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コツメカワウソのオレ、旅に出るっぽい

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「・・・・・・へえ、あの女」

「そうそう、なんで裸になったんだろ?」

 なんかすっかり存在が空気になってるコツメカワウソ(妖精)のオレだよ。

 昨日からズッコンバッコンしてたのがやっと落ち着いたのか、エルフが空間保管庫インベントリから出したスープとパンを食べながら話しているのに聞き耳を立てているよ。

 もちろん奴らは素っ裸で食してるよ!

 どうやら勇者は仲間の聖女と一緒に「炎の洞窟」という所に聖杯を取りに行っていたらしい。
 そこはヒト族しか入れない場所でエルフは同行を断念、危険な場所だから勇者だけではなく治療魔法を使える聖女と数人の護衛騎士を伴い、往復1か月かかるところを突貫で2週間で踏破したんだって。
 聖女って言うくらいだから女の子でしょ?体力バカな勇者に合わせて引きずり回して短期間で終わらせたって事?かわいそー。

 そんなヤベェ勇者より洞窟に行くまでの聖女の行動の方がエルフには気に食わなかったようだ。聞くに聖女は勇者に気があるらしく、宿屋に泊まった時に裸で勇者に迫ったらしい。

 で、勇者の一言。

「脱衣場があるんだからそっちで脱いで風呂入ったら?」

 ・・・・・・勇者聖女の決死の誘惑に気づいていないよ!

 結果聖女は服を掻き集め脱衣場に行ったとさ。

 おいおいおい、ちっぱい(予想)だろうが裸の女の子がいたらちょっとは欲情しないのかい!
 ってエルフ(男)と激しく朝までコースのヤツが女性に興味あるはずないかぁ。それを分かっているだろうにエルフから滲み出る魔力が不穏なんだけどぉ。「後で木の棒突っ込んでやる」ってどこに!?

「でさ、魔力枯渇おこしたみたいでさ、1か月ほど休養するみたいなんだよ」

 それって勇者にこき使われてボロ雑巾にされてんじゃん!聖女だよ!女の子だよ!もっと労ってあげて!

「チッ、ヤワめ」

 だから勇者を基準にしないであげて!

「集合がひと月半後だからそれまでレオのナカにずっといれるね♪」

「ああっ♡」

 うっそーん、またおっ始めやがったよ。え、ひと月半ずっとヤりっ放し?まさかね?




 ホントひと月半ヤりっ放しだったよ・・・・・・



 ◇◇◇◇◇


「おーし、そろそろ集合場所へ行くかぁ」

 勇者あんさんあんだけヤり続けて元気ですなぁ。エルフなんて色気がだだ漏れててヤベェ状態になっとりますがな。これ男女共に充てられるんじゃないの?

 ハツラツとして鎧を装着している勇者に比べて気怠げなエルフ。裸じゃないよ、胸当てにショートソードを腰に差し弓を持っているよ。

 わあ、前世のエルフのイメージそのままだぁ。素を見なきゃだけど。

「おっ、コイツも連れて行くのか?」

 やーん、首根っこ掴んで持ち上げないでー。やんぞコラ。

「まあいつ帰るか分からないのに置いておけないしな。小さいし、大人しいから大丈夫だろ」

「ふーん」

 フンスフンスと鼻息荒くきゃわゆい手足をバタバタしていたらエルフの肩に乗せられた。

 どうやら旅に出るようでオレは今日からエルフの肩で生活しなきゃいけなくなったらしい。ここから異世界の広い世界を見れるのかー。楽しみだなー。

「ところでさぁ、その動物何?」

「ポチだ」

 いえコツメカワウソ(妖精)です。

「いや、名前じゃなくて」

「知らん」

 だからコツメカワウソ(妖精)だよ。キリッ

「そっかー」

 ああっ、勇者が知るのを諦めたぁ!

 さあ行こっか、じゃない!早速エルフの尻を揉みながら歩くんじゃないよ!

 エルフも変態だけど、軽くて体力オバケで超絶倫なのが勇者でこの世界大丈夫なのー!?




 →「コツメカワウソのオレ、変態エルフにくっついて勇者一行と旅をする」に続く。
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