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第4話 転生! 凌辱学園
#95 傷心のエロ女教師⑳
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怒鳴り声の主は、鬼龍院那智だった。
那智が、人垣を割ってマットの上に上がってきたのだ。
「恥を知りなさい! 恥を! あなたたちのせいで、笹原先生が失職したらどうするんです!」
那智に恫喝され、ゆずが杏里を解放した。
乳房を両腕で隠し、うずくまった杏里を、そばに寄った那智が抱き上げる。
「ちっ」
忌々しげに舌打ちをしたのは、もちろん、市子である。
「鬼龍院先生、誤解ですって。これは事故ですよ。うちらはただ先生相手に練習してただけで」
「黙りなさい」
那智は怒りに身を震わせている。
身長こそ市子より低いが、筋肉質なだけにすごい迫力だ。
オレンジ色のジャージの下で、鍛え抜かれた肉体が怒りで膨れ上がったかのようだった。
「私の杏里をおもちゃにすることは、許しません。しかも、こんな衆人環視の場で」
「私の杏里?」
市子が那智の言葉尻を捉えて、いぶかしげに目を細めた。
「どういうことですか? それ」
「な、なんでもないわ」
己の失言に気づいたらしく、那智の頬がさっと朱に染まった。
「さては鬼龍院先生も、この女に…?」
市子の口角が意地悪く吊り上がる。
「ば、馬鹿なこと、言うんじゃない! とにかく、笹原先生は私が保健室に連れて行きます。さあ、みんな、散って! 元の場所に戻って!」
那智の剣幕に、生徒たちが散り始めた。
「あ、ありがとうございます」
那智に抱えられ、入口へと歩きながら、杏里は礼を言った。
那智は無言である。
こめかみに、太い血管が浮き出ている。
どうやら、杏里に対しても怒っているらしい。
なんとなく理由は想像できるが、杏里には言い訳のしようがない。
獲物を狙う野獣のような鋭く熱い視線を感じたのは、体育館を出ようとしたその時だった。
誰?
杏里はとっさに視線のほうを振り返った。
なにこの視線?
まるで今にも襲いかかってきそうな、この痛さは…?
渡り廊下の向こうの植え込みで何かが動いた。
一瞬、黒い影が見えたかと思うと、葉擦れの音を残してすぐに消えたのだ。
「どうしたの?」
那智が杏里の顔を覗き込む。
「いいえ、なんでもありません」
今の、なんだろう?
新手のストーカー?
確かにこのユニフォームなら、ストーカーに狙われてもしかたないけど…。
「私を油断させて、逃げようたってだめ」
不機嫌そうな口調で、那智が言った。
「なんなの? さっきのあのざまは?」
「あの…ざまって…?」
「あなた、また感じてたでしょ? 私というセフレがありながら。だからあれほど警告したのに」
「そんな…」
来た。
杏里は首をすくめた。
やはり那智が不機嫌なのは、そのせいだったのだ。
「このつぐない、してもらうからね。今からそう、誰もいない保健室で」
団栗まなこでおびえた杏里の顔を睨みつけながら、舌なめずりするような口調で、那智が宣告した。
那智が、人垣を割ってマットの上に上がってきたのだ。
「恥を知りなさい! 恥を! あなたたちのせいで、笹原先生が失職したらどうするんです!」
那智に恫喝され、ゆずが杏里を解放した。
乳房を両腕で隠し、うずくまった杏里を、そばに寄った那智が抱き上げる。
「ちっ」
忌々しげに舌打ちをしたのは、もちろん、市子である。
「鬼龍院先生、誤解ですって。これは事故ですよ。うちらはただ先生相手に練習してただけで」
「黙りなさい」
那智は怒りに身を震わせている。
身長こそ市子より低いが、筋肉質なだけにすごい迫力だ。
オレンジ色のジャージの下で、鍛え抜かれた肉体が怒りで膨れ上がったかのようだった。
「私の杏里をおもちゃにすることは、許しません。しかも、こんな衆人環視の場で」
「私の杏里?」
市子が那智の言葉尻を捉えて、いぶかしげに目を細めた。
「どういうことですか? それ」
「な、なんでもないわ」
己の失言に気づいたらしく、那智の頬がさっと朱に染まった。
「さては鬼龍院先生も、この女に…?」
市子の口角が意地悪く吊り上がる。
「ば、馬鹿なこと、言うんじゃない! とにかく、笹原先生は私が保健室に連れて行きます。さあ、みんな、散って! 元の場所に戻って!」
那智の剣幕に、生徒たちが散り始めた。
「あ、ありがとうございます」
那智に抱えられ、入口へと歩きながら、杏里は礼を言った。
那智は無言である。
こめかみに、太い血管が浮き出ている。
どうやら、杏里に対しても怒っているらしい。
なんとなく理由は想像できるが、杏里には言い訳のしようがない。
獲物を狙う野獣のような鋭く熱い視線を感じたのは、体育館を出ようとしたその時だった。
誰?
杏里はとっさに視線のほうを振り返った。
なにこの視線?
まるで今にも襲いかかってきそうな、この痛さは…?
渡り廊下の向こうの植え込みで何かが動いた。
一瞬、黒い影が見えたかと思うと、葉擦れの音を残してすぐに消えたのだ。
「どうしたの?」
那智が杏里の顔を覗き込む。
「いいえ、なんでもありません」
今の、なんだろう?
新手のストーカー?
確かにこのユニフォームなら、ストーカーに狙われてもしかたないけど…。
「私を油断させて、逃げようたってだめ」
不機嫌そうな口調で、那智が言った。
「なんなの? さっきのあのざまは?」
「あの…ざまって…?」
「あなた、また感じてたでしょ? 私というセフレがありながら。だからあれほど警告したのに」
「そんな…」
来た。
杏里は首をすくめた。
やはり那智が不機嫌なのは、そのせいだったのだ。
「このつぐない、してもらうからね。今からそう、誰もいない保健室で」
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