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優しくて温かい国
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アルンフォルトはロバート様に聞いていた通り、花が咲き誇る綺麗な国だった
王都の街に入ると大勢の人が手に白い薔薇を持って振っている
「皆が歓迎してくれている。手を振ってあげてくれ」
ヴィル様に言われるまま、小さく手を振りながら王都の街を走る
私の好きな白い薔薇がまるで街中に咲いているかのように綺麗だ
余所者の私を笑顔で迎えてくれる姿に感激して視界が滲む
この国はヴィル様のように優しくて温かい国だわ‥‥
馬車の窓から王宮が見えると、あまりの大きさに足がすくむ
ブルボマーナの何倍もの大きな王宮だ
国の規模の違いがよくわかる
王宮に着くと、フィリップ国王陛下とシャルロット王妃様、リベール様が出迎えてくれた
私は緊張しながら丁寧にカーテシーをした
「アリアン王女。よく我が国に来てくれた」
「フィリップ国王陛下。その節は、大変ご心配をお掛けし誠に申し訳ございませんでした」
「元気になってくれて本当に良かった。我が息子にとっても我が国にとっても、貴女は大事な人だ」
「勿体ないお言葉でございます」
私は深く膝を曲げる
「アリアン、久しぶりね」
「シャルロット王妃様。ご無沙汰しております。王妃様にまたお会い出来て嬉しく思っております」
「ええ。私もよ。ずっと長い間あなたを待っていたわ。マリア様の事、辛かったでしょう‥‥これからは、私が母としてあなたの力になるわ」
「王妃様‥‥勿体ないお言葉、感謝致します」
「アリアン王女が遅いから、また何かあったのではと心配していたよ」
「リベール様。ご心配をお掛けして申し訳ありません」
「待っていたよ。ようこそ、アルンフォルトへ」
「ありがとうございます。よろしくお願い致します」
リベール様は私の手を取ると、手の甲に口付けをした
「おい!リベール。アリーは私の妃だからな」
「挨拶ですよ、兄上。相変わらず嫉妬は凄まじいですね」
「挨拶ならさっさと手を離せ」
「ああ、すみません。アリアン王女の心変わりを期待してしまったもので」
「!?」
「リベール!俺のアリーを奪ったら殺すぞ」
「奪えるのなら死んでも構いませんが」
二人は笑顔で恐ろしい会話をしている
「まぁ!息子達のこんな会話を聞けるなんて夢みたいだわ。今まで令嬢に見向きもしない二人がこの様に熱くなるなんて!アリアン?私はどちらの妃になっても構いませんからね」
「王妃様!」
嬉しそうに笑いかけるシャルロット王妃様に私は困ってしまった
「母上!何を馬鹿な事を言うのですか!アリーにその様な事を言うのは止めてください!リベールを注意すべきでしょう!」
国王陛下と王妃様は、楽しそうに顔を見合わせて笑っている
何だか皆がヴィル様を揶揄っているように見える
これも国に無事に戻って来たヴィル様への家族からの愛なのだと解った
こんな素敵な家族の仲間に入れてもらえるなんて本当に幸せなことだ
こうして温かい歓迎を受け、私のアルンフォルトでの生活は始まった
それからは王妃教育を受ける忙しい毎日を送り、ヴィル様は国王陛下と共に国の為忙しい日々を送っていた
共に過ごす時間は少なくなっていたけれど、未来のある忙しい日々に私は幸せを感じていた
今までずっと誰も知らない第二王女として人生を過ごしてきた
それは私がこの世界に必要とされていないと感じながら過ごしてきた人生だった
人前に出ることを許されず、命さえ狙われてきた王女‥‥
そんな私が今は大国アルンフォルトの民の為に出来ることがある
必要としてくれる人達に囲まれながら暮らすことができる
私は心から生きてきて良かったと思えるようになっていた
気が付けば、あっという間に結婚式の日は近づいていた
王都の街に入ると大勢の人が手に白い薔薇を持って振っている
「皆が歓迎してくれている。手を振ってあげてくれ」
ヴィル様に言われるまま、小さく手を振りながら王都の街を走る
私の好きな白い薔薇がまるで街中に咲いているかのように綺麗だ
余所者の私を笑顔で迎えてくれる姿に感激して視界が滲む
この国はヴィル様のように優しくて温かい国だわ‥‥
馬車の窓から王宮が見えると、あまりの大きさに足がすくむ
ブルボマーナの何倍もの大きな王宮だ
国の規模の違いがよくわかる
王宮に着くと、フィリップ国王陛下とシャルロット王妃様、リベール様が出迎えてくれた
私は緊張しながら丁寧にカーテシーをした
「アリアン王女。よく我が国に来てくれた」
「フィリップ国王陛下。その節は、大変ご心配をお掛けし誠に申し訳ございませんでした」
「元気になってくれて本当に良かった。我が息子にとっても我が国にとっても、貴女は大事な人だ」
「勿体ないお言葉でございます」
私は深く膝を曲げる
「アリアン、久しぶりね」
「シャルロット王妃様。ご無沙汰しております。王妃様にまたお会い出来て嬉しく思っております」
「ええ。私もよ。ずっと長い間あなたを待っていたわ。マリア様の事、辛かったでしょう‥‥これからは、私が母としてあなたの力になるわ」
「王妃様‥‥勿体ないお言葉、感謝致します」
「アリアン王女が遅いから、また何かあったのではと心配していたよ」
「リベール様。ご心配をお掛けして申し訳ありません」
「待っていたよ。ようこそ、アルンフォルトへ」
「ありがとうございます。よろしくお願い致します」
リベール様は私の手を取ると、手の甲に口付けをした
「おい!リベール。アリーは私の妃だからな」
「挨拶ですよ、兄上。相変わらず嫉妬は凄まじいですね」
「挨拶ならさっさと手を離せ」
「ああ、すみません。アリアン王女の心変わりを期待してしまったもので」
「!?」
「リベール!俺のアリーを奪ったら殺すぞ」
「奪えるのなら死んでも構いませんが」
二人は笑顔で恐ろしい会話をしている
「まぁ!息子達のこんな会話を聞けるなんて夢みたいだわ。今まで令嬢に見向きもしない二人がこの様に熱くなるなんて!アリアン?私はどちらの妃になっても構いませんからね」
「王妃様!」
嬉しそうに笑いかけるシャルロット王妃様に私は困ってしまった
「母上!何を馬鹿な事を言うのですか!アリーにその様な事を言うのは止めてください!リベールを注意すべきでしょう!」
国王陛下と王妃様は、楽しそうに顔を見合わせて笑っている
何だか皆がヴィル様を揶揄っているように見える
これも国に無事に戻って来たヴィル様への家族からの愛なのだと解った
こんな素敵な家族の仲間に入れてもらえるなんて本当に幸せなことだ
こうして温かい歓迎を受け、私のアルンフォルトでの生活は始まった
それからは王妃教育を受ける忙しい毎日を送り、ヴィル様は国王陛下と共に国の為忙しい日々を送っていた
共に過ごす時間は少なくなっていたけれど、未来のある忙しい日々に私は幸せを感じていた
今までずっと誰も知らない第二王女として人生を過ごしてきた
それは私がこの世界に必要とされていないと感じながら過ごしてきた人生だった
人前に出ることを許されず、命さえ狙われてきた王女‥‥
そんな私が今は大国アルンフォルトの民の為に出来ることがある
必要としてくれる人達に囲まれながら暮らすことができる
私は心から生きてきて良かったと思えるようになっていた
気が付けば、あっという間に結婚式の日は近づいていた
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