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断罪式4
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リリアーナは、ヴィルドルフの言葉に手を強く握り奥歯を噛み締め、凄い形相でアリアンを睨んでいる
「私のアリアンに随分と酷い事をしてくれたな。溺れるほど冷水を浴びせ、足で腹を何度も蹴り、太ももを何度も踏み付けたそうだな?アリアンは熱を出し、つい最近まで痛くて歩けない程に足も腫れた。これは、お返しさせていただこう!」
リリアーナは、ドレスの裾を持ち上げ、怒りに任せて階段を駆け上がったところを護衛騎士に取り押さえられた
四大公爵の席には、ルドルフとラリーが隣り合うように立っていた
「ルドルフ‼︎あんた殺した筈よね!何で生きてるのよ!騙したのね!バルヘルム家を騙して潰したのね!次期当主でありながら、裏切るなんてあんた最低よ!」
「最低なのは父さんや姉さんの方だ!アリアンは、何ひとつ悪い事などしていない。その彼女にあんな惨い事をするあなた達の方が最低だ。そんなバルヘルム家は、潰れた方がいい!母と同じ気持ちだ!」
「この裏切り者!あんたまだその女に誑かされたままだったのね!私を騙したのね!」
護衛騎士に両腕を取り押さえられながらも怒鳴り続けた
「アリアンを守る為なら何だってするさ!先に罪を犯したのはあなた達の方だ!」
リリアーナは、ルドルフの隣のラリーを見た
「あなた!ラリー‼︎私とエリナを助けて!お願い!夫でしょう!」
リリアーナが叫んだ
「お前は私の大切な妹を死に追いやった。マリアの娘のアリアンまでも殺そうとした。そんなお前もエリナも助けるわけがないだろう!大人しく裁きを受けるんだな」
「何ですって‥‥何よあんたなんか!実の妹であるマリアを愛していたことを知ってるのよ!あんたまともじゃないわ!」
「だからどうした?マリアは、愛されて当然の人間だ。お前のような薄汚い女に名前も呼ばれたくない」
「マリアなんて死んで当然よ!私の全てを奪ったあんな女!死んで清々したわ」
「お前こそ死んで当然だな」
あぁぁぁ‥‥
リリアーナの泣き叫ぶ声が会場に響く
エリナも泣き、シェルリーンもローズも泣き崩れる
宰相も床に崩れ落ちたままだった
「全員連れて行け‼︎」
ヴィルドルフの命令で、関係者が全て両腕をしっかりと抱えられ、逃げられないように連れて行かれる
公爵達もその夫人達も、事前に名前を伝えてあった者は、一人残らず連れて行かれた
舞踏会場は静かになった
招待された貴族達は、初めの浮かれた気持ちは何処へやら‥‥
王族や上流階級の断罪式を見せられ震えていた‥‥
「この国は、アルンフォルトになった!反対する者はいるか?」
誰も何も言えない
言えるわけがない状況である
「この国が、今までよりも皆の暮らしが楽になるよう王として全力を尽くす。明日中には、我が軍が、民に全てを伝える。暴動が起こる事は無いであろう。アルンフォルトが大国であるのは、住んでいる者に力があるからだ。皆もこれからは、アルンフォルトの国の一人として、共に豊かな国を目指そうではないか。王は私だが、国は住んでる皆のものだ。これからは、それを肝に銘じよ!」
「はっ」
ヴィルドルフをはじめ、リベール、スペンサーが頭を下げる
皆も一斉に頭を下げた
「では、行くぞ!」
「はっ」
フィリップ王が、また大勢の騎士達に空けられた中央の道を歩いて行く
白い隊服の騎士達も全て退場し扉が閉まった
ヴィルドルフは、ふぅと長い息を吐いた
「終わったよ、アリー。俺にご褒美をくれないか?」
そう言うと、ヴィル様は私の返事も聞かずに、私の唇を塞いだ
それは、踊り場で、皆からよく見える位置であった
「私のアリアンに随分と酷い事をしてくれたな。溺れるほど冷水を浴びせ、足で腹を何度も蹴り、太ももを何度も踏み付けたそうだな?アリアンは熱を出し、つい最近まで痛くて歩けない程に足も腫れた。これは、お返しさせていただこう!」
リリアーナは、ドレスの裾を持ち上げ、怒りに任せて階段を駆け上がったところを護衛騎士に取り押さえられた
四大公爵の席には、ルドルフとラリーが隣り合うように立っていた
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「最低なのは父さんや姉さんの方だ!アリアンは、何ひとつ悪い事などしていない。その彼女にあんな惨い事をするあなた達の方が最低だ。そんなバルヘルム家は、潰れた方がいい!母と同じ気持ちだ!」
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護衛騎士に両腕を取り押さえられながらも怒鳴り続けた
「アリアンを守る為なら何だってするさ!先に罪を犯したのはあなた達の方だ!」
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リリアーナが叫んだ
「お前は私の大切な妹を死に追いやった。マリアの娘のアリアンまでも殺そうとした。そんなお前もエリナも助けるわけがないだろう!大人しく裁きを受けるんだな」
「何ですって‥‥何よあんたなんか!実の妹であるマリアを愛していたことを知ってるのよ!あんたまともじゃないわ!」
「だからどうした?マリアは、愛されて当然の人間だ。お前のような薄汚い女に名前も呼ばれたくない」
「マリアなんて死んで当然よ!私の全てを奪ったあんな女!死んで清々したわ」
「お前こそ死んで当然だな」
あぁぁぁ‥‥
リリアーナの泣き叫ぶ声が会場に響く
エリナも泣き、シェルリーンもローズも泣き崩れる
宰相も床に崩れ落ちたままだった
「全員連れて行け‼︎」
ヴィルドルフの命令で、関係者が全て両腕をしっかりと抱えられ、逃げられないように連れて行かれる
公爵達もその夫人達も、事前に名前を伝えてあった者は、一人残らず連れて行かれた
舞踏会場は静かになった
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王族や上流階級の断罪式を見せられ震えていた‥‥
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「はっ」
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「はっ」
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白い隊服の騎士達も全て退場し扉が閉まった
ヴィルドルフは、ふぅと長い息を吐いた
「終わったよ、アリー。俺にご褒美をくれないか?」
そう言うと、ヴィル様は私の返事も聞かずに、私の唇を塞いだ
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