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志貴、腐りました
その1、腐った家族
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ここは一見何の変哲もない家族の団欒。日本の一般家庭と何か違う所があるとすれば母親が外国人で2人の子供がハーフというくらい。
ある日曜、家族全員で食卓を囲み和気あいあいと夕飯を楽しんでいた。そんなありきたりの日常に突如爆弾が投下される。
「志貴、今日ずっと部屋に籠もってたみたいだけどどうした?」
「んー、マンガ読んでた」
「ほう、珍しいな」
夕飯のロールキャベツを箸で切りながら父親である勇は、珍しい事もあるもんだと頷く。小6の志貴はどちらかというと外で遊ぶ事が多く、マンガは殆んど読まないのだ。
「何のマンガを読んだんだ?」
「えーとね、『ドキドキ☆王道学園 平凡なボクがみんなに溺愛されてザーメンの海に溺れちゃう♡』ってやつ」
「ぶーーーーーーー!!」
「わーーー母ーーーーー!!」
まさかの題名に母親のアメリアは飲みかけの味噌汁を噴き出し、向かいに座っていた姉の唯菜にかけてしまう。
「あ、それマンガに載ってた!顔射って言うんでしょ?」
「ひゃあああああーーーーー!!なぜその本をぉぉぉ!」
「開かずの間が開いてたから入って見つけた」
「Nooooooooooooo!!」
―――――開かずの間
それは真原家の闇。中には秘蔵のBL本が山積みとなっていて腐っていなかった志貴は入る事を許されていない場所である。
そもそも母親のアメリア、日本のBL本目当てで来日し、住み着いた根っからの腐女子である。唯菜もその血を色濃く受け継ぎ腐ってしまった中2の女の子だ。
父?言わずもがな若い頃、自身の母親に腐らされた根っからの腐男子である。アメリアとの出会いもBLイベントという腐れ夫婦だ。
「まっ……魔窟にはかかかか鍵がかかってたはず……」
「かかってたけど少し開いた状態だったよ」
「今日最後に入った奴誰?!って私かぁ!!『好き好きフェロモンアタック!これで先輩は僕のもの♡』取った時か!」
あまりの動揺に頭を抱え本の題名を叫ぶアメリア。志貴が読んだ本もそうだが、外で口に出したら友人が離れていくレベルの題名である。
「でもさ、何でイケメンが平凡を好きになるの?平凡顔に可愛いってフツー思わないでしょ。俺納得いかない」
「おま、まだまだだね。美形は可愛い子ばかり群がってきて食べ散らかしてるから食傷気味で、自分に興味を持たなかったり避ける平凡くんに目がいくみたいなのがいいんだよ」
志貴の疑問にすっかり発酵済みの唯菜が喜々として説明する。
「平凡くんの初心な体を手慣れた手つきで開発する……良いわぁ」
うっとりしながら話す唯菜にそんなものかと首を傾げる志貴。
「いや、顔だな。中身が良くても顔が良くなきゃ萎える」
「勇は美形同士推しだもんね」
落ち着きを取り戻したアメリアは「私は雑食だから」とさらりと言う。どうりで魔窟の中に緊縛やリバや口に出せないくらいハードな内容の本コーナーがあったワケだと納得する志貴。ドン引かないあたり2人の子である。
「俺も父と同じかな」
「同士!!」と喜ぶ父親に他のも見てみたいと言い、もう知られたからとその日から開かずの間はオープンな部屋へと変貌を遂げる。
それが志貴の転機てあり世間から足を踏み外した第一歩であった。
ある日曜、家族全員で食卓を囲み和気あいあいと夕飯を楽しんでいた。そんなありきたりの日常に突如爆弾が投下される。
「志貴、今日ずっと部屋に籠もってたみたいだけどどうした?」
「んー、マンガ読んでた」
「ほう、珍しいな」
夕飯のロールキャベツを箸で切りながら父親である勇は、珍しい事もあるもんだと頷く。小6の志貴はどちらかというと外で遊ぶ事が多く、マンガは殆んど読まないのだ。
「何のマンガを読んだんだ?」
「えーとね、『ドキドキ☆王道学園 平凡なボクがみんなに溺愛されてザーメンの海に溺れちゃう♡』ってやつ」
「ぶーーーーーーー!!」
「わーーー母ーーーーー!!」
まさかの題名に母親のアメリアは飲みかけの味噌汁を噴き出し、向かいに座っていた姉の唯菜にかけてしまう。
「あ、それマンガに載ってた!顔射って言うんでしょ?」
「ひゃあああああーーーーー!!なぜその本をぉぉぉ!」
「開かずの間が開いてたから入って見つけた」
「Nooooooooooooo!!」
―――――開かずの間
それは真原家の闇。中には秘蔵のBL本が山積みとなっていて腐っていなかった志貴は入る事を許されていない場所である。
そもそも母親のアメリア、日本のBL本目当てで来日し、住み着いた根っからの腐女子である。唯菜もその血を色濃く受け継ぎ腐ってしまった中2の女の子だ。
父?言わずもがな若い頃、自身の母親に腐らされた根っからの腐男子である。アメリアとの出会いもBLイベントという腐れ夫婦だ。
「まっ……魔窟にはかかかか鍵がかかってたはず……」
「かかってたけど少し開いた状態だったよ」
「今日最後に入った奴誰?!って私かぁ!!『好き好きフェロモンアタック!これで先輩は僕のもの♡』取った時か!」
あまりの動揺に頭を抱え本の題名を叫ぶアメリア。志貴が読んだ本もそうだが、外で口に出したら友人が離れていくレベルの題名である。
「でもさ、何でイケメンが平凡を好きになるの?平凡顔に可愛いってフツー思わないでしょ。俺納得いかない」
「おま、まだまだだね。美形は可愛い子ばかり群がってきて食べ散らかしてるから食傷気味で、自分に興味を持たなかったり避ける平凡くんに目がいくみたいなのがいいんだよ」
志貴の疑問にすっかり発酵済みの唯菜が喜々として説明する。
「平凡くんの初心な体を手慣れた手つきで開発する……良いわぁ」
うっとりしながら話す唯菜にそんなものかと首を傾げる志貴。
「いや、顔だな。中身が良くても顔が良くなきゃ萎える」
「勇は美形同士推しだもんね」
落ち着きを取り戻したアメリアは「私は雑食だから」とさらりと言う。どうりで魔窟の中に緊縛やリバや口に出せないくらいハードな内容の本コーナーがあったワケだと納得する志貴。ドン引かないあたり2人の子である。
「俺も父と同じかな」
「同士!!」と喜ぶ父親に他のも見てみたいと言い、もう知られたからとその日から開かずの間はオープンな部屋へと変貌を遂げる。
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