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第113話 スーパーヒロイン綾香(中編)
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「あんた誰?」
あやしいやつ。
なんか未来人かアンドロイドみたい。
と、打てば響くように少女が言った。
「私はアウラ。30世紀から来ました」
やっべ。
あたしは眉をひそめた。
やっぱりヤバいやつだった。
「30世紀から来た未来人が、あたしに何の用?」
「これを使ってほしいのです」
少女が差し出したのは、おもちゃのベルトみたいなものだった。
お祭りの縁日で売ってる、特撮ヒーローの変身ベルトにそっくりだ。
「なんなの。それ?」
「変身ベルトです」
あっさり答える少女。
「これで巨大化して、キングハナモゲラを倒してください」
「はあ?」
目が点になった。
何言ってるんだ? この女?
「第一、その、キングハナモゲラってなに?」
「今朝出現した怪獣です。このままでは我が国は、あの怪獣のせいで、焼け野原になってしまいます」
やっぱり。
そんな気がした。
だけど変な名前。
全然強そうじゃないし。
「ふーん、それは困るけどさ、だからといって、なんであたしが巨大化しなきゃなんないの?」
「それはあなたが超古代文明人、”導く者”の血を引く希少な人間だからです」
「はあ?」
あたしが超古代文明人の子孫?
ただのFラン女子大生のこのあたしが?
なんだこいつ。
顔はかわいいけど、脳味噌腐ってるんじゃないだろうか?
「とにかくお願いします。時間がありません。私たちの時代では、あなたは歴史に名を遺すスーパーヒロインとしてあがめられ、駅前に銅像まで建てられることになっているのです」
ベルトを押し付けられ、無理やり腰に巻きつけらえた。
「さあ、これでよしと。では、だまされたと思って、そのボタンを押してください」
「ボタンって、これ? う、うわあ! ちょ、ちょっと、これ、ど、どうなってんの?」
ぐおおおおお~ん。
次の瞬間ー。
あたしは校庭をはるかな高みから見下ろす巨人になっていた。
あやしいやつ。
なんか未来人かアンドロイドみたい。
と、打てば響くように少女が言った。
「私はアウラ。30世紀から来ました」
やっべ。
あたしは眉をひそめた。
やっぱりヤバいやつだった。
「30世紀から来た未来人が、あたしに何の用?」
「これを使ってほしいのです」
少女が差し出したのは、おもちゃのベルトみたいなものだった。
お祭りの縁日で売ってる、特撮ヒーローの変身ベルトにそっくりだ。
「なんなの。それ?」
「変身ベルトです」
あっさり答える少女。
「これで巨大化して、キングハナモゲラを倒してください」
「はあ?」
目が点になった。
何言ってるんだ? この女?
「第一、その、キングハナモゲラってなに?」
「今朝出現した怪獣です。このままでは我が国は、あの怪獣のせいで、焼け野原になってしまいます」
やっぱり。
そんな気がした。
だけど変な名前。
全然強そうじゃないし。
「ふーん、それは困るけどさ、だからといって、なんであたしが巨大化しなきゃなんないの?」
「それはあなたが超古代文明人、”導く者”の血を引く希少な人間だからです」
「はあ?」
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「とにかくお願いします。時間がありません。私たちの時代では、あなたは歴史に名を遺すスーパーヒロインとしてあがめられ、駅前に銅像まで建てられることになっているのです」
ベルトを押し付けられ、無理やり腰に巻きつけらえた。
「さあ、これでよしと。では、だまされたと思って、そのボタンを押してください」
「ボタンって、これ? う、うわあ! ちょ、ちょっと、これ、ど、どうなってんの?」
ぐおおおおお~ん。
次の瞬間ー。
あたしは校庭をはるかな高みから見下ろす巨人になっていた。
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