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学園祭編
学園祭2日目⑧
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PM1:15
「おおっ、さすがImperialのスタッフ!」
普通の体育館とは違い第2体育館は吹奏楽部や演劇部が使用する為、横長の舞台になっている。そこにランウェイを不自然がないように組み上げ、スクリーンやライト、音響を設置。全体的に黒い仕上げだ。客席も立ち見ではなく、パイプ椅子が並べられている。それを短時間でやってのけるなんてさすがうちのスタッフ!
「「わーすごーい(✽ ゜д゜ ✽)」」
舞台を使ったリハーサルをする為に会場入りした双子が吃驚している。そーだろそーだろ、うちのスタッフは凄いんやでー。
「ほらほら、時間が無いから行くわよ!皆んな事前に渡した動画見て練習してきたわね?」
パンパンと手を打ち舞台下から指示を出していくあげは姉ぇは、敏腕プロデューサーの顔をしている。普段ふざけたりするけど、仕事スイッチが入ると格好いいんだよな。佳兄ぃは24時間365日ぽやぽやしてるけど。真反対すぎて双子に見えないんだよなー。
インカムを付け、流れてくる音楽と指示に従ってリハーサルをこなしていく。ヨウさんと静馬さんはさすがで、相沢さんも慣れた感じでランウェイを歩きパフォーマンスをしている。一ノ蔵さんはちょっとぎこちないけど、初めてにしては良い感じだ。
しかし双子はランウェイをただ歩くだけで、あげは姉ぇからダメ出しが。何度やっても上手く出来ない。むしろ変な歩き方になって双子も首を傾げている。
「あれー?」
「おかしいね有喜」
「何でだろうね登喜」
「直せば直すだけおかしな歩き方になるのは何でなの!?……はぁ、歩き方は置いといてパフォーマンスを見せてちょうだい」
そう言って頭を抱えたあげは姉ぇがパフォーマンスを促す。
「「はーい」」
「!?」
元気良く手を上げ、流れるようにパフォーマンスをしていく2人に、あげは姉ぇが一瞬固まる。分かるよ、そんだけ動けるなら何故自然な歩き方が出来ないって思うよな。あの双子普通じゃないし仕方ないよ。
「よし!袖から出たらすぐパフォーマンスをしながらランウェイに!ハケるまで続けて!歩くな!一度それでやってみて!」
どうやらあげは姉ぇは双子を歩かせない方向に行ったようだ。
後に姉は語る。「あの双子には芸能の才は皆無だった」と。
PM1:40
多少のトラブル(主に双子)はあったけどリハーサルが終わり、楽屋に戻ると同時に会場に、チケットを購入した生徒や学園祭の来場者が入場して来る。
用意した500席分のチケットはすぐに完売、席指定無しの自由席にした為、良い席を取ろうと入り口が開くまで長蛇の列が出来ていたらしい。
「ふふっ、満席満席、当たり前だわね。いい?ここからが勝負よ!ショーを成功させて6年に一度の悪趣味な企みを潰して、あいつらにざまぁしてギャフンさせるわよ、いいわね!」
「「「「「おーーー!」」」」」
私念も入ったあげは姉ぇのかけ声に、円陣を組んで気合いの鬨を上げる。まあ理事達の優秀な生徒選別と帝惟親を菅原祐希と番わせる計画はほぼ破綻しているけどな。トドメを刺してやんよ。
「あとちょっと……」
「愛加」
震えるオレを着ている服がよれないようにふわっと宏太が抱き締めチカが背中を擦ってく……コラ尻は揉むんじゃない。
今回オレのお披露目もあるが、学園祭でショーをやるもう一つの理由は番の公表だ。
何も無ければ大学へ行ってから番う予定で、公表も機を見てするつもりだったんだ。
チカと宏太と番ったのは後悔してないけど、公表する事で平穏な高校生活が無くなるのと、チカが理事達の欲の為に狙われたのには腹を立てている。だから自分の手で計画は破綻していると突き付けてやる。
そう、この震えは武者震いだ。お前達の狙ってたαはもうΩとも番えないんだって見せるんだ。
それを見た時の顔を自分で確認出来ないのは残念だ。後でヨハンにどんな顔をしていたか聞こうっと。
うん、我ながらちょっと性格悪いかな。
「おおっ、さすがImperialのスタッフ!」
普通の体育館とは違い第2体育館は吹奏楽部や演劇部が使用する為、横長の舞台になっている。そこにランウェイを不自然がないように組み上げ、スクリーンやライト、音響を設置。全体的に黒い仕上げだ。客席も立ち見ではなく、パイプ椅子が並べられている。それを短時間でやってのけるなんてさすがうちのスタッフ!
「「わーすごーい(✽ ゜д゜ ✽)」」
舞台を使ったリハーサルをする為に会場入りした双子が吃驚している。そーだろそーだろ、うちのスタッフは凄いんやでー。
「ほらほら、時間が無いから行くわよ!皆んな事前に渡した動画見て練習してきたわね?」
パンパンと手を打ち舞台下から指示を出していくあげは姉ぇは、敏腕プロデューサーの顔をしている。普段ふざけたりするけど、仕事スイッチが入ると格好いいんだよな。佳兄ぃは24時間365日ぽやぽやしてるけど。真反対すぎて双子に見えないんだよなー。
インカムを付け、流れてくる音楽と指示に従ってリハーサルをこなしていく。ヨウさんと静馬さんはさすがで、相沢さんも慣れた感じでランウェイを歩きパフォーマンスをしている。一ノ蔵さんはちょっとぎこちないけど、初めてにしては良い感じだ。
しかし双子はランウェイをただ歩くだけで、あげは姉ぇからダメ出しが。何度やっても上手く出来ない。むしろ変な歩き方になって双子も首を傾げている。
「あれー?」
「おかしいね有喜」
「何でだろうね登喜」
「直せば直すだけおかしな歩き方になるのは何でなの!?……はぁ、歩き方は置いといてパフォーマンスを見せてちょうだい」
そう言って頭を抱えたあげは姉ぇがパフォーマンスを促す。
「「はーい」」
「!?」
元気良く手を上げ、流れるようにパフォーマンスをしていく2人に、あげは姉ぇが一瞬固まる。分かるよ、そんだけ動けるなら何故自然な歩き方が出来ないって思うよな。あの双子普通じゃないし仕方ないよ。
「よし!袖から出たらすぐパフォーマンスをしながらランウェイに!ハケるまで続けて!歩くな!一度それでやってみて!」
どうやらあげは姉ぇは双子を歩かせない方向に行ったようだ。
後に姉は語る。「あの双子には芸能の才は皆無だった」と。
PM1:40
多少のトラブル(主に双子)はあったけどリハーサルが終わり、楽屋に戻ると同時に会場に、チケットを購入した生徒や学園祭の来場者が入場して来る。
用意した500席分のチケットはすぐに完売、席指定無しの自由席にした為、良い席を取ろうと入り口が開くまで長蛇の列が出来ていたらしい。
「ふふっ、満席満席、当たり前だわね。いい?ここからが勝負よ!ショーを成功させて6年に一度の悪趣味な企みを潰して、あいつらにざまぁしてギャフンさせるわよ、いいわね!」
「「「「「おーーー!」」」」」
私念も入ったあげは姉ぇのかけ声に、円陣を組んで気合いの鬨を上げる。まあ理事達の優秀な生徒選別と帝惟親を菅原祐希と番わせる計画はほぼ破綻しているけどな。トドメを刺してやんよ。
「あとちょっと……」
「愛加」
震えるオレを着ている服がよれないようにふわっと宏太が抱き締めチカが背中を擦ってく……コラ尻は揉むんじゃない。
今回オレのお披露目もあるが、学園祭でショーをやるもう一つの理由は番の公表だ。
何も無ければ大学へ行ってから番う予定で、公表も機を見てするつもりだったんだ。
チカと宏太と番ったのは後悔してないけど、公表する事で平穏な高校生活が無くなるのと、チカが理事達の欲の為に狙われたのには腹を立てている。だから自分の手で計画は破綻していると突き付けてやる。
そう、この震えは武者震いだ。お前達の狙ってたαはもうΩとも番えないんだって見せるんだ。
それを見た時の顔を自分で確認出来ないのは残念だ。後でヨハンにどんな顔をしていたか聞こうっと。
うん、我ながらちょっと性格悪いかな。
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