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#387話 施餓鬼会㊿
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気づくと私は無意識のうちにドアを開け、菜緒を部屋の中に迎え入れていた。
「変わったね…」
それだけ言うのがせいいっぱいだった。
居間で向かい合うと、私はしげしげと菜緒の全身を眺めた。
ひどく露出度の高い衣装を身に着けた菜緒はまるで別人だった。
しかも、ただ着衣が過激なだけではなく、身体つきや顔つきまでもが大きく変化しているのだ。
胸元の開いたサマーセーターからのぞく深い胸の谷間。
テニスのスコートのような純白の超ミニから出たむっちりした太腿。
あの未成熟を絵に描いたような生真面目一本の女性と、目の前のこの女とが同一人物とは、とても思えない。
「ふふふ、そうですかあ?」
少し舌ったらずな口調で、菜緒が答えた。
ルージュで濡れたように光る唇から一瞬のぞいた舌が、ひどくセクシーだった。
「どうして、また?」
立ったまま、私は訊いた。
舌が上顎に貼りつき、不自然に声がかすれるのがわかった。
なぜ彼女がここの住所を知っているのか。
教えた記憶はなかった。
少なくともあの当時の菜緒は、純然たる調査仲間みたいなものであって個人的な興味の対象ではなかったからだ。
それが今は…。
菜緒は上目遣いにじっと私の顔を見つめたままだ。
その艶めかしい表情に私の下半身が疼き出す。
あの時からずっと強張ったままの、あの部分が…。
「会いたかったんですよ」
ちろりと舌先で上唇を舐めるようにして、菜緒が答えた。
「病院で巌夫さんが眠っている時、私が何をしてたか、知ってますか?」
菜緒の視線が私の顔から胸、突き出た腹を通り、股間に降りた。
綿パンの前は菜緒のフェロモンのせいで今やパンパンに張り、筒状の輪郭を嫌らしく浮き上がらせている。
「窮屈そう」
棍棒を飲み込んだかのような私の股間を見ながら、菜緒がくすくす笑い出した。
「私が楽にしてさしあげましょうか? 病院で何度もしたみたいに」
菜緒の手がサマーセーターにかかった。
たくし上げられる布地の下から、ハーフカップのブラジャーに押し上げられた豊かな胸が現れる。
「な、何を…」
後ろに下がろうとした。
が、身体が動かなかった。
「もっと、見たい?」
今度は短いスカートをめくり上げ、極小のショーツをむき出しにする。
第二の皮膚のように薄い下着に包まれたその部位に、私の目は否応なしに吸い寄せられた。
とたんに、強烈な違和感を覚え、私は目を皿のように見開いた。
「き、君、そ、それは…?」
「ふふふ、見覚え、あるでしょう?」
淫蕩な笑みを口元に浮かべ、サキュバスと化した菜緒が言った。
「変わったね…」
それだけ言うのがせいいっぱいだった。
居間で向かい合うと、私はしげしげと菜緒の全身を眺めた。
ひどく露出度の高い衣装を身に着けた菜緒はまるで別人だった。
しかも、ただ着衣が過激なだけではなく、身体つきや顔つきまでもが大きく変化しているのだ。
胸元の開いたサマーセーターからのぞく深い胸の谷間。
テニスのスコートのような純白の超ミニから出たむっちりした太腿。
あの未成熟を絵に描いたような生真面目一本の女性と、目の前のこの女とが同一人物とは、とても思えない。
「ふふふ、そうですかあ?」
少し舌ったらずな口調で、菜緒が答えた。
ルージュで濡れたように光る唇から一瞬のぞいた舌が、ひどくセクシーだった。
「どうして、また?」
立ったまま、私は訊いた。
舌が上顎に貼りつき、不自然に声がかすれるのがわかった。
なぜ彼女がここの住所を知っているのか。
教えた記憶はなかった。
少なくともあの当時の菜緒は、純然たる調査仲間みたいなものであって個人的な興味の対象ではなかったからだ。
それが今は…。
菜緒は上目遣いにじっと私の顔を見つめたままだ。
その艶めかしい表情に私の下半身が疼き出す。
あの時からずっと強張ったままの、あの部分が…。
「会いたかったんですよ」
ちろりと舌先で上唇を舐めるようにして、菜緒が答えた。
「病院で巌夫さんが眠っている時、私が何をしてたか、知ってますか?」
菜緒の視線が私の顔から胸、突き出た腹を通り、股間に降りた。
綿パンの前は菜緒のフェロモンのせいで今やパンパンに張り、筒状の輪郭を嫌らしく浮き上がらせている。
「窮屈そう」
棍棒を飲み込んだかのような私の股間を見ながら、菜緒がくすくす笑い出した。
「私が楽にしてさしあげましょうか? 病院で何度もしたみたいに」
菜緒の手がサマーセーターにかかった。
たくし上げられる布地の下から、ハーフカップのブラジャーに押し上げられた豊かな胸が現れる。
「な、何を…」
後ろに下がろうとした。
が、身体が動かなかった。
「もっと、見たい?」
今度は短いスカートをめくり上げ、極小のショーツをむき出しにする。
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とたんに、強烈な違和感を覚え、私は目を皿のように見開いた。
「き、君、そ、それは…?」
「ふふふ、見覚え、あるでしょう?」
淫蕩な笑みを口元に浮かべ、サキュバスと化した菜緒が言った。
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