143 / 230
ACT12 腸詰帝国潜入作戦
#3 アリア③
しおりを挟む
「うーん、どうだろう? その名前には、何となく聞き覚えがあるけれど」
ツインテールの髪を指先でいじりながら、アリアは小首をかしげた。
「確か、ハルが追っかけてるのが、そのジラフって盗賊じゃなかったかなあ。でも、アリアはなーんにも覚えてないんだよ。リコさまに助けられる前のことは、ほんとに何にも」
「ジラフを追っかけてたって、ハルさんって、いったい何者なんですか? 外見と違って、ずいぶんワイルドな性格とお見受けしましたが」
ビュンビュン丸が声を潜めるのも、無理はない。
ハルはこの青年のペニスに、恐ろしい拷問を施したのだ。
それは、はたで見ていて気持ち悪くなるほど、陰惨なものだった。
ビュンビュン丸を仲間に加えることを承諾したハルの胸の内には、退屈したらまたこの男で遊んでやろうという魂胆が見え見えである。
女のリコを弄るのに飽きたら、ビュンビュン丸をまたぞろ拷問にかけるかどうかするつもりに違いない。
「知らなかったの? ハルは宇宙刑事だよ。銀河帝国の秘密警察に所属してるんだって。あのドSの性格は、宇宙人だからかなって思う」
「宇宙刑事? 銀河帝国? なるほど、だからハルさんもアリアさんも、俺の話に驚かなかったわけですね。ハルさん、腸詰帝国が銀河の秘密組織の密命を受けてるって聞いても、『やっぱりな』って言うだけだったし」
「アリア個人としては、銀河帝国って言われてもあんまりぴんとこないんだけどね。SFアニメじゃあるまいし」
「俺もそうです。話として聞いてるだけで、実感が湧いてこないというのが本音のところで」
アリアがぼやくと、いかにも同感といったふうに、ビュンビュン丸が頭をかいた。
「でも、あなたは確かに改造されてるし、怪獣たちも確かに存在した。だから、この世界が見た目だけのものじゃないってことは、ほぼ間違いないと思う」
「そうですね。リコさんの変身ひとつとっても、明らかに地球の常識から外れている」
「そうそう。だからアリア、思うんだ。これ以上、リコさまだけに負担をかけちゃ、いけないんじゃないかって。怪獣と体張って戦うのは、いつもリコさまでしょう? そのうちに、大けがするんじゃないかって、心配で心配でたまらないの。あーあ、アリアもリコさまのお手伝いができたらなあ」
アリアが無念そうにため息をついた時である。
「あるいは、賢者の石を使えば」
ふと名案を思いついたかのように、ビュンビュン丸が言った。
「あの賢者の石を身体に装着すれば、アリアさんも変身可能になるのではないでしょうか」
「やっぱり?」
アリアはパンティの中に手を突っ込むと、人肌で温かくなったローターをつまみ出した。
これをアリアが持っていることは、すでにビュンビュン丸にはバレているのだ。
ならばいつまでも隠しておく必要もないだろう。
「そ、そんなところに隠してたんですか」
ビュンビュン丸が耳のつけ根まで赤くなる。
「ハルも、腸詰帝国も、これを探してるってことになるのかなあ。とすると、それだけこの石にすごいパワーが秘められてるってことになるもんね」
「ええ。珍子の例を見てもわかります。もっとも、彼女は何か不都合があったのか、あんな怪物に変わってしまったわけですが…」
ビュンビュン丸が、悲しげに顔を伏せた。
「ちょtっと、やってみようか」
秘密を打ち明けるように、アリアは言った。
「でさあ、アリアが怪物に変身しそうになったら、あなたがこれを取ってほしいの。そうすれば、そこで元の姿に戻れるでしょ?」
「さあ、それは、やってみないことには、なんとも…」
「決ーめた。アリア、試してみるよ。ひょっとしたら、ちびMILKYくらいには変身できるかもしれないし」
「人体実験ですか? こわいなあ…」
尻ごみをするビュンビュン丸。
「ハルに見つかると、これ、取られちゃうから、今からここでやってみるね。いい? よく見てて。で、ヤバいなって思ったら、すぐにこれをアリアの身体から抜くのよ。珍子さんの二の舞になるのはやだからね」
「ぬ、抜くって、どこから…?」
「ここからに決まってるでしょ」
アリアは学ランを脱ぎ捨てると、下着姿でビュンビュン丸の前に立ち、股間を指さした。
「だってこれ、どう見ても大人の玩具なんだもの。装備するとしたら、おま〇この中しかないじゃない」
ツインテールの髪を指先でいじりながら、アリアは小首をかしげた。
「確か、ハルが追っかけてるのが、そのジラフって盗賊じゃなかったかなあ。でも、アリアはなーんにも覚えてないんだよ。リコさまに助けられる前のことは、ほんとに何にも」
「ジラフを追っかけてたって、ハルさんって、いったい何者なんですか? 外見と違って、ずいぶんワイルドな性格とお見受けしましたが」
ビュンビュン丸が声を潜めるのも、無理はない。
ハルはこの青年のペニスに、恐ろしい拷問を施したのだ。
それは、はたで見ていて気持ち悪くなるほど、陰惨なものだった。
ビュンビュン丸を仲間に加えることを承諾したハルの胸の内には、退屈したらまたこの男で遊んでやろうという魂胆が見え見えである。
女のリコを弄るのに飽きたら、ビュンビュン丸をまたぞろ拷問にかけるかどうかするつもりに違いない。
「知らなかったの? ハルは宇宙刑事だよ。銀河帝国の秘密警察に所属してるんだって。あのドSの性格は、宇宙人だからかなって思う」
「宇宙刑事? 銀河帝国? なるほど、だからハルさんもアリアさんも、俺の話に驚かなかったわけですね。ハルさん、腸詰帝国が銀河の秘密組織の密命を受けてるって聞いても、『やっぱりな』って言うだけだったし」
「アリア個人としては、銀河帝国って言われてもあんまりぴんとこないんだけどね。SFアニメじゃあるまいし」
「俺もそうです。話として聞いてるだけで、実感が湧いてこないというのが本音のところで」
アリアがぼやくと、いかにも同感といったふうに、ビュンビュン丸が頭をかいた。
「でも、あなたは確かに改造されてるし、怪獣たちも確かに存在した。だから、この世界が見た目だけのものじゃないってことは、ほぼ間違いないと思う」
「そうですね。リコさんの変身ひとつとっても、明らかに地球の常識から外れている」
「そうそう。だからアリア、思うんだ。これ以上、リコさまだけに負担をかけちゃ、いけないんじゃないかって。怪獣と体張って戦うのは、いつもリコさまでしょう? そのうちに、大けがするんじゃないかって、心配で心配でたまらないの。あーあ、アリアもリコさまのお手伝いができたらなあ」
アリアが無念そうにため息をついた時である。
「あるいは、賢者の石を使えば」
ふと名案を思いついたかのように、ビュンビュン丸が言った。
「あの賢者の石を身体に装着すれば、アリアさんも変身可能になるのではないでしょうか」
「やっぱり?」
アリアはパンティの中に手を突っ込むと、人肌で温かくなったローターをつまみ出した。
これをアリアが持っていることは、すでにビュンビュン丸にはバレているのだ。
ならばいつまでも隠しておく必要もないだろう。
「そ、そんなところに隠してたんですか」
ビュンビュン丸が耳のつけ根まで赤くなる。
「ハルも、腸詰帝国も、これを探してるってことになるのかなあ。とすると、それだけこの石にすごいパワーが秘められてるってことになるもんね」
「ええ。珍子の例を見てもわかります。もっとも、彼女は何か不都合があったのか、あんな怪物に変わってしまったわけですが…」
ビュンビュン丸が、悲しげに顔を伏せた。
「ちょtっと、やってみようか」
秘密を打ち明けるように、アリアは言った。
「でさあ、アリアが怪物に変身しそうになったら、あなたがこれを取ってほしいの。そうすれば、そこで元の姿に戻れるでしょ?」
「さあ、それは、やってみないことには、なんとも…」
「決ーめた。アリア、試してみるよ。ひょっとしたら、ちびMILKYくらいには変身できるかもしれないし」
「人体実験ですか? こわいなあ…」
尻ごみをするビュンビュン丸。
「ハルに見つかると、これ、取られちゃうから、今からここでやってみるね。いい? よく見てて。で、ヤバいなって思ったら、すぐにこれをアリアの身体から抜くのよ。珍子さんの二の舞になるのはやだからね」
「ぬ、抜くって、どこから…?」
「ここからに決まってるでしょ」
アリアは学ランを脱ぎ捨てると、下着姿でビュンビュン丸の前に立ち、股間を指さした。
「だってこれ、どう見ても大人の玩具なんだもの。装備するとしたら、おま〇この中しかないじゃない」
0
お気に入りに追加
181
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。

こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる