上 下
144 / 434

第144話 蛙男の復讐

しおりを挟む
 久しぶりの帰省だった。
 田んぼに囲まれた親父の実家である。
「癒されるな~」
 俺は湯船に足を伸ばした。
 窓からのぞく空には一面の星。
 周囲から海鳴りのように聞こえてくるのはカエルたちの大合唱だ。
 カエルといえばー。
 ガキの頃のいたずらを思い出す。
 田んぼにはトノサマガエルが山のように居て、釣り針つけた釣り糸と餌のコガネムシ。
 たったそれだけで、面白いように釣れたものだ。
 今思い返してみると、ずいぶん残酷な話だが、釣ったカエルたちは…。
 そこまで思い返した時だった。
 後ろで引き戸の開く音がした。
 なんだ?
 母ちゃんか?
 振り向くと、戸口に異様な風体の男が立っていた。
 頭からすっぽりと黒い防水コートで身を包み、顔にはゴーグルをつけている。
 そのさまは、なんだか等身大のカエルみたいに見えた。
 そして、その右手にはー。
「わわっ!」
 空いたほうの手を伸ばし、男が俺を湯船から引きずり出した。
 すごい力だった。
 有無を言わさぬ勢いで、全裸のまま、犬みたいに四つん這いにされてしまう。
「な、なにを…?」
 男の手が剥き出しの俺の尻にかかる。
 双丘を押し開かれ、肛門が露出した。
 その刹那ー。
「ぐえっ!」
 激痛に、俺は弓のようにに反り返った。
 男が肛門に自転車の空気入れをぶっ刺してきたのだ。
 あの時ー。
 俺が、戦利品のカエルたちにやったように…。
 シュウシュウシュウ…。
 ポンプに空気の送り込まれる音。
 下腹が風船のように膨らんでいく。
「あああ…」
 痛みを通り越して、異様な感覚に俺は身震いを禁じ得ない。
 股間で性器がムクムクと鎌首をもたげるのがわかった。
 俺は無意識のうちに尻を高く掲げ、ねだるように突き出していた。
 信じられない。 
 でも…。
 き、気持ち、いい…。
「あふっ」
 時ならず襲い来る性的な興奮に頭の中が桃色に染まった、次の瞬間だった。
 射精の快感とともに、俺の腹が乾いた音を立て、パチンと破裂した。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

意味がわかると怖い話ファイル01

永遠の2組
ホラー
意味怖を更新します。 意味怖の意味も考えて感想に書いてみてね。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

10秒で読めるちょっと怖い話。

絢郷水沙
ホラー
 ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
よくよく考えると ん? となるようなお話を書いてゆくつもりです 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

処理中です...