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第264話 バーゲンセール
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GWの初日は、20年ぶりの感謝祭である。
町で唯一のスーパーでバーゲンセールが行われるというので、さっそく行ってみた。
20年に1度ということで、店はさすがの賑わいだった。
まずは果物コーナーをのぞいてみる。
すぐに、山盛りに盛った粒の大きなぶどうの房が目についた。
手に取ってみると、案の定だった。
ぶどうに見えたのは十数個を一束にした人間の眼球である。
採れたてらしく、水晶体が濁っていない分、旨そうだ。
次に訪れた野菜コーナーには、色々珍しいものがそろっていた。
ニンニクそっくりなのは、人間のオスの陰嚢である。
となると、その隣の銀杏は、陰嚢の中身を出して乾燥させた精巣か。
むろん、陳列棚には大小の松茸もそろっているが、こいつの正体はもう言うまでもないだろう。
マイタケが安かったのでよく見ると、こちらは人間の前頭葉だった。
ブロッコリーに見えるのが、頭蓋から丸ごと摘出した大脳だ。
白く瑞々しい大根は、桃の付け根から膝までを切り出した人間の女性の脚である。
スイーツのコーナーで目を引くのは、特大のプリン。
これが若いメスの乳房であることは、てっぺんに乗っているピンク色の乳首を見れば明らかだ。
鮮魚コーナーへと足を運ぶと、ラッキーなことに、解体ショーが始まるところだった。
生贄は子供である。
店の中を走り回って悪戯の限りを尽くす人間の悪ガキが捕まって、裸に剥かれている。
調理人に扮しているのは、裏町内会の町長である牛魔王だ。
牛魔王は牛刀で悪ガキの頭を殴って昏倒させ、の背中にスーッと切れ目を入れると、中に手を突っ込み、べりべりと背骨を掴み出した。
飛び散る鮮血が周りを囲む客たちに降りかかり、誰かが「これが本当の出血大サービスだな!」と言い得て妙な茶々を入れた。
背骨にくっついて溢れ出す臓器をてきぱきと外して台の上に並べていく牛魔王。
湯気の立つ心臓や肝臓、そして小腸、大腸に我先にと客の手が伸びていく。
人肉をビッグサイズのクーラーボックスいっぱいに買い込んで帰路につく。
人間という家畜は本当に無駄がない。
膵臓はトウモロコシ、神経線維は春雨、肺はコッペパンと、先ほど紹介した物以外も色々な食材の代用になる。
GW期間中は様々な肉料理にチャレンジして楽しもう。
惜しむらくは、この謝肉祭が20年に1度しか行われないことだ。
理由は簡単。
新たな素材たちが町に住みついて、ある程度の数にまで増えるのを、根気よく待たねばならないからである。
町で唯一のスーパーでバーゲンセールが行われるというので、さっそく行ってみた。
20年に1度ということで、店はさすがの賑わいだった。
まずは果物コーナーをのぞいてみる。
すぐに、山盛りに盛った粒の大きなぶどうの房が目についた。
手に取ってみると、案の定だった。
ぶどうに見えたのは十数個を一束にした人間の眼球である。
採れたてらしく、水晶体が濁っていない分、旨そうだ。
次に訪れた野菜コーナーには、色々珍しいものがそろっていた。
ニンニクそっくりなのは、人間のオスの陰嚢である。
となると、その隣の銀杏は、陰嚢の中身を出して乾燥させた精巣か。
むろん、陳列棚には大小の松茸もそろっているが、こいつの正体はもう言うまでもないだろう。
マイタケが安かったのでよく見ると、こちらは人間の前頭葉だった。
ブロッコリーに見えるのが、頭蓋から丸ごと摘出した大脳だ。
白く瑞々しい大根は、桃の付け根から膝までを切り出した人間の女性の脚である。
スイーツのコーナーで目を引くのは、特大のプリン。
これが若いメスの乳房であることは、てっぺんに乗っているピンク色の乳首を見れば明らかだ。
鮮魚コーナーへと足を運ぶと、ラッキーなことに、解体ショーが始まるところだった。
生贄は子供である。
店の中を走り回って悪戯の限りを尽くす人間の悪ガキが捕まって、裸に剥かれている。
調理人に扮しているのは、裏町内会の町長である牛魔王だ。
牛魔王は牛刀で悪ガキの頭を殴って昏倒させ、の背中にスーッと切れ目を入れると、中に手を突っ込み、べりべりと背骨を掴み出した。
飛び散る鮮血が周りを囲む客たちに降りかかり、誰かが「これが本当の出血大サービスだな!」と言い得て妙な茶々を入れた。
背骨にくっついて溢れ出す臓器をてきぱきと外して台の上に並べていく牛魔王。
湯気の立つ心臓や肝臓、そして小腸、大腸に我先にと客の手が伸びていく。
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