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第318話 真夏の災厄(前編)
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ここまでの酷暑だと、ペットボトルの水なんてすぐになくなってしまう。
休憩時間になると、俺は水飲み場に駆けつけて、むさぼるように水を飲んだ。
部活の他のメンバーも同じだった。
みんな、かわるがわる、蛇口に口をつけるようにして喉を潤している。
奇妙なことに気づいたのは、番が一巡して、最後にもう一度、蛇口に口を近づけた時だった。
にゅるっ。
蛇口から、肉色をした細いミミズが出てきたのである。
「うげ」
びっくりして飛びのくと、そいつはぽとんと下に落ちて、器用に泳ぎながら排水口の隙間に姿を消した。
気味が悪かった。
水道水に、あんな生き物が混入しているだなんて…。
保健所に知らせるべきだろうか。
いや、それよりまず、学校にー。
だったらやはり、保健室が一番だろう。
それに、保健室に行けば、彼女に会える。
俺は白衣姿の山田先生を思い出した。
山田香奈先生は俺たち男子の憧れの的だ。
若くて美人でスタイルがよく、何よりも陽気で優しいところがいい。
保健室は、A棟の1階にあった。
入口の戸を開けると、白衣の後ろ姿があった。
やった。
彼女、まだ帰っていなかったのだ。
「先生、大変です」
どぎまぎしながら声をかけた。
「だあれ?」
振り向く山田先生。
「あら、秋山君じゃない」
笑顔がまぶしい。
「どうしたの? こんな時間に」
いたずらっぽい目で俺を見上げたそのとたんー。
あまりのことに、俺はあんぐりと口を開けた。
先生の鼻の穴から、あれが…。
さっきのあのミミズが、にょろりと顔を出したのである…。
休憩時間になると、俺は水飲み場に駆けつけて、むさぼるように水を飲んだ。
部活の他のメンバーも同じだった。
みんな、かわるがわる、蛇口に口をつけるようにして喉を潤している。
奇妙なことに気づいたのは、番が一巡して、最後にもう一度、蛇口に口を近づけた時だった。
にゅるっ。
蛇口から、肉色をした細いミミズが出てきたのである。
「うげ」
びっくりして飛びのくと、そいつはぽとんと下に落ちて、器用に泳ぎながら排水口の隙間に姿を消した。
気味が悪かった。
水道水に、あんな生き物が混入しているだなんて…。
保健所に知らせるべきだろうか。
いや、それよりまず、学校にー。
だったらやはり、保健室が一番だろう。
それに、保健室に行けば、彼女に会える。
俺は白衣姿の山田先生を思い出した。
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やった。
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どぎまぎしながら声をかけた。
「だあれ?」
振り向く山田先生。
「あら、秋山君じゃない」
笑顔がまぶしい。
「どうしたの? こんな時間に」
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