王道学園にさせてなるものかっ!

ネコフク

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入学編

謀の代償

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今回は始めが宏太視点、途中から稲瀬視点、最後惟親視点です。

そして需要がなさそうな2人が強引にされています。ご注意ください。

この話は『ピンチのピンチ』に続く話になっています。





 秋田鈴音の代償(北大路宏太視点)

「北大路くん、姫川くんちょっといいかな」

 そう言って僕達を呼び止めたのは歴史の先生である山田和也。清潔そうだが少し野暮ったい見た目の先生だ。その見た目と雰囲気で生徒にはβと見られているし、本人も隠しているがれっきとしたαだ。

 αもピンキリで、僕や会長の惟親さんの様に明らかに上位αと分かる者もいればβ寄りのギリギリαの者もいる。
 先生はギリギリα、両親がβなのだろう。

「先生何でしょうか」

 背中に愛加を隠し、にこりと笑顔を向ければ顔を真っ赤にしてオドオドとしはじめる。そう、愛加を見ないで僕を見ていればいい。他のαに見せてやるものか。

「つ…次に使う資料を資料室から持って来て欲しいんだ」

「分かりました。行こう愛加」

「あっ……その、北大路くんは僕と一緒に視聴覚室で準備をお願いしたいんだけど…」

 はあ?僕と愛加を離れさせる気?
 あからさまにムッとしてしまった僕に山田は慌てる。

「ごっ……ごめんね、急いでるんだ」

 手を振りながら慌てる山田に愛加が親衛隊もいるし大丈夫と言う。

「愛加……」

 多分今物凄く情けない顔をしている。僕が離れたくないんだよ。

「すぐ持っていくしもしそっちが早く終わったら迎えに来て、ね」

 そう言って僕の頭を撫でてくれる愛加に気持ちが浮上する。そうだ、早く終わらせて迎えに行こう。

「分かった、すぐ行くから待っててね。…先生行きましょう」

 後ろ髪引かれながらさっさと終わらせようと早足で視聴覚室に向かう。
 視聴覚室は教室がある棟とは違う棟にあり、1階と3階の渡り廊下で繋がっている。2階にある視聴覚室に階段で降りると微かに甘やかな香りが漂ってくる。
 その匂いがヒートを起こしているΩの匂いだと瞬時に気付く。

「先生、この匂い……」

「えっ?匂い?」

 どうやら匂いに気付いていないようだ。微かだし匂いに敏感でなければ分からないのかもしれない。

 だが視聴覚室に近づくにつれ匂いが濃くなり山田も息が上がってきている。ここまでくれば気付いているだろうに何かおかしい。

「き……北大路くんは…入って…」

 視聴覚室のドアを開けた瞬間、一気に匂いがキツくなり腕で鼻を押さえる。あまりの臭さに顔をしかめてしまう。
 そこには匂いの元、秋田鈴音が顔を上気させ、項を守るチョーカーを外し制服を乱した状態で立っていた。

「北大路くぅん……」

 甘ったるいあの声で名前を呼ばれて怖気おぞけがする。愛加以外のΩの匂い、声、存在に虫酸が走る。

「先生、僕にあの女を襲わせるためにここへ連れて来たんですか?」

 冷めた目を向け威圧するように問いかけると荒い息をしながら首を振る。

「ちっ…ちがっ、ハアハア…秋田さんが…ハアハア北大路くんと…話がしたいからと…」

「チッ!」

 惟親さんの情報通りだったな。秋田鈴音がヒートで僕に項を噛ませるつもりだと。
 そのために山田にすり寄り手駒しに、僕を呼び出したのか。

「北大路くぅんいい匂いでしょぉ……私をぐちゃぐちゃにして噛んでぇ…」

「ふっ」

 馬鹿か、僕が突き挿れて項を噛むのは愛加だけだ。お前なんかに指一本触れるものか。

 焦れたように誘う女に隣でαの衝動を抑えている山田の耳にそっと吹き込む。

「先生、彼女に気があるから手伝ったんですよね?残念ながら僕はもう番う相手がいるので噛めません。だから僕の代わりに噛んであげてくれませんか?大丈夫、僕が証言しますよ。「合意で番ってました。否定してるけど彼女、照れてるだけですから」って。それくらいの権力、僕は持ってます」

 嘘だけどね。しかし一生徒がそんな権力持ってるわけがないのをこの状況で気付かないだろう。
 その証拠に一気に獰猛な目つきに変わった山田が秋田鈴音に襲いかかる。

「きゃあ!やめなさいよこのβ!」

 ああそうか、ヒートに耐性があるβだと思って山田を駒にしたのか。

「残念だったね、先生はαだよ」

「うそっ!ああぁぁぁっ!!」

 慣らしもなく挿れられ悲鳴を上げる光景を見ながら携帯を取り出し電話をかける。

「宏太です。惟親さんの言う通り秋田鈴音が仕掛けてきました。……大丈夫、抑制剤が効いてて全く衝動が沸きません。そちらはどうですか?」

 惟親さんの方も上手くいっているようだ。

「やだやめっ、何で北大路くんにヒートのフェロモンが効かないのよぉ!」

 山田から逃れようとしながら焦る声を出す女に満面の笑みを向けネタばらしをする。

「うーん、言う必要ないんだけど……僕特殊な抑制剤飲んでるからΩのフェロモン効かないんだよね」

「うそっ!じゃあヒート意味なかったの⁉ちょっとやめて、噛まないで!ああっ!!」

 いいね、絶望した表情で噛まれるなんてお似合いだよ。さて、愛加を迎えに行こうかな。

 でもその前にこの染み付いた臭い匂いをどうにかしたいなぁ。


 ◇◇◇◇◇


 南城ここはの代償(稲瀬視点)

「くふふ……」

「南城どうしたの?」

 親衛隊の部屋でいつものお茶を出しながら南城に問いかける。

「今頃姫川は輪姦されて北大路は秋田鈴音を噛んでる頃だと思うと愉快でさ」

 ホント南城は性格が悪い。苛烈で人を貶めてでも手に入れようとする。良い方に向ければすぐ極上のαを引き寄せられるのにそれに気付かない。作戦だって俺がフォローしないと抜け穴だらけ。三流の悪党だ。

「これを報告すれば帝様も目を醒まして僕を見てくれるはず。ふふ」

「悪い顔してるなー」

「ほっとけ。まあ稲瀬には感謝してるよ。アイツらの情報をくれて作戦を考えてくれたし」

 そう言って鼻歌混じりにお茶をすすり上機嫌で今後の展開や行動を南城は話していく。

「あ~早く帝様来ないかな?」

 帝様が来るのを待ちきれないのか南城はそわそわしっぱなしだ。



 それから15分、南城は暑いのかネクタイを緩めネックガードを晒すようにシャツのボタンを外している。

「南城どうしたの?」

「えっ?ああ、何か部屋暑くない?」

 パタパタと手で扇いでいるがあまり効果はないようだ。

「暑くないよ。南城の体が熱いだけじゃない?だっていい匂いがするよ」

「は?嘘っ、まだなのにヒートがきたっぽい。やった、これで帝様に噛んでもらえる……!」

 自分の匂いを嗅いで気付いたのか嬉しそうにネックガードを外す。

 浅はかだね南城。

 それを待っていたよ。

「ネックガード外していいの?俺がいるんだけど」

「稲瀬はβだろ。帝様が来たら部屋から出てけよ」

 うきうきとしているところ悪いけど事実を言ってあげるよ。

「南城に言ってなかったけど俺αだよ」

「は?」

 ピシリと隣で固まる南城の項に手を這わせ、顔を近づけ口を開け見せつけるように舌で犬歯をなぞる。
 さっと顔色を変え離れようとする腕を掴み逃げるのを阻止する。

「離せよ!」

「だーめ。これから俺が南城の項を噛むから逃さないよ」

「おまっ、αって嘘だろ!だってバース検査βだったろ!」

「うんそう、高等部入学まではβだったよ。αには最近なったんだよね。…実はうちの家系、後天的にαになる家系なんだ」

 知らなかったよね、知ろうともしなかったもんね俺の事。信頼してたけど興味はなかったもんね。

「だから項を噛めるんだよ」

「ダメだっ!帝様に噛んでもらうんだお前じゃない!」

 そう言うと思った。だからもう一つ事実を言う。

「帝様は俺が連絡しない限りここには来ないよ」

「えっ……」

 更にもう一つ。

「今回の情報や作戦、帝様に筒抜けだからね。俺が報告した」

 目を見開き唖然とする南城はヒートが強くなってきたのか頬がピンク色に染まってくる。

「なん……なんで…」

「俺さ、初めから帝様の飼い犬なの。うち帝グループの末端で親衛隊の監視役を仰せつかってたんだよね。だから作戦も報告して指示を仰いでたわけ。北大路様や姫川様の方も作戦は失敗してるはず。……そして南城の作戦も失敗だよ」

「稲瀬……」

 睨みながらドスの効いた声で俺の名を呼ぶ南城に楽しくなってくる。

「それでさ、俺帝様に聞かれたんだよね「お前は南城を噛む気はあるか」ってさ。ハハッ、もちろん「あります」って答えたよ。そうしたら「しっかり噛めよ」って」

「なっ…帝様何で……」

「俺は知らないけど帝様には既にお相手がいるんだってさ。その方以外はどうでもいいんだって」

「どう…でも…」

 余程ショックだったのか唇が震え掴まれた腕の力が抜ける。その腕を離し、制服のポケットから固形物を取り出し見せる。

「これ強制発情期ヒートの薬。それをはい、ポチャっとお茶に入れてました~。だから急にヒートになったんだよ。大丈夫、俺大事にするから。南城も俺の事嫌いじゃないでしょ」

 うっそりと笑い震える唇にかぶりつく。舌を絡ませ唾液を垂らし嚥下させると艶っぽい吐息が漏れてきた。口内を堪能し唇を離すととろんと蕩けた表情を見せて口をはふはふさせている。下に目線をやればズボンを窮屈そうに持ち上げ染みを作っていて、そこに指を這わせるとビクンと体が揺れる。

「キスだけでこんなに染みを作っちゃって気持ち良かったの?」

「うる……さい…」

 あーあーそんなに潤んだ瞳で言われても俺を煽るだけだよ。

「大丈夫、もっと気持ち良くしてあげるから。グズグズのグチョングチョンにしてから挿れて絶頂で噛んであげる」

「稲瀬ぇ……」

「睨んでも可愛いだけだよ。ヒートで体が辛いんでしょ?」

 非難するような口調だが体は快感だけを拾い上げフェロモンが濃くなっていく。その熟れた桃のような匂いにくらりと欲望が膨れ上がって今にも爆発しそうだ。

「ああ、いい匂い。いつもより軽い抑制剤を飲んでるから南城のフェロモンをより感じるよ。ハハッ、怖がらないで。大丈夫、優しくしてあげるよ」



「やん……やぁっ…激しっ!もっと!もっと!奥、奥を突いて!…あひっ!」

 双丘を鷲掴み肉筒に猛りきったペニスを長いストロークで奥へ打ち付ける。
 思ったより快楽に弱かった南城の体はすぐ俺の下へ堕ちてきた。
 自ら腰をくねらせ奥を突かれる度に嬌声を上げ、胎の中でペニスを貪る様は淫靡で何時間でも犯せそうだ。

「ハハハハハ、いいね、いいよ南城。もっと俺を求めてよ」

 既に薄くなった精液を鈴口からポタポタと床に落とし水たまりを作っているのも気付かず、ただただ快楽だけを求める南城。強制発情期ヒートの薬で擬似発情期ヒートを起こしているので明日には落着いてしまう。

 そうなる前に噛んでしまわねば。

 南城の反応が良かった場所を抉りながら項を甘噛みすると体が震えペニスを締め付ける。

「や……やめ……」

「何言ってるの。軽く噛んだだけで俺のを喜んで締め付けてるのに。またたっぷり中に注いであげるね」

 追い込むように腰を打ち付け高みへ登りつめ落ちる瞬間に項へ唇を寄せる。

「中等部の頃から好きだったよ、ここは……」

「⁉うそ………ああぁぁぁ!」

 項へ噛みつくと同時に奥で精液を注ぎ込む。盛大にイッた南城はそのまま机に突っ伏し意識を失ったようだ。
 俺のペニスは亀頭球が出たため、あと30分はこのまま中に精子を注ぎ込むだろう。

 汗で顔に貼り付いた髪をそっと梳き愉悦を噛みしめる。

 やっと、やっと俺のものになった。

「もう逃げられないよ南城……」

 ニヤけるままに報告のためポケットから携帯を取り出しかける。

「もしもし稲瀬です」


 ◇◇◇◇◇


「………分かった、ご苦労。俺がそちらに行く必要はなさそうだな。では2時間後に人を向かわせるからそのまま北大路病院に連れて行け。話は通している。それで南城は黙らせられそうか?……それでいい」

 通話を終了すると自然に口角が上がる。
 宏太の方も無事に終わり憂いは取り払った。これで俺達を邪魔する者は居なくなった。これでいい。

 1人生徒会室でほくそ笑んでいるとまた携帯が鳴る。

「なんだ?………は⁉何でそんな事になっている⁉八重樫と風紀には連絡を入れたのか⁉……分かった、今からそちらに向かう。資料室だな?」

 さっきまで完璧だったのに何故こうなった⁉

 愛加すまない、無事でいてくれ……!



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


黒い・・・宏太黒い(゜∀゜)
爽やかイケメンの宏太の腹の中はどす黒いです。策士会長・惟親も真っ青の黒さです。

そしてヤンデレ風味稲瀬。

そして気付く。
初心な風紀委員長吉永、苦労性の次晴、暴走気味のあげは、俺様気質の美紗。他生徒会の面々。




普通のαがいない!
なんてこったい!Σ(゜Д゜)
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