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カフェ・キルシュ
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コンコン
「お持ち致しました」
店主がパティシエと給仕の従業員と共に入ってきた
沢山の皿が運ばれて来る
ヴィル様は何故かまた私の正面の向かいの席に急いで戻った
不思議そうに見た私に
「正面からでないとアリーの食べてる
可愛い姿がよく見えないからね」
「‥‥」
やはり恥ずかしくて心臓が波打つ様だ
目の前のガラスの皿には白いケーキにベリーソースが掛けられていてたっぷりの果物が添えられている
「わぁ綺麗ね」
思わず目を奪われてしまう
「当店一押しのパルフェでございます」
「パルフェですか?」
「はい。これは冷菓です。溶けてしまう前にお召し上がりください」
私には冷菓は馴染みがなく知らなかった
「アリアンお嬢様、皆これを目当てに来るのですよ。これは買って持ち帰る事が出来ませんから店でないと食べられないそうです」
「そうなの?」
ガラスの皿を触ると冷たかった
「アリー、さぁ食べて」
ヴィル様がとても嬉しそうだ
何故だかいつも食べる私よりも喜んでいるのはどうしてだろう
「どうぞ溶ける前にお召し上がりください」
白衣を着たパティシエも緊張した面持ちである
見回すと皆が私の一口を待っているようにじっと見つめている
「そ‥それでは頂戴いたします」
私は白いケーキのような冷菓をスプーンで掬うと口に入れた
「ん?」
冷たいと思った瞬間溶けて消えてしまった
「溶けました」
「はい、それが我が店の人気商品のアイスです」
「とっても美味しいです」
甘酸っぱいベリーソースに甘く冷たいアイスがよく合っている
「三種類のベリーを合わせ果物をふんだんに使った一番人気のベリーパルフェです。この他にもナッツとチョコレートを掛けたチョコパルフェもございます」
「美味しそう!」
「では、お持ちしますね」
パティシエは部屋を出て行った
私があまりにも感激して食べているので皆がゴクリと喉を鳴らした
「皆様も食べてください」
「さぁ皆で食べよう」
あまりの美味しさに私の手は止まらない
果物の酸味とベリーの甘酸っぱさもアイスによく合うのだ
ヴィル様は、あまり甘い物は好まないようだが今日は美味しそうに食べている
「甘すぎなくてさっぱり食べられるな。これは美味い」
ヴィル様の姿に私もとても幸せな気持ちになった
ラウル様もキーラ様も、
「甘い物は苦手だが、これは口溶けが良くて美味しい」
と、あっという間に食べてしまった
サアラは
「これが人気のパルフェなのですね。話題になるのが解ります」
と、一口ごとに感激している
私は次に運ばれてきたチョコパルフェも感激しながらあっという間に食べてしまった
ナッツの香ばしさとチョコソースがアイスによく合う
ヴィル様とラウル様とキーラ様はチョコパルフェを食べ終えると
「今日はもう十分だな。美味かったがこれ以上は甘すぎて食べられないな」
と、顔を見合わせうんうんと頷いている
濃いめの紅茶を飲んで一息ついている
私は‥まだ食べられます
甘い物に限界は無いみたいです
「これもうちの店の人気商品です」
と差し出されたのは
「ハチミツとレモンのケーキです」
良い香りのケーキが出てきた
「置いたら外に出ていてくれ。皆との時間を楽しみたい」
「はい。かしこまりました。何かございましたら、お呼びください。では、どうぞごゆっくりお過ごしください。失礼いたします」
店主達は頭を深々と下げると部屋を出て行った
バタンと戸が閉まると、部屋いっぱいに甘い香りが広がった
「お持ち致しました」
店主がパティシエと給仕の従業員と共に入ってきた
沢山の皿が運ばれて来る
ヴィル様は何故かまた私の正面の向かいの席に急いで戻った
不思議そうに見た私に
「正面からでないとアリーの食べてる
可愛い姿がよく見えないからね」
「‥‥」
やはり恥ずかしくて心臓が波打つ様だ
目の前のガラスの皿には白いケーキにベリーソースが掛けられていてたっぷりの果物が添えられている
「わぁ綺麗ね」
思わず目を奪われてしまう
「当店一押しのパルフェでございます」
「パルフェですか?」
「はい。これは冷菓です。溶けてしまう前にお召し上がりください」
私には冷菓は馴染みがなく知らなかった
「アリアンお嬢様、皆これを目当てに来るのですよ。これは買って持ち帰る事が出来ませんから店でないと食べられないそうです」
「そうなの?」
ガラスの皿を触ると冷たかった
「アリー、さぁ食べて」
ヴィル様がとても嬉しそうだ
何故だかいつも食べる私よりも喜んでいるのはどうしてだろう
「どうぞ溶ける前にお召し上がりください」
白衣を着たパティシエも緊張した面持ちである
見回すと皆が私の一口を待っているようにじっと見つめている
「そ‥それでは頂戴いたします」
私は白いケーキのような冷菓をスプーンで掬うと口に入れた
「ん?」
冷たいと思った瞬間溶けて消えてしまった
「溶けました」
「はい、それが我が店の人気商品のアイスです」
「とっても美味しいです」
甘酸っぱいベリーソースに甘く冷たいアイスがよく合っている
「三種類のベリーを合わせ果物をふんだんに使った一番人気のベリーパルフェです。この他にもナッツとチョコレートを掛けたチョコパルフェもございます」
「美味しそう!」
「では、お持ちしますね」
パティシエは部屋を出て行った
私があまりにも感激して食べているので皆がゴクリと喉を鳴らした
「皆様も食べてください」
「さぁ皆で食べよう」
あまりの美味しさに私の手は止まらない
果物の酸味とベリーの甘酸っぱさもアイスによく合うのだ
ヴィル様は、あまり甘い物は好まないようだが今日は美味しそうに食べている
「甘すぎなくてさっぱり食べられるな。これは美味い」
ヴィル様の姿に私もとても幸せな気持ちになった
ラウル様もキーラ様も、
「甘い物は苦手だが、これは口溶けが良くて美味しい」
と、あっという間に食べてしまった
サアラは
「これが人気のパルフェなのですね。話題になるのが解ります」
と、一口ごとに感激している
私は次に運ばれてきたチョコパルフェも感激しながらあっという間に食べてしまった
ナッツの香ばしさとチョコソースがアイスによく合う
ヴィル様とラウル様とキーラ様はチョコパルフェを食べ終えると
「今日はもう十分だな。美味かったがこれ以上は甘すぎて食べられないな」
と、顔を見合わせうんうんと頷いている
濃いめの紅茶を飲んで一息ついている
私は‥まだ食べられます
甘い物に限界は無いみたいです
「これもうちの店の人気商品です」
と差し出されたのは
「ハチミツとレモンのケーキです」
良い香りのケーキが出てきた
「置いたら外に出ていてくれ。皆との時間を楽しみたい」
「はい。かしこまりました。何かございましたら、お呼びください。では、どうぞごゆっくりお過ごしください。失礼いたします」
店主達は頭を深々と下げると部屋を出て行った
バタンと戸が閉まると、部屋いっぱいに甘い香りが広がった
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