バルサミコ神話

バルサミコ酢3世

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バルサミコ神話

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昔昔、遥か昔、宇宙すらも無い遥か昔。
一人の神さまがいました。
その神様はなんでもできます。
神様はいつも、思いついたものを作っては壊し、作っては壊しと遊んでいました。
そんなある日、ふと思います。

「私の力の本気を見てみたいなぁ」

そこで神様は自分の創造の力をためにためて、いっきに放ちました。
するとどうでしょう。とんでもない衝撃とともに様々な星々が生まれたのです。
神様も初めて見るその星空は圧巻で、非常に美しく魅入ってしまいました。素晴らしい。
が、しかし神様はきづいてしまいます。
そして思います。

「この美しさを褒めてくれる、見てくれる者がいない。素晴らしさを共有できる者が欲しい。」

そこで神様は宇宙のあちこちに種をバラまいたのです。
いつか立派な花を咲かせることを願って。
やがてとある星に一つの種が辿り着き、
根をはり始めます。最初は水の中でした。
そうしてその種は長い月日を経て、
順調に茎を伸ばしてゆき、葉も生やし、立派に育ってゆきます。
そしてついにつぼみが。かれこれ数十億年経ち、ようやくつぼみができたのです。
神様の求める花まであと一歩。
そしてまた時は流れます。長い時。
つぼみは、少し開き始めたと思えば閉じ、たまに枯れそうになりと、その長い時を過ごしてきました。
そうして現在。ついに花は咲いたのです。
神様の求める花が。この世界を"世界"と捉えることのできる花が。星空に魅入り、賞賛する花が。

その花こそ私達人間。
神様の力を楽しみ神様を喜ばせられる存在。
私達が生きるだけで神様を幸せにできる。
これこそが私達の大切にすべき力。
これこそが私達の、私の、


真の生きる価値である。
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