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第11話 回転する地獄

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 すっぱい匂いで目が覚めた。 
 身を起こすと、私は全裸で白い物体の上に乗っていた。
 何これ?
 どういうこと?
 わけがわからない。
 さっきまで、確かに教室で数学の授業を受けていたはずなのに…。
 身体の下の白いものは、やわらかいつぶつぶでできていて、つんと鼻をつく匂いを放っている。
 おなかのあたりがひりひりするので目をやると、気味の悪い緑色の流動物が付着していた。
 ひりひりするのは、どうやらこいつが原因らしい。
 仕方なく緑のどろどろを素手で取り、振り払った。
 その反動で危うくおっこちそうになり、私は白い地面にしがみついた。
 どうしてなのかはわからないけど、私を乗せたこの白い物体はゆっくりと移動しているようだった。
 周囲を見回すと、私の前後にも同じような箱型の物体があり、そのうえで裸の少女たちがきょろきょろあたりを見回していた。
 唯も華もミカもいる。
 みんな私のクラスメイトたちである。
 彼女たちが乗っているのは、私のと同じ白いつぶつぶでできた四角い乗り物だ。
 乗り物の下はベルトコンベアみたいな動く道路になっていて、私たちの乗る乗り物はそれによって運ばれているというわけだ。
「あ、ユキ! ね、何がどうなってっるの?」
 私の前を行く乗り物の上の少女が振り向いた。
 親友のみのりだった。
「わかんないよ。気がついたらここにいたんだもの」
「でも、なんで裸なのよ? それに、ここって…」
 みのりが言いかけた、その瞬間である。
 ふいに彼女を乗せた乗り物が持ち上がった。
「みのり!」
 叫んだ私は、見た。
 太い芋虫のような指がみのりの乗り物をつまんでいる。
 そしてその向こうに開いた、赤く大きな口。
 みのりが乗り物ごとその中に吸い込まれていく。
「助けて! ユキ!」
 それがみのりの最後の言葉だった。
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