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第9部 倒錯のイグニス
#264 凌辱美少女争奪戦②
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「ルールを説明する前に、私がなぜこのイベントを企画したのか、その理由を説明しよう」
大山の声が、朗々と館内に響き渡った。
「丸山美里先生を覚えているだろう。彼女が教師として失格だったということを知っている者も多いはずだ」
美里の名前に、生徒たちが見せた反応は絶大だった。
一瞬にして、生徒の大部分の視線が、杏里から大山に移ったのだ。
「そう、彼女は”面談”と称して、君たちの性欲をいたずらに呼び覚まし、君たちの精神に歪みを残したまま、どこかへ姿をくらましてしまった。だが、今は彼女の行方を詮索している場合ではない。問題は、残された君たちだ。調査の結果、驚くべき事実が判明したのだ。これを見たまえ」
スクリーンの映像が、杏里から無味乾燥な棒グラフに変わった。
赤、青、黄で色分けされた棒が、3つのグループをつくって縦に伸びている。
横の軸が学年、縦の軸がパーセントということのようだ。
「これは、君たち全員の潜在的志向をグラフで表したものだ。赤が潜在的殺人者、青が潜在的性犯罪者、黄が潜在的自殺志願者の割合を示している。このグラフからわかるのは、どの学年も青色のバーが突出していることだ。3学年の平均でも、青のバーは8割を超えている。つまり、君たちのほとんどが性犯罪者予備軍ということだ」
杏里はつかの間、己の置かれている状況を忘れて、大山の映し出すパワーポイントの図に見入った。
学年による違いは、1年生はほかの二学年に比べて、赤の割合が高く、青の割合が若干低いこと。
逆に3年生は、赤が1割を切り、青が9割近くを占めている。
杏里の学年である2年生は、赤2割、青8割とやはり青が多い。
「しかも、美里先生が麻薬のような習慣性を植えつけていったがために、君たちの性欲は減退するどころか、捌け口を求めて増大する一方だ。そこに私が”性的行為禁止令”を出したものだから、おそらく今や、誰もが爆発寸前の危機的状況に追い込まれてしまっていることだろう。このイベントの告知がなかったら、この中から実際に性犯罪に手を染める者が続出していたはずだ」
自信に満ちた大山の言葉に、多くの生徒が唾を呑み、こっくりとうなずいている。
「そこで私は考えたのだ。この危機的状況を回避する、何かいい方法はないものかと。短期間で君たちの鬱屈した性欲や破壊衝動を、一気に晴らす方法はないだろうかと。そんな時だ。ある組織が、彼女を紹介してくれたのは」
グラフが消え、スクリーンに杏里のバストショットが大写しになった。
いつ撮られたものなのか、制服を着て、固い表情でまっすぐこっちを見つめている。
カメラが引くと、徐々に全身が見えてきた。
夏服の制服を着た杏里の全身像である。
と、どんな細工なのか、その服が一枚ずつ消え始めた。
ブラウスが消え、スカートが消え、ブラとショーツだけになった杏里が直立不動の姿勢で立っている。
「君たちもうすうす気づいているかもしれないが、実は彼女は普通の中学生ではない。ある特殊能力を身に備えたエージェントのような存在なのだ。エージェントが大袈裟ならば、”治癒者”と言い換えてもいいかもしれない」
杏里が驚いたのは、大山がほぼ事実をしゃべっていることだった。
タナトス計画は、一般人にはまだ秘匿されている。
外来種の実在抜きでタナトスは語れないし、その外来種による侵攻自体が世界中の国々のトップシークレットになっているからだ。
それをここまでしゃべってしまっていいものだろうか。
他人事ながら、いささか心配になる。
「さあ、そこでこのゲームだ。紹介ビデオでも流した通り、ルールは簡単。基本は鬼ごっこだ。君たちは全員鬼になって、この笹原君を追いかける。厳密に言うと、笹原君が1年生から順に教室を回って、君らと対峙する。君らはクラス単位で知恵を絞り、彼女をつかまえ、その身体からあるものを奪い去ればいいだけだ」
スクリーンの映像が切り替わり、演台の上の生杏里のものになった。
天井の望遠カメラによる画像なのだろうか。
カメラは舐めるように太腿を映し出し、その間の性器をクローズアップした。
「そのあるものとは、これだ」
大山が指示棒で画像の一点を指し示した。
スクリーン一杯に広がった巨大なヴァギナ。
その上座に顔をのぞかせ、鈍い光を放つのは、陰核を締め上げる極小のリングである。
「このクリトリスリングを見事彼女から取り去った者、それが勝者だ。勝者には、褒美として、志望校への合格の確約と、高校3年間にかかる費用をすべて支給する。ただ、勝者になれなかった599人にも恩恵はある。先ほど述べた、例の病的にまで高まったストレスからの完全な解放だ。笹原君を追い回し、思う存分凌辱することにより、君たちは全員その鬱屈から解き放たれ、青空のような幸福を味わうことができるのだよ!」
感極まった大山の声に、場内に津波のようなどよめきが走った。
大山の声が、朗々と館内に響き渡った。
「丸山美里先生を覚えているだろう。彼女が教師として失格だったということを知っている者も多いはずだ」
美里の名前に、生徒たちが見せた反応は絶大だった。
一瞬にして、生徒の大部分の視線が、杏里から大山に移ったのだ。
「そう、彼女は”面談”と称して、君たちの性欲をいたずらに呼び覚まし、君たちの精神に歪みを残したまま、どこかへ姿をくらましてしまった。だが、今は彼女の行方を詮索している場合ではない。問題は、残された君たちだ。調査の結果、驚くべき事実が判明したのだ。これを見たまえ」
スクリーンの映像が、杏里から無味乾燥な棒グラフに変わった。
赤、青、黄で色分けされた棒が、3つのグループをつくって縦に伸びている。
横の軸が学年、縦の軸がパーセントということのようだ。
「これは、君たち全員の潜在的志向をグラフで表したものだ。赤が潜在的殺人者、青が潜在的性犯罪者、黄が潜在的自殺志願者の割合を示している。このグラフからわかるのは、どの学年も青色のバーが突出していることだ。3学年の平均でも、青のバーは8割を超えている。つまり、君たちのほとんどが性犯罪者予備軍ということだ」
杏里はつかの間、己の置かれている状況を忘れて、大山の映し出すパワーポイントの図に見入った。
学年による違いは、1年生はほかの二学年に比べて、赤の割合が高く、青の割合が若干低いこと。
逆に3年生は、赤が1割を切り、青が9割近くを占めている。
杏里の学年である2年生は、赤2割、青8割とやはり青が多い。
「しかも、美里先生が麻薬のような習慣性を植えつけていったがために、君たちの性欲は減退するどころか、捌け口を求めて増大する一方だ。そこに私が”性的行為禁止令”を出したものだから、おそらく今や、誰もが爆発寸前の危機的状況に追い込まれてしまっていることだろう。このイベントの告知がなかったら、この中から実際に性犯罪に手を染める者が続出していたはずだ」
自信に満ちた大山の言葉に、多くの生徒が唾を呑み、こっくりとうなずいている。
「そこで私は考えたのだ。この危機的状況を回避する、何かいい方法はないものかと。短期間で君たちの鬱屈した性欲や破壊衝動を、一気に晴らす方法はないだろうかと。そんな時だ。ある組織が、彼女を紹介してくれたのは」
グラフが消え、スクリーンに杏里のバストショットが大写しになった。
いつ撮られたものなのか、制服を着て、固い表情でまっすぐこっちを見つめている。
カメラが引くと、徐々に全身が見えてきた。
夏服の制服を着た杏里の全身像である。
と、どんな細工なのか、その服が一枚ずつ消え始めた。
ブラウスが消え、スカートが消え、ブラとショーツだけになった杏里が直立不動の姿勢で立っている。
「君たちもうすうす気づいているかもしれないが、実は彼女は普通の中学生ではない。ある特殊能力を身に備えたエージェントのような存在なのだ。エージェントが大袈裟ならば、”治癒者”と言い換えてもいいかもしれない」
杏里が驚いたのは、大山がほぼ事実をしゃべっていることだった。
タナトス計画は、一般人にはまだ秘匿されている。
外来種の実在抜きでタナトスは語れないし、その外来種による侵攻自体が世界中の国々のトップシークレットになっているからだ。
それをここまでしゃべってしまっていいものだろうか。
他人事ながら、いささか心配になる。
「さあ、そこでこのゲームだ。紹介ビデオでも流した通り、ルールは簡単。基本は鬼ごっこだ。君たちは全員鬼になって、この笹原君を追いかける。厳密に言うと、笹原君が1年生から順に教室を回って、君らと対峙する。君らはクラス単位で知恵を絞り、彼女をつかまえ、その身体からあるものを奪い去ればいいだけだ」
スクリーンの映像が切り替わり、演台の上の生杏里のものになった。
天井の望遠カメラによる画像なのだろうか。
カメラは舐めるように太腿を映し出し、その間の性器をクローズアップした。
「そのあるものとは、これだ」
大山が指示棒で画像の一点を指し示した。
スクリーン一杯に広がった巨大なヴァギナ。
その上座に顔をのぞかせ、鈍い光を放つのは、陰核を締め上げる極小のリングである。
「このクリトリスリングを見事彼女から取り去った者、それが勝者だ。勝者には、褒美として、志望校への合格の確約と、高校3年間にかかる費用をすべて支給する。ただ、勝者になれなかった599人にも恩恵はある。先ほど述べた、例の病的にまで高まったストレスからの完全な解放だ。笹原君を追い回し、思う存分凌辱することにより、君たちは全員その鬱屈から解き放たれ、青空のような幸福を味わうことができるのだよ!」
感極まった大山の声に、場内に津波のようなどよめきが走った。
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