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第141話 公衆浴場にて
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久しぶりの銭湯だった。
少し熱めの湯が、疲れた身体に心地よい。
時間が早いせいか、今のところ、客は私ひとりだ。
湯船につかってゆったりと手足を伸ばしていると、湯気の向こうに薄桃色の影が動いた。
入ってきたのは、まだ10代ではないかと思われる若い女性である。
若鮎のようなスリムな肢体を、恥ずかしそうに小さなタオルで隠している。
女性はシャワーだけ浴びると、私に会釈をして、こちらに背を向け、バスチェアに坐って身体を洗い始めた。
「こんにちは。よかったら、お背中流しましょうか」
時間を見計らい、明るく声をかけて、私は湯船から立ち上がった。
「え? あ、はい」
振り向いた女性の目がいっぱいに見開かれたかと思うと、
「きゃあっ!」
その可愛らしい口から悲鳴がほとばしった。
「へ、変態です! だ、誰か、助けて!」
数分後。
私は脱衣所で警察官に囲まれていた。
「困りますね。男性が女湯に入っては」
銭湯の女主人が迷惑顔で言う。
「だから何度も言ってるでしょ!」
私は警官と女主人をにらみつけた。
「あんたたち、トランスジェンダーって言葉、知らないの? あたしは身体は男だけど、心は女なの! 女が女湯に入って、何が悪いのよ!」
「そうは言いますけどね」
中年のほうの警官が困ったように頭をかきながら、顎で示してみせた。
「それじゃ、説得力jないですよ。ごらんなさい、ご自分の”息子”さんを」
「え?」
股間に視線を落とし、私は赤面した。
そこでは、腰に巻いたタオルを大きく押し上げ、いきり立ったモノがギンギンに屹立していたのだ。
少し熱めの湯が、疲れた身体に心地よい。
時間が早いせいか、今のところ、客は私ひとりだ。
湯船につかってゆったりと手足を伸ばしていると、湯気の向こうに薄桃色の影が動いた。
入ってきたのは、まだ10代ではないかと思われる若い女性である。
若鮎のようなスリムな肢体を、恥ずかしそうに小さなタオルで隠している。
女性はシャワーだけ浴びると、私に会釈をして、こちらに背を向け、バスチェアに坐って身体を洗い始めた。
「こんにちは。よかったら、お背中流しましょうか」
時間を見計らい、明るく声をかけて、私は湯船から立ち上がった。
「え? あ、はい」
振り向いた女性の目がいっぱいに見開かれたかと思うと、
「きゃあっ!」
その可愛らしい口から悲鳴がほとばしった。
「へ、変態です! だ、誰か、助けて!」
数分後。
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「困りますね。男性が女湯に入っては」
銭湯の女主人が迷惑顔で言う。
「だから何度も言ってるでしょ!」
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