破滅招来乙女リコ 【アダルト】

戸影絵麻

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ACT14 最後の死闘

#3 アリア①

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「あれれ? リコさまはあ?」

 アリアは茫然と空を見上げた。

 つい今の今まで、そこでMILKYに変身したリコが、珍墨彩と烈しい格闘を繰り広げていたのだ。

 ゾンビとして蘇ったビュンビュン丸にまで裏切られ、リコは明らかに苦戦しているようたった。

 だから、アリアとしては、少しでも早くブラック・アリアンに再変身して、リコを助けに行こうと思っていたところだったのである。

「どうやら、珍墨彩の超常能力で位相を変えられたようだな。おそらく行先は地上界」

 左手首に装着した銀色のウェアラブル端末、セラフィに視線を落として、ハルが答えた。

 変身を解いているアリアはいつもの学ラン姿、ハルは相変らずのスク水姿である。

「そ、そんなの、大変じゃないですかあ! あたしたちも早くリコさまを助けに行かないとお!」

 手足をばたつかせるアリアのくせ毛を片手でくしゃりとやって、ハルが言う。

「まあ、待て。リコならひとりで何とかするだろう。たとえ自分の貞操を犠牲にしてでも逆境を乗り越えるさ」

「貞操を犠牲にするって、どういうことですか? リコさまがあのきもいチンポコ野郎に犯されるのを、黙って見過ごせとでも?」

 余った学ランの袖をぶんぶん振り回して、真っ赤な顔でいきり立つアリア。

「ああ、魔人に犯されるリコをオカズにオなるというのも、乙なものだ」

「んもう! ハルったら! そんな冷たいこと言うなら、アリアひとりでも行きますからね!」

「だから、待てと言っている。リコの痴態を観戦しに行く前に、今こそチャンスだと思わないか?」

 ダッシュしかけたアリアの襟首を、長いリーチを活かしてハルがつかんだ。
 
「ちゃ、チャンスって、何がですかあ?」

 宙に吊るされ、ばたつくアリア。

「今この基地には、皇帝が不在だということだ。うまくすれば、研究施設に忍び込んで、おまえの体内から、最終兵器とやらを取り出すことができるやもしれぬ」

「最終兵器って」

 アリアが赤くなる。

「まさか、アリアのあそこに潜り込んで、取れなくなったアレ、ですかあ?」

「ああ、銀河連邦の王妃の秘宝、究極のアダルトグッズのあの道具だよ」

「えー、それを取り出すために、アリアを、解剖するって言うんですかあ? そんなの、お断りですう!」

「そうしないと、おまえごと、銀河連邦へ送り返さねばならなくなる。そうなれば、おまえは向こうで解体されるだけだ。その場合、おそらく命の保証はないだろう。それでも、いいのか?」

「ひいいい、どっちにしても、ひどすぎますぅ!」

 と、その時、頭上から割れ鐘のように耳障りな声が降ってきた。

「ふたりとも、なに揉めてんの? リコはどこへ行ったのさ?」

 ふたりの上に身をかがめているのは、魔人の魔法でゾンビとして復活した、あの巨大ビュンビュン丸だった。

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