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第9部 倒錯のイグニス
#344 ラストステージ⑲
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百足丸の”鍼”が、背後から会陰部のチャクラを貫いたのだろう。
ヤチカの上に馬乗りになった杏里の身体が、痙攣したようにびくびく震えた。
甘い声を漏らし、白い喉を見せてのけぞった。
目の前で豊満な乳房が揺れ、勃起した乳首がヤチカの頬に押しつけられる。
「よし、うまくいった。今度は前だ」
百足丸の声に、ヤチカは体を入れ替え、杏里を下に組み伏せる体勢を取った。
百足丸の言によると、性感帯を活性化させるチャクラは2か所あるらしい。
第1のムーラーダーラ・チャクラは、肛門と性器の間の会陰部にある。
『女神の力』の眠る、黄色の逆三角形をした人体のパワースポットだ。
第2のスワーディシュターナ・チャクラは、直腸側の陰部に位置している。
白い三日月形をした『蛇の力』が眠るとされる部位である。
今、百足丸が刺したのは、前者だった。
杏里の尻の下に右手を差し入れ、無毛の会陰部めがけて鍼を打ち込んだに違いない。
杏里は、ただでさえ性欲の塊のようなタナトスだ。
その性感帯をさらに活性化したらどうなるか、さすがのヤチカにも想像がつかなかった。
「両足を開いて固定してくれ。そうだな。下半身を逆さに抱え上げるように持ち上げてもらうと、やりやすい」
「難しい注文ね」
ヤチカは胡坐をかくと、骨のない水母のようにぐったりとした杏里を逆さまにし、太腿を持って左右に大きく押し開いた。
むき出しになった股間を百足丸のほうに向けた時、その頭の向こうで黒い山のようなものが動くのが見えた。
ふみだった。
屠場の豚よろしく転がっていたふみが、巨体を波打たせて起き上がろうとしている。
その肉体には、明らかに変化が起こっているようだ。
ぶよぶよの肌の下で、無数の芋虫が蠢いているのがわかる。
寄生虫をいっぱいにはらんだふみの裸体は、前よりひと回りもふた回りも膨張したように見える。
「早くして。まずいわ。ふみが生き返った」
恐怖に駆られ、ヤチカは早口で百足丸をせっついた。
「なんだか、化け物めいた姿になってるわ。身体の中に侵入した”あれ”が、融合を開始したみたい」
ふみの全身の皮膚を食い破って、イトミミズのような細い触手が無数に伸び出している。
そのせいで、ただでさえ丸いふみの身体が、巨大なマリモみたいなモノに変貌しているのだ。
「縁起でもないこと言うなよな。急げったって、これは一種の外科手術なんだ。ムチャはできないんだよ」
杏里の膣にすれすれまで顔を寄せ、百足丸がわめいた。
左手の指で膣口を押し開き、その中に鍼と化した右手の爪を差し込んでいる。
その百足丸の上に黒々とした巨大な影がのしかかろうとした瞬間、
「ふみ! どうしたんだ? ふみ!」
どこか遠くから、追いすがるような璃子の叫び声が聞こえてきた。
ヤチカの上に馬乗りになった杏里の身体が、痙攣したようにびくびく震えた。
甘い声を漏らし、白い喉を見せてのけぞった。
目の前で豊満な乳房が揺れ、勃起した乳首がヤチカの頬に押しつけられる。
「よし、うまくいった。今度は前だ」
百足丸の声に、ヤチカは体を入れ替え、杏里を下に組み伏せる体勢を取った。
百足丸の言によると、性感帯を活性化させるチャクラは2か所あるらしい。
第1のムーラーダーラ・チャクラは、肛門と性器の間の会陰部にある。
『女神の力』の眠る、黄色の逆三角形をした人体のパワースポットだ。
第2のスワーディシュターナ・チャクラは、直腸側の陰部に位置している。
白い三日月形をした『蛇の力』が眠るとされる部位である。
今、百足丸が刺したのは、前者だった。
杏里の尻の下に右手を差し入れ、無毛の会陰部めがけて鍼を打ち込んだに違いない。
杏里は、ただでさえ性欲の塊のようなタナトスだ。
その性感帯をさらに活性化したらどうなるか、さすがのヤチカにも想像がつかなかった。
「両足を開いて固定してくれ。そうだな。下半身を逆さに抱え上げるように持ち上げてもらうと、やりやすい」
「難しい注文ね」
ヤチカは胡坐をかくと、骨のない水母のようにぐったりとした杏里を逆さまにし、太腿を持って左右に大きく押し開いた。
むき出しになった股間を百足丸のほうに向けた時、その頭の向こうで黒い山のようなものが動くのが見えた。
ふみだった。
屠場の豚よろしく転がっていたふみが、巨体を波打たせて起き上がろうとしている。
その肉体には、明らかに変化が起こっているようだ。
ぶよぶよの肌の下で、無数の芋虫が蠢いているのがわかる。
寄生虫をいっぱいにはらんだふみの裸体は、前よりひと回りもふた回りも膨張したように見える。
「早くして。まずいわ。ふみが生き返った」
恐怖に駆られ、ヤチカは早口で百足丸をせっついた。
「なんだか、化け物めいた姿になってるわ。身体の中に侵入した”あれ”が、融合を開始したみたい」
ふみの全身の皮膚を食い破って、イトミミズのような細い触手が無数に伸び出している。
そのせいで、ただでさえ丸いふみの身体が、巨大なマリモみたいなモノに変貌しているのだ。
「縁起でもないこと言うなよな。急げったって、これは一種の外科手術なんだ。ムチャはできないんだよ」
杏里の膣にすれすれまで顔を寄せ、百足丸がわめいた。
左手の指で膣口を押し開き、その中に鍼と化した右手の爪を差し込んでいる。
その百足丸の上に黒々とした巨大な影がのしかかろうとした瞬間、
「ふみ! どうしたんだ? ふみ!」
どこか遠くから、追いすがるような璃子の叫び声が聞こえてきた。
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