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ACT13 怪獣牧場
#25 リコ⑰
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珍墨彩が長槍を大きく打ち振った。
串刺しになったビュンビュン丸が、槍から抜けて地面に落ちた。
ビュンビュン丸が、死んだ?
バイザーの陰でリコは目を見開いた。
にわかには信じられなかった。
端役とはいえ、ビュンビュン丸も一応リコたちの仲間である。
漫画じゃあるまいし、これまでいっしょに戦ってきた仲間がそんなに簡単に死ぬなどということが、あっていいはずがない。
が、ぼろ布のように横たわったビュンビュン丸の死は、遠目に見てももう明らかだった。
口と肛門から血と臓物がはみ出し、眼球は完全に裏返ってしまっている。
-リコ、気をしっかり持つのです。ビュンビュン丸のことは、ハルに任せましょう。
前頭葉で、イオが警告するように言う。
-ハルに?
敵に気取られないよう、頭の中で返事を返す。
-ええ、ハルは宇宙人です。何か蘇生の方法を持っているかもしれません。
-そういうイオも、エウロパ由来の機械じゃないか。
-私の本体は今もエウロパの海の下ですから、なんでもできるというわけではないのです。今は、リコのサポートとメンテナンスだけが、私にできるすべてです。
-そうか。まあ、いい。とにかく、腹が立つ。あいつをやっつける。
リコはバストアーマーから飛び出た右の乳首、つまり金色のほうを指でつまんだ。
乳輪のダイヤルに合わせ、ぎりっと右に回転させる。
瞬間、ババッと体の周辺の空間が歪み、コスチュームが微妙に変わって背が伸びた。
飛行モードから格闘モードに切り替え変身したのである。
背中には翼の代わりに両刃の大剣が出現している。
躰は厚みを増し、腕と太腿に筋肉の束が浮き上がる。
ブーツの底は厚く頑丈になり、ロンググローブの両手には、棘だらけのナックルが出現していた。
「てめえ、このチンポコ野郎。今度こそ、殺す」
冷ややかな声で、リコは吐き捨てた。
「チンポコ野郎だと? きさま、誰に向かってモノを言っておる?」
鼻は萎びたペニス、髭は陰毛、顔は金玉袋といった異相の皇帝が、こめかみに青筋を立てて怒鳴ってきた。
「おまえだよ、おまえ。チンポコそのものの、猥褻物の塊みたいな顔しやがって。よくもビュンビュン丸を! くそ、これでもくらえ! たあっ!」
啖呵を切るとともに、マイクロミニの裾を跳ね上げて、リコの長くしなやかな右脚が宙を舞う。
音速の速さで旋回したロングブーツが、惜しげのないパンチラに気を取られた怪人の頸筋に炸裂した。
「ど、どわあああああっ!」
渾身の一撃を食らい、吹っ飛ぶかと思いきや、
「な、なに?」
しかし、目をしばたたいたのは、リコのほうだった。
珍墨彩が、リコの右足を両手で抱え込んでいる。
すごい力でしがみつかれ、引き抜こうにも引き抜けない。
「くくくくく、いい眺めだわい」
パンチラしたまま固まったリコの股間をガン見して、底意地悪そうに珍墨彩がほくそ笑んだ。
くう。
リコは嫌な予感に唇を噛んだ。
遅ればせながら、怪人の異様なご面相の真ん中で、鼻代わりのペニスが、ピノキオのようににょきにょき勃起していることに気づいたのだ。。
串刺しになったビュンビュン丸が、槍から抜けて地面に落ちた。
ビュンビュン丸が、死んだ?
バイザーの陰でリコは目を見開いた。
にわかには信じられなかった。
端役とはいえ、ビュンビュン丸も一応リコたちの仲間である。
漫画じゃあるまいし、これまでいっしょに戦ってきた仲間がそんなに簡単に死ぬなどということが、あっていいはずがない。
が、ぼろ布のように横たわったビュンビュン丸の死は、遠目に見てももう明らかだった。
口と肛門から血と臓物がはみ出し、眼球は完全に裏返ってしまっている。
-リコ、気をしっかり持つのです。ビュンビュン丸のことは、ハルに任せましょう。
前頭葉で、イオが警告するように言う。
-ハルに?
敵に気取られないよう、頭の中で返事を返す。
-ええ、ハルは宇宙人です。何か蘇生の方法を持っているかもしれません。
-そういうイオも、エウロパ由来の機械じゃないか。
-私の本体は今もエウロパの海の下ですから、なんでもできるというわけではないのです。今は、リコのサポートとメンテナンスだけが、私にできるすべてです。
-そうか。まあ、いい。とにかく、腹が立つ。あいつをやっつける。
リコはバストアーマーから飛び出た右の乳首、つまり金色のほうを指でつまんだ。
乳輪のダイヤルに合わせ、ぎりっと右に回転させる。
瞬間、ババッと体の周辺の空間が歪み、コスチュームが微妙に変わって背が伸びた。
飛行モードから格闘モードに切り替え変身したのである。
背中には翼の代わりに両刃の大剣が出現している。
躰は厚みを増し、腕と太腿に筋肉の束が浮き上がる。
ブーツの底は厚く頑丈になり、ロンググローブの両手には、棘だらけのナックルが出現していた。
「てめえ、このチンポコ野郎。今度こそ、殺す」
冷ややかな声で、リコは吐き捨てた。
「チンポコ野郎だと? きさま、誰に向かってモノを言っておる?」
鼻は萎びたペニス、髭は陰毛、顔は金玉袋といった異相の皇帝が、こめかみに青筋を立てて怒鳴ってきた。
「おまえだよ、おまえ。チンポコそのものの、猥褻物の塊みたいな顔しやがって。よくもビュンビュン丸を! くそ、これでもくらえ! たあっ!」
啖呵を切るとともに、マイクロミニの裾を跳ね上げて、リコの長くしなやかな右脚が宙を舞う。
音速の速さで旋回したロングブーツが、惜しげのないパンチラに気を取られた怪人の頸筋に炸裂した。
「ど、どわあああああっ!」
渾身の一撃を食らい、吹っ飛ぶかと思いきや、
「な、なに?」
しかし、目をしばたたいたのは、リコのほうだった。
珍墨彩が、リコの右足を両手で抱え込んでいる。
すごい力でしがみつかれ、引き抜こうにも引き抜けない。
「くくくくく、いい眺めだわい」
パンチラしたまま固まったリコの股間をガン見して、底意地悪そうに珍墨彩がほくそ笑んだ。
くう。
リコは嫌な予感に唇を噛んだ。
遅ればせながら、怪人の異様なご面相の真ん中で、鼻代わりのペニスが、ピノキオのようににょきにょき勃起していることに気づいたのだ。。
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