上 下
8 / 21
本編

全校生徒に顔バレしました

しおりを挟む
 6月に入り外部生の俺にはよく分からない生徒会主催の鬼ごっこの日がきた。

 この学園では中学校から毎年行われる行事らしく、1年生が鬼で2、3年生の代表者を捕まえるという単純な遊びらしい。
 趣旨としては「広い校内をくまなく歩き色んな教室を把握する」というものらしいが、上級生を捕まえた1年には食堂のランチ1ヶ月無料券がもらえる為、みんな気合い十分である。もちろん俺もウッキウキだ。

 ルールとしては時間制限内に逃げている上級生が付けているハチマキを取る、それだけだ。そのハチマキを着けている人数は10名、取った生徒は体育館の壇上まで持って来ること。それまでに同じ1年がハチマキを奪うのもOKというバトルロワイヤル的なものになっている。
 なおハチマキを着けていない上級生は1年生を邪魔する要員で、1人ふらっと教室に入ったら外から上級生が鍵をかけてしまい、制限時間まで出れなくなったりするらしい。
 まさに動く邪魔立てである。

「ランチ1ヶ月プリン食べ放題~」

「プリンかよ」

「もうトンカツにプリン乗せるなよ」

「乗せねーよ!」

 いちるに突っ込まれながらも3人でストレッチをする。体育館に集められた1年生は動き易いようにジャージを着用している。俺は走っても大丈夫なように前髪を固めて挑む。
 周りを見ると張り切っているのは運動部が多い。食事量が多いからだと思われ。もちろん隣にいる智也もガチで行く気満々だ。

「準備は出来たか1年生」

 壇上から良く通る声がマイク越し聞こえる。主催の生徒会と2、3年生のクラス委員は裏方で不参加だ。

「これから毎年恒例鬼ごっこを始める。制限時間は2時間、場所はトイレ・シャワー室・職員室・保健室・校長室以外の校内全て。外に出た者、上級生に危害を加えた者、ハチマキを持っていない者に対する攻撃、故意に怪我をさせた者は失格とする。なお、上級生にハチマキをした者の場所を教えてもらうのは許可するがそれが本当の情報かは自分たちで考えろ」

「尚不正が無いように校内を風紀が巡回している。もし不正があったら分かってるな………仕置きだ」

 そこら中からお仕置きされたいだの僕を捕まえてだの声が上がっているが壇上でマイクを持っている青藍と緋色がめっちゃこっちを見て喋ってるのが納得いかない。俺不正するように見えるのか?

 こてりと頭を傾げると無表情だった目元が緩む。それを見た周りがさっきよりもどっと沸く。正直ウルサイ。

 ピロリン♪

「あ、ラインだ。っておい!」

 ジャージのポケットに突っ込んでいるスマホが鳴ったので開いて見ると、なんと壇上にいる2人から3人だけのグループラインが来ていた。

 青藍『頑張れよ愛してる』

 緋色『ハチマキ取ったら俺の胸に飛び込んで来いよ』

 お前ら壇上で何入力しとんじゃ!

「うわっ、兄貴……引くわぁ」

 ほれ、弟にドン引かれてるぞ。

 志摩『し・ご・と・し・ろ!』

 ポチッとな

「志摩何送ったの⁉あの2人めっちゃニヤニヤしてんだけど!」

 ああっ、もう何であんな内容でニヤけるんだよ!
 ちょっ、ちっこい生徒が何人か鼻血吹いて倒れたんだけど⁉
 智也も何故そんなに暖かい目で俺たちを見てるんだ⁉

 俺が気を失って保健室に運ばれた日、青藍と緋色が智也の琴線に触れたらしく、智也公認で怒涛の求愛を受けている。
 正直煩いくらい言い寄られたことはあるけど、気遣いされながらの甘い攻撃には免疫が無い。毎日恥ずかしさと戸惑いばかりだ。

 倒れた生徒をクラス委員が保健室に運んだりと予定をかなりオーバーして鬼ごっこが始まった。

「うおおおおおいくぜー!」

「ランチ1ヶ月!」

「ハチマキどこじゃ~!」

 開始と同時に運動部が雄叫びをあげながらダッシュで体育館を出ていく。俺たち3人もその後に続くように走り出す。目指せプリン!

「おわっ、閉じ込められたー!」

「ふざけんな、ハチマキだと思ったらネクタイだった!」

 開始5分もしないうちにトラップに引っかかる生徒が続出。思ったよりも上級生の妨害があるみたいだ。

「俺こっち行ってみる」

「じゃあ俺こっち~」

「俺はそっちに行く」

 それぞれ3方向に分かれハチマキ先輩を探していく。教室は入らないようにドアを開けて見渡すだけにする。

『あー、あー、こちら放送委員会。ただいま開始から15分、開始前に倒れた人数5名、トラップに引っかかった人数15名、1名がハチマキをゲット。ハチマキ残り9、1年生のみなさーん頑張ってくださ~い。あ、ちなみにトラップに引っかかった人は終わるまでそのままでーす』

 早っ、もうゲットしたヤツいるのか~。俺も頑張らないと。

 あっちを探しーの、こっちを探しーのしても1年しかすれ違わない。上級生はどこに潜んでるんだろ?
 それに校内がやたら広い!教室一つ一つが中学の時より広めだし、専門教室や部活部屋など数が多すぎる。とりあえず上の階から攻めてみるか。

 4階まで上がり一つ一つ見ていくけどハチマキ先輩はいない。

『こちら放送委員会、開始40分、トラップに引っかかった人数がさらに32名増えました~。意外と今回引っかかる1年生が多いですね~。ハチマキは残り7、まだまだこれからだ~』

「あと7つか……下探そ」

 3階に降りると遠くの方に渡り廊下があり隣の棟に行けるようになっている。ちょうどそこら辺に人がちらほらいる。
 俺は適当に手前から教室を覗いていき何個目かの教室のドアを開く。

「あっ、クソ陰キャ!お前のせいで青藍様に全く近づけなくなったんだからな!こらー、ドア閉めんな!」

 いやー、何か変なもの見ちゃったなー。俺疲れてんのかな。

「閉めんなクソ陰キャ!」

 スパーンとドアが開き、気のせいだと思ったナマタマゴ美樹本が出現した。

「ぎゃー、ナマタマゴ美樹本!」

「変なあだ名付けるな!って待てーーーーー!!」

 待つか!久々に見たと思ったら結局追いかけてくんのかーい!
 こうなったら全速力で逃げる!

 渡り廊下の方へ走って行くと、同じように走っている生徒を追い抜く。

「ヤベェ、あの陰キャ速ぇ!」

「陸上部の草壁が追い抜かれたぞ!」

「草壁が膝から崩れ落ちたぁぁぁ!」

「相手は陰キャだ、傷は深いぞ!!」

『こちら放送委員会、1年生のみんなー、今爆走している生徒がいるから気を付けねー』

 爆走してる生徒って俺かーい!!っていうか見られてんの⁉

「うおおおおおおぉ」

「ひいっ!」

 渡り廊下を超えると物凄い勢いで走って来る俺に驚いて制服を着た生徒が固まっている。その頭にはハチマキが!

「ハチマキ先輩ごちでーす!」

 すり抜ける瞬間にするりとハチマキを取って逃げる。

「あー!やられたー!!」

 ワンテンポ遅れてハチマキ先輩が叫ぶけど既に俺は角を曲がり階段を一段とばしで降りていた。やったープリン!!

 勢いそのまま体育館へ戻ると、壇上に座っていた青藍と緋色が立ち上がり俺を迎えに降りてくる。

「ハア……ハア……ハチマキ…誰に渡せばいいの?」

「お疲れ志摩、俺に寄越せばいい」

 はい、と青藍に渡せば緋色が「俺の胸に飛び込んでいいんだぞ」と言って手を広げているけどお断りだ。

 ハチマキを取った1年生は壇上の所に用意されている椅子に座って終わりを待つので俺も座る。同じように椅子に座っているのは俺を含めて4人。あとハチマキは6つ。智也といちるもゲットできればいいな。

『こちら放送委員会、残り30分になったので教室は上級生が一斉に閉めまーす。閉じ込められた1年生はそのまま終わるまで待機してくださーい。そして残るは廊下と階段のみ!まだハチマキを締めた生徒は6名いるので頑張ってね~』

 放送直後に遠くから悲鳴が聞こえてくる。あれは教室に閉じ込められた生徒の恨みの声かな?

 制限時間が15分切る頃、体育館入口にハチマキを持った智也と生徒が2人姿を現す。他の2人も運動部のようだ。

「わーいお疲れ~」

「シマもお疲れ。いやー行動範囲が少なくなって助かったよ」

 だよなー思った以上に校内は広かった。ハチマキ先輩を探しながら歩いてたから結局まだ行ってない場所があったし。

「あとはいちるか~」

「あいつなら来ないぞ。さっき廊下を走ってたら閉まってる教室から声が聞こえた」

 マジかー。でも教室閉められるって知ってるんだから何で入ったんだ?終わったら聞いてみよう。

『こちら放送委員会、残り5分になったよ。ハチマキは残り3つ、1つはあー残念、教室に1年生と一緒に閉じ込められてる~。これじゃあ制限時間内に体育館には来れない残念!ということでハチマキは残り2つ、取れるかな~?』

 うはっ、これ上級生の作戦勝ちじゃないか?ハチマキ取られても体育館に行かれなければハチマキ先輩の勝ち。取られなかった生徒はご褒美に2か月ランチが無料らしい。

「考えたなー」

 感心したように智也が言うのに同意する。ランチ無料に対する本気を感じる。

 そして制限時間ギリギリにへろへろになりながらナマタマゴ美樹本がハチマキを持って体育館に入って来た。

『こちら放送委員会、鬼ごっこが終了しましたー。廊下に残っている生徒は体育館に集合してください。教室にいる生徒は閉幕式が始まるからテレビを付けてねー。なおハチマキを取られなかった生徒は壇上に来てね』

 いつの間にか放送委員会の腕章をした生徒が壇上でビデオカメラやマイクをセットし始めている。あれで教室にいる生徒に流すのか。





『はーい、これから閉幕式を始めまーす。まずは会長のお言葉から~』

 鬼ごっこの最中も思っていたけど、司会をしている生徒はやたら気の抜ける話し方をするなぁ。

「まずはお疲れ様。鬼ごっこは楽しんでくれただろうか。今年も怪我人を出さずに終われたのを嬉しく思う。今回逃げきった者もいて素晴らしかった。これが終わればテスト期間が始まるがそちらの方も頑張ってほしい」

『ありがとうございました~。続いて風紀委員長どうぞ~』

「今回は風紀の世話になった奴は居なかったようだな褒めてやる」

 うわー、マイク越しのバリトンボイス腰にキてヤバい。俺あの声弱いんだよな。話し終わった緋色がチラリとこっちを見て小さく笑ってるからバレてるなこれは。まあ俺だけじゃなく体育館にいる生徒も腰砕けになってるのがいるからエロボイスの破壊力は凄い。

『ではでは~今回逃げきった生徒に賞品贈呈でーす』

 放送委員の声と共に会長の青藍が表彰盆を持った庶務の米川さんから熨斗のしを受け取り2人の生徒に渡す。1人は青藍の顔を見てうっとりしながら受け取っていて胸がムカッとしてしまう。

(あれ、これ何だろ……?)

 胸のムカつきに首を傾げながらも拍手をする。

『おめでとうございまーす。こちらの中村くんは残り30分ギリギリに1年生を教室に誘い込んで、一緒に閉じこもりみんな体育館に行けなくしましたぁ。頭脳派ですねー。もう1人の松山くんはパルクールの選手でその身体能力で逃げきりましたー。もう一度2人に拍手~』

 わーっと生徒たちから歓声が上がり紹介された2人はしきりに照れている。

『続きましてはハチマキをゲットした勇者!今年は8人でーす!』

 司会の生徒に紹介された俺たちは端から順番にカメラで撮られていく。ちょっと恥ずかしいなぁとメガネの下でニヨニヨしていたら、脇で「あっ」「ちょっと待って!」という声が聞こえてくるのでそっちを見ると、間近に歪んだ笑みを浮かべている美樹本の顔があった。

「ブサイクづらみんなに見せろよ」

「えっ」

 反射的にメガネを押さえようとした俺の手より美樹本の方が早く、取って遠くへ投げられてしまった。どうやら諦めずに俺をおとしめようと虎視眈々と隙を狙ってたみたいだ。

 メガネを遠くへ投げられたことで俺は呆然として立ちすくんでしまった。それをハチマキを取った1年を撮ろうと寄って来ていたカメラがしっかりと顔をうつしていることに気付かなかった。

「「志摩!!」」

『おおっと!1年の「担がれ陰キャ」や「トップランナー陰キャ」の異名を持つ荒木くんの顔が晒されたー!!って桜宮真尋ォ⁉』

 慌てて寄って来た青藍と緋色が俺を背中に隠し、智也がカメラのレンズを押さえる。

「あの顔……どこかで見たことある」

「ハナミズキのインスタにたまに載ってるシーマじゃない?」

「僕シーマのファンなんだけど⁉」

「ヤバい!空手部!生徒が前に来たら押さえろ!」

 ざわざわと体育館が騒然とする。驚く生徒、インスタに載っているシーマだと騒ぐ生徒、慌てて前に出てくる空手部員、様々だ。

 俺のメガネを取って飛ばした張本人はというと、一番固まっていた。

「なんで……ブサイクだから顔隠してたんじゃないの?」

「俺ブサイクって宣言したことないけど?」

『確かに!』

「えっ」

 急に隣から声がして振り向くと、放送委員が別のカメラを持って近づけて来ていた。

「あっ、こらっ!」

青藍が止めようとしたけど放送委員は止まらない。

『いやー、メガネの下はこんなに格好良かったんだねー。ねえねえ、桜宮真尋にそっくりだけど関係者?ハナミズキのシーマだよね?大膳くんとの関係は?』

 めっちゃ目が爛々、鼻息荒く聞いてくるんだけど⁉スキャンダルを追いかける記者みたいで怖い。

「あぁもう!桜宮真尋は母親!ハナミズキのシーマは俺!智也は従兄弟!」

 ヤケクソ気味で一気に言うと黄色い声と野太い叫び声が体育館を揺らす。

「黙れ」

 良く通るバリトンボイスが体育館の騒ぎを一気に鎮める。

「風紀!美樹本こいつを捕らえて仕置き部屋に連れて行け」

 緋色の声に我に返った風紀が美樹本を壇上から降ろし、ドナドナしていく。その間に何故か青藍に固めた前髪をいじられ、さっと真ん中分けにされて顔がしっかり見えるようにされてしまう。

「志摩こっちへおいで」

 青藍に手を取られるけど戸惑ってしまい、智也の方を見ると頷くのでそのまま青藍と緋色の間におさまる。

「よーし貴様らよく聞いて脳ミソに叩き込め。荒木志摩、本名桜宮志摩は如月緋色と黒主青藍のものだ。手を出したヤツは殺す。そしてたった今から3年の山本奏を隊長、1年の大膳智也を副隊長とし桜宮志摩の親衛隊を発足させる。異議は受け付けない。以上だ」

「僕が親衛隊長の山本だ。現在親衛隊の人数は18名、全員空手部だ。もし桜宮志摩に手を出すなら空手部が相手をする。入隊希望者は3-Aの山本まで来てくれ」

 ざわつき始めた生徒の声を遮るように奏さんも宣言する。
 ちょっとこれは用意周到すぎないか?

 求ム説明!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ずっと夢を

菜坂
BL
母に兄との関係を伝えようとした次の日兄が亡くなってしまった。 そんな失意の中兄の部屋を整理しているとある小説を見つける。 その小説を手に取り、少しだけ読んでみたが最後まで読む気にはならずそのまま本を閉じた。 その次の日、学校へ行く途中事故に遭い意識を失った。 という前世をふと思い出した。 あれ?もしかしてここあの小説の中じゃね? でもそんなことより転校生が気に入らない。俺にだけ当たりが強すぎない?! 確かに俺はヤリ◯ンって言われてるけどそれ、ただの噂だからね⁉︎

かつらぽーん

うりぼう
BL
かつらがぽーんと吹き飛ぶ。 王道学園物と見せかけた普通の学園もの。 一人の生徒を生徒会の連中その他が気に入り、親衛隊連中が色々と嫌がらせをしている。 そんな騒動の最中の話。 ※王道とみせかけた普通学園 ※親衛隊あり

真冬の痛悔

白鳩 唯斗
BL
 闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。  ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。  主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。  むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。

【完結】ルームメイト〜僕と彼の関係〜

天白
BL
〜「君は私のルームメイトに合格しました」。そして僕はアイツに押し倒されました〜 生徒会長の皇若菜が僕のルームメイトになってから、順風満帆になるはずだった高校生ライフはあっさりと閉ざされてしまった。 平凡の僕にはお似合いの、平凡な人生望んでたはずなのに…… 「どうしてこうなった!?」 果たして僕に、アイツをぎゃふんと言わせる日はやって来るのだろうか? ※他投稿サイト、フジョッシーさん、ムーンライトノベルズさんにて公開中です。 拙作「奥さまは旦那さまに恋をしました」と世界観がリンクしています。

風紀“副”委員長はギリギリモブです

柚実
BL
名家の子息ばかりが集まる全寮制の男子校、鳳凰学園。 俺、佐倉伊織はその学園で風紀“副”委員長をしている。 そう、“副”だ。あくまでも“副”。 だから、ここが王道学園だろうがなんだろうが俺はモブでしかない────はずなのに! BL王道学園に入ってしまった男子高校生がモブであろうとしているのに、主要キャラ達から逃げられない話。

元執着ヤンデレ夫だったので警戒しています。

くまだった
BL
 新入生の歓迎会で壇上に立つアーサー アグレンを見た時に、記憶がざっと戻った。  金髪金目のこの才色兼備の男はおれの元執着ヤンデレ夫だ。絶対この男とは関わらない!とおれは決めた。 貴族金髪金目 元執着ヤンデレ夫 先輩攻め→→→茶髪黒目童顔平凡受け ムーンさんで先行投稿してます。 感想頂けたら嬉しいです!

王道学園なのに会長だけなんか違くない?

ばなな
BL
※更新遅め この学園。柵野下学園の生徒会はよくある王道的なも のだった。 …だが会長は違ったーー この作品は王道の俺様会長では無い面倒くさがりな主人公とその周りの話です。 ちなみに会長総受け…になる予定?です。

片桐くんはただの幼馴染

ベポ田
BL
俺とアイツは同小同中ってだけなので、そのチョコは直接片桐くんに渡してあげてください。 藤白侑希 バレー部。眠そうな地味顔。知らないうちに部屋に置かれていた水槽にいつの間にか住み着いていた亀が、気付いたらいなくなっていた。 右成夕陽 バレー部。精悍な顔つきの黒髪美形。特に親しくない人の水筒から無断で茶を飲む。 片桐秀司 バスケ部。爽やかな風が吹く黒髪美形。部活生の9割は黒髪か坊主。 佐伯浩平 こーくん。キリッとした塩顔。藤白のジュニアからの先輩。藤白を先輩離れさせようと努力していたが、ちゃんと高校まで追ってきて涙ぐんだ。

処理中です...