破滅招来乙女リコ 【アダルト】

ACT12 腸詰帝国潜入作戦

#11 アリア⑧

　部屋に戻ると、アリアはベッドの上で全裸になった。
　壁に背中をもたせかけ、M字開脚の姿勢を取る。
　手鏡を枕で固定して、あの部分が映るように角度を調整した。
　その上で、指をV字にして秘裂に添え、”唇”をそっと開いてみる。
　下のほうにひくひく動いている穴が見え、今度はそれを指で丸い形に押し開けた。
　濡れた内部は濃いピンク色で、中がどうなっているのか、暗くてよく見えない。
　確かなことは、あのローターが影も形もなくなっていることだった。
　ハルの言うように、アリアの身体のと一部なって、膣壁に吸収されてしまったのだろうか。
　ビュンビュン丸やハルに言わせると、あれはローターなどではなく、銀河帝国の秘宝、淫者の石なるものなのだという。
　なんでも、王妃が自分を慰めるために使っていた門外不出の極秘アイテムらしいのだ。
「ああん、どうしよう」
　アリアは手鏡を放り出して、顔を両手で覆った。
　変身できるようにはなった。
　ブラックアリアンは、今はまだ弱いけど、がんばればMILKYの右腕として活躍できるはずだ。
　でも、と思う。
　あの淫者の石が身体の一部になってしまったというのは、どう考えても歓迎すべからざる事態である。
　ハルの言葉ではないが、もし銀河帝国に送還されたら、アリアは石を取り出すために解体されてしまうに違いない。
「どうしてこんなことになったの？　だいたい、ジラフって誰なの？　なんでアリアにこんなもの渡して消えちゃったわけ？」
　元はと言えば、淫者の石を自分の秘所に突っ込んだのはアリア自身なのだが、そのあたりの事情は彼女の頭から消えてしまっているようだ。
　頭を抱えていると、ノックの音がした。
「起きてるか？　入るぞ」
　リコである。
「あ、リコさま」
　アリアの顔がぱっと明るくなった。
　今や、アリアの味方はリコだけである。
　宇宙刑事の本性をあらわしたハルは、いつ何時、アリアを逮捕して銀河帝国に引き渡そうとするかわからないし、ビュンビュン丸ときたら、そもそもが腸詰帝国の改造人間だけに、何を考えているのか不明なのだ。
「ちょ、ちょっと待ってくださいね！」
　パンティを穿き、その上から学ランを羽織ると、アリアは戸口に駆け寄った。
　もどかしげにドアを開けると、リコが立っていた。
　頭が桟につきそうなくらい、背が高い。
　さっきと同じ、無難なスウェットの上下を着ている。
「大丈夫か？　ハルに色々言われて、へこんでるんじゃないかと思って」
　珍しく、やさしい口調でリコが言った。
　気遣わしげに肩のいい眉をひそめている。
「リコさまあ！」
　熱いものが目尻から溢れ出し、アリアはひしとリコにしがみついた。
　そして、その瞬間、気づいた。
　リコのスウェットの下が、ほぼ裸であることに。