199 / 230
ACT13 怪獣牧場
#7 リコ⑥
しおりを挟む
リコとキング・マラブンタの背丈は地上20メートルでほぼ同じ。
だが、敵はその後ろに更に20メートルにも及ぶ胴体を持っていて、その威圧感といったら半端ない。
Uの字を横倒しにしたような形でゆらゆら揺れる尾の部分だけで、優にプラス10メートルはあるだろう。
-リコ、油断は禁物です。早まってはいけません。まずは敵の攻撃手段を見定めなくては。
前頭葉からイオが緊迫した思念を送ってくる。
が、その時にはリコはすでに飛び出していた。
元来、短気な性格なのだ。
「こんなムカデ野郎、一撃で真っ二つさ!」
駆けながら、頭上にサーベルを振りかぶる。
ジャンプして、その切っ先を怪獣の頭部に叩きつけようとした瞬間だった。
ふいに、マラブンタの単眼が、ぎらりと光った。
と思った時には、二筋の光線がリコのビキニアーマーを貫いていた。
「マジか! 光線技かよ!」
わめいた時には、すでに遅かった。
身体中の筋肉が痺れて動かない。
リコの手から、サーベルが抜けて地面にどさりと落ちた。
-大変です! 今のはどうやら、麻痺光線と思われます。四肢の筋肉と運動神経が機能を停止しました!
「な、なんだって?」
リコは歯軋りした。
心臓をやられなくてよかったとは思うものの、これではマネキン人形と同じである。
サンドバック代わりにボコボコにされるのは、もう目に見えている。
いや、腸詰帝国は、繁華街の半グレ集団とはわけが違う。
皇帝珍墨彩以下、変態怪人や変態海獣の巣窟なのだ。
その程度の被害で済むとはとても思えない。
キシェーッ!
蒸気機関車みたいな音を立てて、マラブンタが動き始めた。
蜘蛛のような節くれだった脚を交互に動かし、リコのほうにその巨体をのしのしと運んでくる。
一番上に生えている一対の腕が伸び、リコの両腕をつかんでひねり上げた。
万歳をするような姿勢を取らされ、リコのすべすべの腋の下が露わになる。
嫌な予感がした。
夜道でレイプ魔に遭遇した時のような、とてつもなく嫌な予感だった。
そして。
予感は当たった。
「や、やめろ!」
反射的に、そう叫んだ時である。
マラブンタの二対目の腕が伸び、熊手のような五本の指がいきなりリコの乳房をがっしりと鷲掴みにしたのだ。
だが、敵はその後ろに更に20メートルにも及ぶ胴体を持っていて、その威圧感といったら半端ない。
Uの字を横倒しにしたような形でゆらゆら揺れる尾の部分だけで、優にプラス10メートルはあるだろう。
-リコ、油断は禁物です。早まってはいけません。まずは敵の攻撃手段を見定めなくては。
前頭葉からイオが緊迫した思念を送ってくる。
が、その時にはリコはすでに飛び出していた。
元来、短気な性格なのだ。
「こんなムカデ野郎、一撃で真っ二つさ!」
駆けながら、頭上にサーベルを振りかぶる。
ジャンプして、その切っ先を怪獣の頭部に叩きつけようとした瞬間だった。
ふいに、マラブンタの単眼が、ぎらりと光った。
と思った時には、二筋の光線がリコのビキニアーマーを貫いていた。
「マジか! 光線技かよ!」
わめいた時には、すでに遅かった。
身体中の筋肉が痺れて動かない。
リコの手から、サーベルが抜けて地面にどさりと落ちた。
-大変です! 今のはどうやら、麻痺光線と思われます。四肢の筋肉と運動神経が機能を停止しました!
「な、なんだって?」
リコは歯軋りした。
心臓をやられなくてよかったとは思うものの、これではマネキン人形と同じである。
サンドバック代わりにボコボコにされるのは、もう目に見えている。
いや、腸詰帝国は、繁華街の半グレ集団とはわけが違う。
皇帝珍墨彩以下、変態怪人や変態海獣の巣窟なのだ。
その程度の被害で済むとはとても思えない。
キシェーッ!
蒸気機関車みたいな音を立てて、マラブンタが動き始めた。
蜘蛛のような節くれだった脚を交互に動かし、リコのほうにその巨体をのしのしと運んでくる。
一番上に生えている一対の腕が伸び、リコの両腕をつかんでひねり上げた。
万歳をするような姿勢を取らされ、リコのすべすべの腋の下が露わになる。
嫌な予感がした。
夜道でレイプ魔に遭遇した時のような、とてつもなく嫌な予感だった。
そして。
予感は当たった。
「や、やめろ!」
反射的に、そう叫んだ時である。
マラブンタの二対目の腕が伸び、熊手のような五本の指がいきなりリコの乳房をがっしりと鷲掴みにしたのだ。
0
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる