佇んでいる。
顔までは見えないが、アリアに違いない。
「どうした? アリア」
振り向くと、怒ったような声でハルが訊く。
無理もない。
射精の直前で邪魔が入ったのだ。
短気なハルでなくとも、不愉快になるに違いない。
何してるんだ? あいつ? せっかく、いいところだったのに…。
ん。
待て。
同じくアリアを疎ましく思いかけている自分に気づき、リコはとっさにかぶりを振った。
潮が引くように快感の波が去っていくと、それにつれ、リコの中で自我が目覚めたのだった。
てか、おかしいのは、うちのほうじゃないか。
ったく、何をしてたんだ? 今まで。
このざまは、いったい?
しわくちゃになり、体液と汗で汚れたシーツを見て思う。
かっと羞恥で頬が熱くなる。
くっ。
またか。
また、ハルに。
くそ。
でも。
違うぞ。
うちは、淫乱ハルとは、ぜんぜん違う。
今のは、悪夢みたいなもんだ。
うちは、ほんのちょっと、ハルにつきあっただけなんだ…。
頭がクリアになってくるにつれ、リコは無理やりそう思い込もうとした。
リコ本来のキャラ、”強い女”が戻ってきたからである。
そんな葛藤に頭を悩ませていると、またアリアの声がした。
幼子のように、心細そうな声音である。
「アリア、ひとりじゃ怖くて眠れないんですぅ。だから、お願いですぅ。リコさまと一緒のベッドで、眠らせてくださいなぁ」
ああ、いい…。
ハル…なんて、すごいの…。
躰が、溶ける…。
溶けて崩れて、なくなっちゃう…。
もみくちゃにされる乳房からくる快感。
ハルがリズミカルに突き上げる肉棒が子宮の中で暴れまわる感触。
そのどれもが初めての体験で、リコを忘我の境地に追い込むのに十分な威力を持っていた。
そしていよいよリコの身体の中心で、ハルのペニスが射精の兆候を見せてぐわっと膨らんだ、その瞬間である。
「リコさまあ。ハルぅ」
だしぬけにアリアの声が響き渡ったかと思ったら、次の一瞬、リコはベッドの上に乱暴に投げ出されていた。
な、なに?
どうしたって…いうの?
シーツに顔をうずめ、横になっていると、少しずつ、正気が戻ってきた。
薄い掛け布団を体に巻き、けだるげに上体を起こすと、ハルはすでにコートを羽織り、裸身を隠していた。
ハルの後ろ、部屋の入口あたりに、廊下の明かりに逆光になって、小さな人影が佇んでいる。
顔までは見えないが、アリアに違いない。
「どうした? アリア」
振り向くと、怒ったような声でハルが訊く。
無理もない。
射精の直前で邪魔が入ったのだ。
短気なハルでなくとも、不愉快になるに違いない。
何してるんだ? あいつ? せっかく、いいところだったのに…。
ん。
待て。
同じくアリアを疎ましく思いかけている自分に気づき、リコはとっさにかぶりを振った。
潮が引くように快感の波が去っていくと、それにつれ、リコの中で自我が目覚めたのだった。
てか、おかしいのは、うちのほうじゃないか。
ったく、何をしてたんだ? 今まで。
このざまは、いったい?
しわくちゃになり、体液と汗で汚れたシーツを見て思う。
かっと羞恥で頬が熱くなる。
くっ。
またか。
また、ハルに。
くそ。
でも。
違うぞ。
うちは、淫乱ハルとは、ぜんぜん違う。
今のは、悪夢みたいなもんだ。
うちは、ほんのちょっと、ハルにつきあっただけなんだ…。
頭がクリアになってくるにつれ、リコは無理やりそう思い込もうとした。
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そんな葛藤に頭を悩ませていると、またアリアの声がした。
幼子のように、心細そうな声音である。
「アリア、ひとりじゃ怖くて眠れないんですぅ。だから、お願いですぅ。リコさまと一緒のベッドで、眠らせてくださいなぁ」
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