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ACT13 怪獣牧場

#13 ハル②

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「ちょ、ちょっと、ハルったら! オナニーなんかしてる場合じゃないでしょ!」

 ビュンビュン丸の叫び声に、

「あ?」

 とハルはスクール水着の上から勃起乳首をいじる手を止めた。

 くそ、いいとこなのに。

 銀縁眼鏡の奥から、恨めしげに傍らの改造人間をにらむ。

「このままじゃ、リコもアリアもやられてしまう! なんとかしないと!」

 ビュンビュン丸に改めて指摘されるまでもなかった。

 キング・マラブンタにハグされたまま、リコは巣穴に引きずりこまれようとしている。

 アリアはといえば、2頭のクァールにコスチュームを引き裂かれて半裸にされたあげく、身体中の穴という穴をべろべろ舐められている。

 ”凌辱されるスーパーヒーロー”なる構図は、ハルの最も萌えるシチュエーションである。

 見上げているうちに、どうしようもなく催してきてしまったのだった。

「まあ、確かにおまえのいう通り、このままではふたりとも怪獣たちにレイプされてしまう。スーパーヒーローのレイプものというのも捨てがたいが、だがしかし、私たちには使命がある」

 眼鏡の縁を指で押し上げ、クールな口調でハルは答えた。

「なら、なんとかしないと」

 ビュンビュン丸は必死である。

 この前まで敵怪人だったのに、いつのまにかリコとアリアにすっかり肩入れしてしまっている。

 考えるまでもなく、当然といえば当然だった。

 キモい改造人間や怪獣だらけの腸詰帝国出身のビュンビュン丸から見れば、リコもアリアも絶世の美女と美少女。

 男なら、どっちの味方につくか、もう本人に訊くまでもない。

「そこまで言うなら、ビュンビュン丸」

 ハルは左手のブレスレットを改造人間の前に突き出した。

「巨大化してやるから、おまえが行け」

 -マジかあ。

 頭の中にセラフィムの声が響いた。

 -今度はあんさんじゃなくて、こいつを巨大化しろと?

「ほんの10分程度でいい。さっき私に使った巨大化光線、まだ残ってるだろ?」

 -しゃあないな。この蚊トンボが、何かの役に立つとは思えへんのやが。

「いいから、やれ」

「何ぶつぶつひとりごと言ってるの?」

 ビュンビュン丸がいぶかしげに首をかしげた時だった。

 だしぬけにハルのブレスレットから薔薇色の光線が発射され、ビュンビュン丸の全身を包み込んだ。

「行け! 汚物ヒーロー、キモ汁ビュンビュン丸よ!」

 ハルがパチリと指を鳴らすと、

「うわああああああっ!」

 遠近法が狂ったかのように、ぐんぐん大きくなっていく改造人間。

 短パンが粉微塵に破れ、全裸のまま巨大化した。

 股間にぶら下がるペニスが、ビッグベンの振り子のように揺れている。

 グルルル…。

 アリアを凌辱していたクァールの1頭が顔を上げた。

「や、ヤバいよ!」

 股間を両手で隠すビュンビュン丸。

「馬鹿、背中を向けたら襲われるぞ」

 ハルの警告も空しく、駆け出したビュンビュン丸に向かって、大きくジャンプしたクァールが飛びかかった。

 
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