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三がんばり目~色男に色仕掛け~
第24話 デート
しおりを挟む「ということで、新しく部活のメンバーになった虎谷くんです!
で、こっちが二年の菊地先輩。」
放課後森本は体育館に菊地と虎谷を呼び出し、意気揚々と紹介を始めた。
「なんだよ二年がいんのか。」
「えーなにこの子すごいヤンキー。」
そもそも年上という存在が嫌いらしく苦虫を潰すような顔をしている虎谷と、面倒事をあえて作りにいく不良が嫌いな菊地。
二人の相性はお世辞にも良いとは言えない。
「ていうか、こいつのせいで最近構ってくれなかったんだ。」
菊地は不満そうに森本の背後からのしかかる。
「構ってくれないって…。
でも、協力してもらえて助かりました。」
「ほんとだよ~。体育館の掃除にボールの手入れ、
俺にしてはめちゃくちゃがんばったしご褒美欲しいなぁ。」
「あんまりお金持ってないけど、何かお礼しますよ!」
「よしよし、森本くんはいつもいい子だなぁ。
そうだ、今度の日曜日デートしてよ。」
「で、デート!?」
「大げさだな、一緒に出掛けて遊ぶだけだよ。
いいでしょ?」
「それがお礼になるなら…。」
菊地の言う遊ぶだけという言葉がどういう意味かも知らず森本は了承してしまう。
そんな二人がこそこそ会話しているのを不機嫌そうに割って入る虎谷。
「早くバスケ教えろよ。」
「あ、ごめん!先輩もほら、ボール持ってください。」
「はいはい~。」
「とりあえず二人ともバスケ初心者なので、最初はボールとゴールを使って簡単なゲームをしましょう。
その中でタブーなことや最低限のルールを教えていきますね。」
そうして初めてバスケの練習のようなものを開始出来たのである。
「…ちょっとさっきから君のパス強すぎて痛いんだけど。」
「あんたのパスこそいちいちバウンドさせないで通せないのかよ。」
「も~、二人とも喧嘩しないでよ~!」
しかし先が思いやられる森本であった。
そして日曜日、菊地とのデートの日がきた。
森本は約束の時間10分前に着き改札で待っていた。
時間ぴったりに現れた菊地はここまでくると逆にすごい才能だと感じる。
「今日はどこに行くんですか?」
「とりあえず、これに着替えてきてくんない?」
「へ?」
差し出されたのは洋服のショッピングバッグだった。
中を確認すると森本は慌てふためく。
「…!? こ、こんなの着れるわけないじゃないですか!」
そう、女物が入っていたのだ。
「だって今日は俺のご褒美デートでしょ?
ちょっとくらいお願い聞いてくれたっていいじゃん。」
「ちょっとって…。」
「大丈夫だよ、今どきユーチューバーだって女装して歩いてるし
多少バレても全然問題ないって。」
菊地の妙に説得力のある話に迷っていると、さっさと駅の共用トイレへと連れられてしまう。
「洋服と靴と、ウィッグも入ってるから。
自分で出来る?」
「が、がんばってみます…。」
有無を言わさずトイレへ押し込まれると森本も断れなくなってしまった。
一緒に入った方がいいか確認されたがトイレに二人で入る状況がもやは恥ずかしく、とりあえず一人でやってみることにした。
「そ。まぁここで待ってるし困ったらすぐ呼んでね。」
「ありがとうございマス…。」
(こういうときは親切なんだよなぁ。)
泣く泣く扉を閉めて準備を始める森本だった。
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