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ヴィルside2

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庭園に通されると20人程の年頃の令嬢が集められていた
やはり皆派手なドレスを着て、派手な髪飾りを付けて自分を見てもらおうと必死である
どこも同じだと思ってガッカリした
中でも第一王女のローズは、一番派手な真っ赤なドレスを着て黄色いリボンを付け似合っていない化粧をして俺の隣に座った

「ヴィルドルフ殿下、お会いできるのを楽しみにしておりました。
ローズと申します、どうぞよろしくお願いいたします」

心の中でうんざりしながら愛想笑いをし、早く終わるように祈った
ひとつ気になったのは、ローズ王女の隣の席が空いていることだった

「この席には誰か来るのかい?」

「いいえ、間違えてひとつ多かったのですわ」

と答えた
王妃主催で椅子の数を間違えることなんてあるのだろうか‥と少し不思議に思い気になっていた

ようやく終わりが見え立ち上がると、周りの令嬢に取り囲まれ両腕を掴まれ身動きが取れなくなってしまった
中には胸を押し付けてくるような令嬢もいた
俺は少し呆れて目線をふと庭に向けると、淡い紫色のドレスを着た一人の少女が花壇を見る後ろ姿が見えた
気になって目で追った
すると急に腕を強く引っ張られ

「ちょっとヴィルドルフ殿下、私の話も聞いてくださいませ」

と大声を出した
その声に驚いて少女が振り返った

その瞬間思わず息を呑んだ

彼女はまた歩き出してしまったが、すぐに追いかけたくて、この令嬢達を何とかしてくれと母とキーラを見た

「私達今日は疲れておりますの。
これで失礼させていただきますわ」

「そうですわね、一ヶ月ありますから、またご用意させていただきますわ」

母と王妃が去り、キーラが俺の所に来るとうまく令嬢を引き剥がして会場の外へと連れ出してくれた

俺は急いで庭へ行くと、まだ一人で佇んでいる少女に声を掛けた

「花が好きかい?」

「えっ?」

振り返った少女は驚いて紫の瞳を大きくした
透き通るような白い肌、アメジストのような紫の大きな瞳、鼻筋の通った小さい鼻、果実のような赤く艶のある形の良い唇
まるで精巧に作られた人形のような、飾っていつまでも見ていたいような美しさだった
濃紺の長い艶のあるストレートの髪も手を伸ばしたくなるほど綺麗だった

美しい瞳は紫色に銀色が混じったように時折キラキラと光る
その瞳に心が奪われた
一目惚れだった
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