上 下
354 / 463
第10部 姦禁のリリス

プロローグ

しおりを挟む
 異様な光景だった。
 広大な浴場。
 その半ば以上を占める楕円形の浴槽に、おびただしい数の老婆がひしめいている。
 浴場なのだから当然といえば当然なのだが、老婆たちは全員全裸である。
 その老婆の群れが、染みの浮き出た皺だらけの裸体を寄せ合って、じっと自分の番が来るのを待っているのだ。
 先頭の老婆の頭上にそびえるのは、大理石でつくられた巨大な十字架だった。
 その十字架に磔にされているのは、がっくりと首を垂れ、目を閉じたひとりの少女である。
 肩までの髪に縁取られた小さめの顔は凡百のアイドルを凌ぐほど美しい。
 否が応でも見る者の目を引きつけるその顔立ちは、あどけなさと淫蕩さが同居して、ひどく蠱惑的だ。
 が、人目を引くのは、その美貌よりも、少女が全裸であることだった。
 あどけなさの残る顔に不似合いの豊満な胸、くびれた腰から尻にかけての優雅なライン、ほどよい肉付きの脚。
 少女は両足を180度開くような格好で十字架に縛りつけられている。
 十字架には腕木が2本あり、2本目が低い位置で浴場の床と平行に左右に突き出ている。
 そこに少女の両脚が縛りつけられているというわけだ。
 奇妙なのは、釣り鐘型に盛り上がった少女の乳房の先に、1対の電極が取りつけられていることだった。
 電極は乳首だけでなく、無毛の陰部の奥、そして肛門の中にまで埋め込まれている。
 電極から伸びたコードは十字架の胴を巻き、背後の壁に設置された制御装置に繋がっていた。

 沼真布は、十字架の真下から杏里を見上げていた。
 気を失った少女の裸身を食い入るように見つめながら、そのあまりの淫猥さに驚嘆してしまっていた。
 180度開脚した杏里の膣口には鋼鉄の輪が嵌められ、括約筋を拡張し、入口が閉じないようにしっかりと固定している。
 その奥に覗くサーモンピンクの肉の穴が、真布の視力の衰えた眼にも、鮮烈な印象を与えていた。
「行きますよ。もう少し前へ出てください」
 突然、高い天井のどこかから井沢の声がした。
 浅い湯船の中を這い進み、杏里の真下にしなびた裸体を持ってくる。
 ふいに何かが爆ぜるような音が鳴り響き、真布の頭上で杏里がびくりと痙攣した。
 真布の弱った心臓の鼓動が、急速に高まった。
 聖なるエキスの授与が、いよいよ始まるのだ。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

女子に虐められる僕

大衆娯楽
主人公が女子校生にいじめられて堕ちていく話です。恥辱、強制女装、女性からのいじめなど好きな方どうぞ

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

JOLENEジョリーン・鬼屋は人を許さない 『こわい』です。気を緩めると巻き込まれます。

尾駮アスマ(オブチアスマ おぶちあすま)
ホラー
ホラー・ミステリー+ファンタジー作品です。残酷描写ありです。苦手な方は御注意ください。 完全フィクション作品です。 実在する個人・団体等とは一切関係ありません。 あらすじ 趣味で怪談を集めていた主人公は、ある取材で怪しい物件での出来事を知る。 そして、その建物について探り始める。 あぁそうさ下らねぇ文章で何が小説だ的なダラダラした展開が 要所要所の事件の連続で主人公は性格が変わって行くわ だんだーん強くうぅううー・・・大変なことになりすすぅーあうあうっうー めちゃくちゃなラストに向かって、是非よんでくだせぇ・・・・え、あうあう 読みやすいように、わざと行間を開けて執筆しています。 もしよければお気に入り登録・イイネ・感想など、よろしくお願いいたします。 大変励みになります。 ありがとうございます。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

処理中です...