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第41話 僕の妹飼育日記⑥
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「ひどい…」
腹の底から絞り出すような声で、妹がつぶやいた。
今にも泣きだしそうな顔をして、恨めしそうに僕をじっと睨んでいる。
「ひどいって、なにが?」
僕は酷薄な口調で言い返した。
「おまえはそこそこ可愛い。それにその身体なら、男のひとりやふたり、居てもおかしくないだろう」
「…お兄ちゃん、あたしのこと、そんなふうに見てたんだ」
妹がうなだれた。
畳の上にこぼれたのは、どうやら涙のようだ。
「こんなに、好きなのに」
肩を震わせ、泣き出した。
「ずっとずっと、好きだったのに…」
「当たり前だろ、兄妹なんだから」
わざとそっけなく突き放す。
「そういうのじゃないよ…」
いやいやをするようにかぶりを振る妹。
ショートボブの髪が、耳元でさらさら揺れた。
「あたし、お兄ちゃんのこと…」
顔を上げた。
挑むようなまなざし。
これは女の眼だ。
僕は直感した。
オスを求める発情期のメスの眼なのだ。
「じゃ、証拠を見せてみろ」
その視線を正面から受け止め、僕は言った。
「俺の前で、オナニーするんだ。いつもひとりで自分を慰める時みたいに」
「ばか」
妹が真っ赤になった。
顔を背けて、手の甲で涙をぬぐう。
「できないのか?」
僕はせせら笑った。
「俺のこと、男として愛してるなら、それくらいなんでもないはずだろ?」
しばしの逡巡の後、妹がうなずいた。
「できるよ。お兄ちゃんのためなら」
そして、改めて上目遣いに僕を見つめると、強い口調でつけ足した。
「でも、約束して。あたしがその、ちゃんとここでオナニーしてみせたら、あとであたしのいうことも、聞いてくれるって」
腹の底から絞り出すような声で、妹がつぶやいた。
今にも泣きだしそうな顔をして、恨めしそうに僕をじっと睨んでいる。
「ひどいって、なにが?」
僕は酷薄な口調で言い返した。
「おまえはそこそこ可愛い。それにその身体なら、男のひとりやふたり、居てもおかしくないだろう」
「…お兄ちゃん、あたしのこと、そんなふうに見てたんだ」
妹がうなだれた。
畳の上にこぼれたのは、どうやら涙のようだ。
「こんなに、好きなのに」
肩を震わせ、泣き出した。
「ずっとずっと、好きだったのに…」
「当たり前だろ、兄妹なんだから」
わざとそっけなく突き放す。
「そういうのじゃないよ…」
いやいやをするようにかぶりを振る妹。
ショートボブの髪が、耳元でさらさら揺れた。
「あたし、お兄ちゃんのこと…」
顔を上げた。
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そして、改めて上目遣いに僕を見つめると、強い口調でつけ足した。
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