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ACT14 最後の死闘
#1 リコ①
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気がつくと、そこは大都市の真っ只中だった。
草原地帯も砂漠も消え、明かりの灯ったビル群が見渡す限り、周囲に広がっている。
足元では、ライトを点したおびただしい数の車が車道を、海流に浮遊する夜光虫の群れのように流れている。
交差点や歩道では通行人たちが立ち止まり、黒山の人だかりとなって、リコのほうを見上げている。
ビルの窓からも、多くの人々が鈴なりになって身を乗り出していた。
「どうだ? 観客は多いほうが張り合いが出るだろう?」
黒々と聳え立つ影が、おごそかな口調で言った。
闇を味方につけた珍墨彩は、皇帝というより魔王さながらだ。
リコはその珍墨彩に両の太腿を抱え込まれ、ひどく不自然な格好で宙に浮いている。
逃れようにも魔王の腕力は想像以上に強く、脚を動かすこともままならない。
くそっ! こうなったら!
リコはとっさに上半身を起こし、パンチを繰り出そうとした。
「おっと、同じ手は二度と食わないぞ」
その拳が届く前に、珍墨彩がリコの両足を脇に抱えたまま、回転し始めた。
く、今度はジャイアント・スイングか!
遠心力で、躰が水平に伸び切ってしまった。
こうなると、リコの腹筋がいくら強くても、上体をもたげることは至難の業だ。
それにそもそも、さっき腹に重いボディブローの連打を食らったせいで、下腹に力が入らないのだ。
「うわああっ! やめろおお!」
ぶんぶん振り回され、リコは絶叫した。
目が回る。
夜景が凄い勢いで光の尾を引いて視界の隅を飛んでいく。
三半規管を完全にやられ、そのうち何が何だかわからなくなった。
朦朧としたまま辛うじて薄目を開くと、いつしか回転は止まり、リコはあられもなく股を広げられていた。
「ぐふふふふ、衆人環視の場で、巨大スーパーヒーローをレイプする。悪の権化として、これほど名誉なことはないだろうな」
ハイレグレオタードの切れ上がった股間部分に黒光りする棒状の物体を近づけて、魔王が言った。
「な、なにい?」
拳のような形状の先端でクロッチ部分をつつかれ、リコは青くなった。
こいつ、まさか、ここであたしを・・・?
リコと珍墨彩の周りには、パタパタとプロペラの音を響かせながら、テレビ局や新聞社の取材ヘリが蠅のように飛び回っている。
しかも地上は、忽然と始まったこの世紀の対決を見ようと、街中の人々が集まってきているのだ。
こんなところで強姦されでもしたら、自分はそれこそ二度とヒーローとして地上に立てなくなってしまうだろう。
「くう、おい、イオ、どうしたらいい?」
苦し紛れに、前頭葉のイオに話しかけた。
-万事休すです。ビキニアーマーを破壊されたせいで、おっぱいビームも使えませんー
「アリアは、ハルは、どうしている?」
-突然の次元転移で、まだ所在を確認できていません。おそらく二人は地下の怪獣牧場に取り残されたままかとー
「ちい、肝心な時に!」
リコは悔しさのあまり、奥歯をぎりぎり噛み鳴らした。
そのリコを面白そうに眺めながら、助平たらしい口調で、魔王が言った。
「何をぶつぶつひとり言を言っておる。さあ、そろそろ行くぞ。泣く子も黙るわしの極太珍棒を、その淫らな”口”で、とくと味わうがよい!」
草原地帯も砂漠も消え、明かりの灯ったビル群が見渡す限り、周囲に広がっている。
足元では、ライトを点したおびただしい数の車が車道を、海流に浮遊する夜光虫の群れのように流れている。
交差点や歩道では通行人たちが立ち止まり、黒山の人だかりとなって、リコのほうを見上げている。
ビルの窓からも、多くの人々が鈴なりになって身を乗り出していた。
「どうだ? 観客は多いほうが張り合いが出るだろう?」
黒々と聳え立つ影が、おごそかな口調で言った。
闇を味方につけた珍墨彩は、皇帝というより魔王さながらだ。
リコはその珍墨彩に両の太腿を抱え込まれ、ひどく不自然な格好で宙に浮いている。
逃れようにも魔王の腕力は想像以上に強く、脚を動かすこともままならない。
くそっ! こうなったら!
リコはとっさに上半身を起こし、パンチを繰り出そうとした。
「おっと、同じ手は二度と食わないぞ」
その拳が届く前に、珍墨彩がリコの両足を脇に抱えたまま、回転し始めた。
く、今度はジャイアント・スイングか!
遠心力で、躰が水平に伸び切ってしまった。
こうなると、リコの腹筋がいくら強くても、上体をもたげることは至難の業だ。
それにそもそも、さっき腹に重いボディブローの連打を食らったせいで、下腹に力が入らないのだ。
「うわああっ! やめろおお!」
ぶんぶん振り回され、リコは絶叫した。
目が回る。
夜景が凄い勢いで光の尾を引いて視界の隅を飛んでいく。
三半規管を完全にやられ、そのうち何が何だかわからなくなった。
朦朧としたまま辛うじて薄目を開くと、いつしか回転は止まり、リコはあられもなく股を広げられていた。
「ぐふふふふ、衆人環視の場で、巨大スーパーヒーローをレイプする。悪の権化として、これほど名誉なことはないだろうな」
ハイレグレオタードの切れ上がった股間部分に黒光りする棒状の物体を近づけて、魔王が言った。
「な、なにい?」
拳のような形状の先端でクロッチ部分をつつかれ、リコは青くなった。
こいつ、まさか、ここであたしを・・・?
リコと珍墨彩の周りには、パタパタとプロペラの音を響かせながら、テレビ局や新聞社の取材ヘリが蠅のように飛び回っている。
しかも地上は、忽然と始まったこの世紀の対決を見ようと、街中の人々が集まってきているのだ。
こんなところで強姦されでもしたら、自分はそれこそ二度とヒーローとして地上に立てなくなってしまうだろう。
「くう、おい、イオ、どうしたらいい?」
苦し紛れに、前頭葉のイオに話しかけた。
-万事休すです。ビキニアーマーを破壊されたせいで、おっぱいビームも使えませんー
「アリアは、ハルは、どうしている?」
-突然の次元転移で、まだ所在を確認できていません。おそらく二人は地下の怪獣牧場に取り残されたままかとー
「ちい、肝心な時に!」
リコは悔しさのあまり、奥歯をぎりぎり噛み鳴らした。
そのリコを面白そうに眺めながら、助平たらしい口調で、魔王が言った。
「何をぶつぶつひとり言を言っておる。さあ、そろそろ行くぞ。泣く子も黙るわしの極太珍棒を、その淫らな”口”で、とくと味わうがよい!」
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