11 / 18
色んな現実を直視せざるおえない
しおりを挟む
自分がどうやっても王太子になれないた理解したライノールに王妃はさらに現実を突きつける。
「本当は王位継承権を持たない王子は能力に見合った臣籍降下をするのだ。そなたはイリスリアを妻にしたのなら伯爵ぐらいにはなれたものを・・・・・・今回イリスリアにあらぬ罪を着せ恥をかかせた事により平民に落とされたのじゃ。生涯幽閉も考えたがぬくぬく過しそうだからのう」
ライノールの性格は見栄っ張りで尊大、自己評価が高い。それを分かっている国王と王妃は、マリアと結婚させ働かせる方が罰になるだろうと平民落ちに決めたのだ。一応男爵家に婿養子として入れ、かろうじて貴族の末端に置いたのは温情だ。
というのは建前で男爵家に縛る事により、しっかりと慰謝料を払わせる為である。
「そんな・・・・・・」
「でも愛するマリア嬢と結婚できたんだから良かったじゃない」
「そ・・・・・・そうだ、そうだよな!俺にはマリアがいるもんな!」
ルクレの言葉にさっきより項垂れていた頭を上げライノールは頷く。突きつけられた現実から少しでも良い方に考えたいようだ。
「え、私王妃になれないの?ルクレ様が王太子?だったらルクレ様にしておけば良かった~」
「マリア?」
ちぇっ、とむくれるマリアに戸惑うライノールと聞き捨てならない事を聞いたと驚くイリスリア。マリアの話はまだ続く。
「第一王子だから王太子になると思って近づいたのにあてが外れたわ。顔は好みだし何でも買ってくれたけど王太子にならないんじゃね~」
「えっ、王子じゃなくても好きになってたって言ってただろ?」
「だから顔は好みだったからそう言っただけ。王子じゃなくなるなんて思ってなかったし」
「王族や高位貴族にすり寄ってくる輩なんてこんなものだよね」
愕然とするライノールにルクレがため息混じりに憐れみの目を向ける。これも王族の教育をきちんと受けていれば教わる事なのでサボってばかりいたライノールに同情はしない。
「マリア嬢がどう思おうと2人はもう夫婦なんだから互いに支え合って慰謝料をはらってね。・・・・・・あ、そうそう、ライノールがマリア嬢にドレスやアクセサリーの代金も上乗せして請求するから」
「は?何でだよ⁉」
「だって婚約者にあてた費用から使ってたでしょ。今までイリスリアの為に使った事が無いのに学園に入ってから湯水のように使ってたよね?分かり易かったよ」
婚約してから8年、全く使われていなかった費用が、3年前からかなりの頻度で使われたら財務担当だって不審がり上へ報告するだろう。調べたら隠す気は無いだろと言わんばかりに証拠が上がってきたのだ。
「別目的での使用は王族でも罪に問われるからね」
にっこりと微笑むルクレに、返金する事で罪に問われないのだと青褪めたライノールは知ったのだった。
「本当は王位継承権を持たない王子は能力に見合った臣籍降下をするのだ。そなたはイリスリアを妻にしたのなら伯爵ぐらいにはなれたものを・・・・・・今回イリスリアにあらぬ罪を着せ恥をかかせた事により平民に落とされたのじゃ。生涯幽閉も考えたがぬくぬく過しそうだからのう」
ライノールの性格は見栄っ張りで尊大、自己評価が高い。それを分かっている国王と王妃は、マリアと結婚させ働かせる方が罰になるだろうと平民落ちに決めたのだ。一応男爵家に婿養子として入れ、かろうじて貴族の末端に置いたのは温情だ。
というのは建前で男爵家に縛る事により、しっかりと慰謝料を払わせる為である。
「そんな・・・・・・」
「でも愛するマリア嬢と結婚できたんだから良かったじゃない」
「そ・・・・・・そうだ、そうだよな!俺にはマリアがいるもんな!」
ルクレの言葉にさっきより項垂れていた頭を上げライノールは頷く。突きつけられた現実から少しでも良い方に考えたいようだ。
「え、私王妃になれないの?ルクレ様が王太子?だったらルクレ様にしておけば良かった~」
「マリア?」
ちぇっ、とむくれるマリアに戸惑うライノールと聞き捨てならない事を聞いたと驚くイリスリア。マリアの話はまだ続く。
「第一王子だから王太子になると思って近づいたのにあてが外れたわ。顔は好みだし何でも買ってくれたけど王太子にならないんじゃね~」
「えっ、王子じゃなくても好きになってたって言ってただろ?」
「だから顔は好みだったからそう言っただけ。王子じゃなくなるなんて思ってなかったし」
「王族や高位貴族にすり寄ってくる輩なんてこんなものだよね」
愕然とするライノールにルクレがため息混じりに憐れみの目を向ける。これも王族の教育をきちんと受けていれば教わる事なのでサボってばかりいたライノールに同情はしない。
「マリア嬢がどう思おうと2人はもう夫婦なんだから互いに支え合って慰謝料をはらってね。・・・・・・あ、そうそう、ライノールがマリア嬢にドレスやアクセサリーの代金も上乗せして請求するから」
「は?何でだよ⁉」
「だって婚約者にあてた費用から使ってたでしょ。今までイリスリアの為に使った事が無いのに学園に入ってから湯水のように使ってたよね?分かり易かったよ」
婚約してから8年、全く使われていなかった費用が、3年前からかなりの頻度で使われたら財務担当だって不審がり上へ報告するだろう。調べたら隠す気は無いだろと言わんばかりに証拠が上がってきたのだ。
「別目的での使用は王族でも罪に問われるからね」
にっこりと微笑むルクレに、返金する事で罪に問われないのだと青褪めたライノールは知ったのだった。
82
お気に入りに追加
152
あなたにおすすめの小説
冤罪を受けたため、隣国へ亡命します
しろねこ。
恋愛
「お父様が投獄?!」
呼び出されたレナンとミューズは驚きに顔を真っ青にする。
「冤罪よ。でも事は一刻も争うわ。申し訳ないけど、今すぐ荷づくりをして頂戴。すぐにこの国を出るわ」
突如母から言われたのは生活を一変させる言葉だった。
友人、婚約者、国、屋敷、それまでの生活をすべて捨て、令嬢達は手を差し伸べてくれた隣国へと逃げる。
冤罪を晴らすため、奮闘していく。
同名主人公にて様々な話を書いています。
立場やシチュエーションを変えたりしていますが、他作品とリンクする場所も多々あります。
サブキャラについてはスピンオフ的に書いた話もあったりします。
変わった作風かと思いますが、楽しんで頂けたらと思います。
ハピエンが好きなので、最後は必ずそこに繋げます!
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。
まさか、今更婚約破棄……ですか?
灯倉日鈴(合歓鈴)
恋愛
チャールストン伯爵家はエンバー伯爵家との家業の繋がりから、お互いの子供を結婚させる約束をしていた。
エンバー家の長男ロバートは、許嫁であるチャールストン家の長女オリビアのことがとにかく気に入らなかった。
なので、卒業パーティーの夜、他の女性と一緒にいるところを見せつけ、派手に恥を掻かせて婚約破棄しようと画策したが……!?
色々こじらせた男の結末。
数話で終わる予定です。
※タイトル変更しました。
私たち、殿下との婚約をお断りさせていただきます!というかそもそも婚約は成立していません! ~二人の令嬢から捨てられた王子の断罪劇
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「私たち、ハリル王子殿下との婚約をお断りさせていただきます!」伯爵家の姉妹フローラとミルドレッドの声がきれいに重なった。王家主催の夜会で、なんとハリル王子に対し二人の姉妹が婚約破棄を申し出たのである。国王も列席する場で起きた前代未聞の事態に、会場はしんと静まり返る。不貞を働いたことを理由に婚約破棄を申し渡したはずのフローラと、心から愛し合っていたはずの新しい婚約相手ミルドレッドからの婚約破棄の申し出に、混乱するハリル王子。しかもそもそもフローラとの婚約は受理されていないと知らされ、ハリルは頭を抱える。そこにハリルの母親であるこの国の側妃アルビアが現れ、事態は運命の断罪劇へと進んでいく。
一風変わった婚約破棄からはじまる断罪ざまぁストーリーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨム等他サイトでも掲載中です。
愚者(バカ)は不要ですから、お好きになさって?
海野真珠
恋愛
「ついにアレは捨てられたか」嘲笑を隠さない言葉は、一体誰が発したのか。
「救いようがないな」救う気もないが、と漏れた本音。
「早く消えればよろしいのですわ」コレでやっと解放されるのですもの。
「女神の承認が下りたか」白銀に輝く光が降り注ぐ。
殿下は、幼馴染で許嫁の没落令嬢と婚約破棄したいようです。
和泉鷹央
恋愛
ナーブリー王国の第三王位継承者である王子ラスティンは、幼馴染で親同士が決めた許嫁である、男爵令嬢フェイとの婚約を破棄したくて仕方がなかった。
フェイは王国が建国するより前からの家柄、たいして王家はたかだか四百年程度の家柄。
国王と臣下という立場の違いはあるけど、フェイのグラブル男爵家は王国内では名家として知られていたのだ。
……例え、先祖が事業に失敗してしまい、元部下の子爵家の農家を改築した一軒家に住んでいるとしてもだ。
こんな見栄えも体裁も悪いフェイを王子ラスティンはなんとかして縁を切ろうと画策する。
理由は「貧乏くさいからっ!」
そんなある日、フェイは国王陛下のお招きにより、別件で王宮へと上がることになる。
たまたま見かけたラスティンを追いかけて彼の後を探すと、王子は別の淑女と甘いキスを交わしていて……。
他の投稿サイトでも掲載しています。
王太子に求婚された公爵令嬢は、嫉妬した義姉の手先に襲われ顔を焼かれる
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」「ノベルバ」に同時投稿しています。
『目には目を歯には歯を』
プランケット公爵家の令嬢ユルシュルは王太子から求婚された。公爵だった父を亡くし、王妹だった母がゴーエル男爵を配偶者に迎えて女公爵になった事で、プランケット公爵家の家中はとても混乱していた。家中を纏め公爵家を守るためには、自分の恋心を抑え込んで王太子の求婚を受けるしかなかった。だが求婚された王宮での舞踏会から公爵邸に戻ろうとしたユルシュル、徒党を組んで襲うモノ達が現れた。
【完結】ざまぁなんて、おかしいですわ!!
紫宛
恋愛
第2王子殿下が侯爵令嬢を婚約破棄しようとしていた。
だが、そこに『待った』の声がかかる。
『待った』の声を掛けたのは、思わぬ人物だった。
タイトルと内容にズレ有り、迷走中。
4月28日
3話、第1王子→第2王子に変更。更に、王太子になる→王太子になる予定に変更しました。誤字の報告ありがとうございます。
※タイトル変更※
ざまぁなんて、おかしいですの!!
⇒ざまぁなんて、おかしいですわ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる