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#95 〇〇〇爆弾②
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「よし、ミサイル装填完了。だけど」
作業を終えると、カンパネルラが私を振り返った。
「また鳥じゃないか。これで本当に大丈夫なのか? さっきカササギミサイルが効かなかったのは、ジョバンニ、君も、見たはずだろう?」
「大丈夫」
私は力を込めてうなずいた。
「鳥は鳥でも、彼なら平気だよ。きっとMのガラスのマント、もとい、エネルギーバリアを突破できる」
「そうなのか? まあ、君がそこまで言うならこの鳥に賭けてみよう。ならば、すぐに砲塔に上がって砲撃の準備を。ちなみに今度の鳥は少し太めだから、予備装備のロケット砲に切り替えてある」
「わかった。任せといて」
私は再び砲塔に上がった。
シートに身を沈めると、風防越しに赤々と夜空を焦がす紅蓮の炎の舌と、その中に聳え立つ黒い影が見えた。
目だけを異様に光らせてこちらを見下ろしているのは、M-。
この異世界を滅ぼそうとする魔王であり、私の世界の童話作家の化身である、魔人・風の又三郎だ。
「よだかロケット、発射準備!」
私はバイザーをかぶると、照準を又三郎ではなく、彼の頭上に向けた。
ほんのかすかにだが、頭上に輝くひとつの星に。
そう、私が選んだ賢治の作品は、『よだかの星』。
その醜さから村中の者に嫌われた”よだか”が、生き物が生き物を食らう世の理に絶望し、最後に空に舞い上がり、燃え尽きて星となるという、どうにも悲しい物語だ。
「よだか、頼むよ」
私は口に出して、砲身から茶色い頭を覗かせている小鳥に呼びかけた。
「あなたならやれる。いえ、これはあなたにしかできないミッションなんだから」
作業を終えると、カンパネルラが私を振り返った。
「また鳥じゃないか。これで本当に大丈夫なのか? さっきカササギミサイルが効かなかったのは、ジョバンニ、君も、見たはずだろう?」
「大丈夫」
私は力を込めてうなずいた。
「鳥は鳥でも、彼なら平気だよ。きっとMのガラスのマント、もとい、エネルギーバリアを突破できる」
「そうなのか? まあ、君がそこまで言うならこの鳥に賭けてみよう。ならば、すぐに砲塔に上がって砲撃の準備を。ちなみに今度の鳥は少し太めだから、予備装備のロケット砲に切り替えてある」
「わかった。任せといて」
私は再び砲塔に上がった。
シートに身を沈めると、風防越しに赤々と夜空を焦がす紅蓮の炎の舌と、その中に聳え立つ黒い影が見えた。
目だけを異様に光らせてこちらを見下ろしているのは、M-。
この異世界を滅ぼそうとする魔王であり、私の世界の童話作家の化身である、魔人・風の又三郎だ。
「よだかロケット、発射準備!」
私はバイザーをかぶると、照準を又三郎ではなく、彼の頭上に向けた。
ほんのかすかにだが、頭上に輝くひとつの星に。
そう、私が選んだ賢治の作品は、『よだかの星』。
その醜さから村中の者に嫌われた”よだか”が、生き物が生き物を食らう世の理に絶望し、最後に空に舞い上がり、燃え尽きて星となるという、どうにも悲しい物語だ。
「よだか、頼むよ」
私は口に出して、砲身から茶色い頭を覗かせている小鳥に呼びかけた。
「あなたならやれる。いえ、これはあなたにしかできないミッションなんだから」
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