そんなお口で舐められたら💛

第4話 転生！ 凌辱学園

#46 杏里、酩酊する④

　真の無礼講が、混浴風呂での裏イベント？

　めまいがした。

　やっぱり、まだ終わらないんだ。

　壁の掛け時計に目をやった。

　午後9時までには、あと30分ほどしかない。

　どうしよう…？

　このまま窓から逃げちゃおうか。

　でも、逃げようにも、大山たちが宴会場から持ち去ったのか、ブラウスもスカートも見当たらない。

　旅館の浴衣を借りて逃走するという手もあるけれど、問題はこの旅館の場所である。

　行きのバスは、かなり長い時間山道を登っていたような気がする。

　そんな真っ暗の山の中を浴衣一枚で逃げ回るなど、想像するだけでぞっとした。

「とにかくもう時間がないんだからさ、その水着、着てみなさいよ」

　面倒くさげに、那智が促した。

「ですね…」

　水着で入れる温泉があるという話は、杏里も聞いたことがある。

　確かに混浴風呂に丸裸で行くより、ずっと安心だ。

「では、お言葉に甘えて…」

　那智が席を外そうとしないので、仕方なくその場で着替えることにした。

　ビニールから出し、広げてみて驚いたのは、それがオーソドックスな紺色のスクール水着だったことである。

　裏地のタグでサイズを確かめると、Mだった。

　不安が杏里の胸に渦巻いた。

　Mだなんて…入るかしら？

　元の世界の高校生杏里でさえ、バストが90前後あるため、水着はLサイズだったのだ。

　ましてやこの大人杏里の身体は、それよりひと回り近く豊満に見える。

　バスタオルを解き、全裸になって水着に足を突っ込んだ。

　案の定、尻と腰が引っかかった。

　それでも無理やり引き上げると、今度は乳房が邪魔をして肩紐が肩に届かない。

「くうう、きっつ」

　半ば泣きべそをかきながら、根性で肩紐を引っ張り上げ、ともすれば飛び出そうとする乳房を押し込んだ。

　だが、乳が大きすぎて、もう一歩のところで入らない。

　片方だけならまだしも、こんな大きいの、ふたつも中に入らない。

　だってひとつが小型のメロンぐらいあるんだもの。

「パットが邪魔なんだよ。そんなの、取っちゃいなよ」

　新しい煙草に火をつけて、投げやりな口調で那智が言う。

　那智は肘掛椅子にどっかりと尻を落ちつけ、高々と足を組んで杏里の悪銭苦闘ぶりをじっと眺めている。

「で、でも、パットがないと、その…」

　杏里は頬を赤らめた。

　パット無しでは、さっきまでのノーブラと変わらない。

　乳首の形がモロに浮き出てしまうに違いないからだ。

「乳首なんて、今更隠してもしょうがないでしょ。あなた、さっきまでずっとオールヌードだったんだから」

　那智の取りつく島もないひと言に、杏里はしゅんとなった。

　それはそうだけど…。

　アンビバレンツな感情が胸の中で渦巻いた。
　
　でも、そんな格好してるの男の人に見られたら、私、きっとまた濡れちゃいそう…。