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第9部 倒錯のイグニス
#207 美里の影⑪
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触手を顔の前で交差させ、杏里はとっさにガードの体勢を取った。
が、杏里の非実体の触手と、美里の生命体としての触手とでは、優劣の差は歴然としていた。
鞭のような美里の触手に触れたとたん、半透明の杏里のそれは、粉微塵になって四散してしまったのだ。
「うっ」
そのまま勢いを緩めもせず飛来した2本の触手に手首を取られ、杏里は宙ではりつけにされた。
吸盤が肌に貼りつき、ギリギリと両腕を左右に開いていく。
見えない十字架にかけられたかのように自由を奪われた杏里に向けて、美里が更にブラウスの前を開いた。
あの時と同じだった。
美里の身体は、フジツボ状の傷口に覆われていた。
ただれた皮膚があちこちで隆起し、噴火口みたいな穴をいくつも形づくっているのである。
そして、その穴すべてが触手の噴出口になっているのだ。
その噴出口から、毒蛇の大群が獲物に襲いかかるように、一斉に触手の群れが噴き出した。
うねりながら空中を飛んだ触手たちが、杏里の首へ、胴へ、脚へと絡みつく。
更に杏里が完全に動きを封じられたと見て取ると、新たな2本が杏里の乳首めがけて飛んだ。
あの男児にテニスウェアを食い破られ、半ば以上露出してしまっている乳房の頂に、狙ったかのように美里の触手がその先端に開いた口吻で吸いついたのである。
「あぐぅっ!」
すさまじい吸引力で乳首を吸われ、杏里はわなないた。
乳腺に溜まったエキスが、ものすごい力で吸引されていく。
「くっ!」
思わず開いた口に、ずぼっと音を立てて、別の触手が飛び込んできた。
それでも美里は攻撃を緩めようとせず、唸りを上げて飛来した更なる2本が、杏里のスカートをめくり上げ、薄いパンティの生地を突き破って、情け容赦なく膣とアナルに突き刺さった。
「はうっ! あああっ!」
電撃を食らったかのように、杏里は絶叫した。
その瞬間だった。
杏里の脳裏に、かつて美里の性奴にされていた頃の記憶が、まざまざとよみがえった。
毎日音楽室に呼び出されては、美里に凌辱の限りを尽くされ、床にあふれた己の淫汁の中を獣のように這いずりまわった、あの恥辱まみれの日々…。
杏里の手足から、力が抜けた。
勝てない…・
この人には…。
恥辱が快感に変わり始めるのかわかった。
口、膣、アナルに突き立った触手と、ふたつの乳首をくわえ込んだ触手が、杏里の身体を軽々と持ち上げた。
凄絶なまでの快感に、びくびく痙攣する杏里。
身体中の穴という穴から噴出した熱いエキスが、またたくまにその半裸の肢体を濡らしていく。
「大したことないわね」
美里が見下すように言い、一気に触手を抜いた。
「あんっ!」
空中で逆エビ型に反り返り、ひと際激しく痙攣したかと思うと、次の瞬間、パンティに開いた穴から多量の淫汁を撒き散らしながら、マグロのようにどさりと杏里は地面に落ちた。
「もっと成長してるかと思ったのに、その程度なの?」
くうう…。
杏里は大の字に仰向けになったまま、手足をピクピク小刻みに震わせている。
だらしなく開いた口からはよだれが垂れ、平らな下腹は激しい運動の後のようにせわしなく波打っている。
はあはあ喘ぎながら薄目を開いた杏里の視界に、能面のような美里の顔が大写しになった。
「いいわ。きょうはこの程度にしといてあげる」
視界の中で、背を向ける美里。
その肉厚の背中に、杏里はかろうじて声をかけた。
「ルナを、どうしたの…? さっきのスカーフ、あれ、ルナのでしょう?」
「ここにはいないわ」
振り向きもせず、美里が言った。
「気になるのなら、自分で探すことね」
が、杏里の非実体の触手と、美里の生命体としての触手とでは、優劣の差は歴然としていた。
鞭のような美里の触手に触れたとたん、半透明の杏里のそれは、粉微塵になって四散してしまったのだ。
「うっ」
そのまま勢いを緩めもせず飛来した2本の触手に手首を取られ、杏里は宙ではりつけにされた。
吸盤が肌に貼りつき、ギリギリと両腕を左右に開いていく。
見えない十字架にかけられたかのように自由を奪われた杏里に向けて、美里が更にブラウスの前を開いた。
あの時と同じだった。
美里の身体は、フジツボ状の傷口に覆われていた。
ただれた皮膚があちこちで隆起し、噴火口みたいな穴をいくつも形づくっているのである。
そして、その穴すべてが触手の噴出口になっているのだ。
その噴出口から、毒蛇の大群が獲物に襲いかかるように、一斉に触手の群れが噴き出した。
うねりながら空中を飛んだ触手たちが、杏里の首へ、胴へ、脚へと絡みつく。
更に杏里が完全に動きを封じられたと見て取ると、新たな2本が杏里の乳首めがけて飛んだ。
あの男児にテニスウェアを食い破られ、半ば以上露出してしまっている乳房の頂に、狙ったかのように美里の触手がその先端に開いた口吻で吸いついたのである。
「あぐぅっ!」
すさまじい吸引力で乳首を吸われ、杏里はわなないた。
乳腺に溜まったエキスが、ものすごい力で吸引されていく。
「くっ!」
思わず開いた口に、ずぼっと音を立てて、別の触手が飛び込んできた。
それでも美里は攻撃を緩めようとせず、唸りを上げて飛来した更なる2本が、杏里のスカートをめくり上げ、薄いパンティの生地を突き破って、情け容赦なく膣とアナルに突き刺さった。
「はうっ! あああっ!」
電撃を食らったかのように、杏里は絶叫した。
その瞬間だった。
杏里の脳裏に、かつて美里の性奴にされていた頃の記憶が、まざまざとよみがえった。
毎日音楽室に呼び出されては、美里に凌辱の限りを尽くされ、床にあふれた己の淫汁の中を獣のように這いずりまわった、あの恥辱まみれの日々…。
杏里の手足から、力が抜けた。
勝てない…・
この人には…。
恥辱が快感に変わり始めるのかわかった。
口、膣、アナルに突き立った触手と、ふたつの乳首をくわえ込んだ触手が、杏里の身体を軽々と持ち上げた。
凄絶なまでの快感に、びくびく痙攣する杏里。
身体中の穴という穴から噴出した熱いエキスが、またたくまにその半裸の肢体を濡らしていく。
「大したことないわね」
美里が見下すように言い、一気に触手を抜いた。
「あんっ!」
空中で逆エビ型に反り返り、ひと際激しく痙攣したかと思うと、次の瞬間、パンティに開いた穴から多量の淫汁を撒き散らしながら、マグロのようにどさりと杏里は地面に落ちた。
「もっと成長してるかと思ったのに、その程度なの?」
くうう…。
杏里は大の字に仰向けになったまま、手足をピクピク小刻みに震わせている。
だらしなく開いた口からはよだれが垂れ、平らな下腹は激しい運動の後のようにせわしなく波打っている。
はあはあ喘ぎながら薄目を開いた杏里の視界に、能面のような美里の顔が大写しになった。
「いいわ。きょうはこの程度にしといてあげる」
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その肉厚の背中に、杏里はかろうじて声をかけた。
「ルナを、どうしたの…? さっきのスカーフ、あれ、ルナのでしょう?」
「ここにはいないわ」
振り向きもせず、美里が言った。
「気になるのなら、自分で探すことね」
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