たまにっ記

長月やなぎ

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vol.002 誤字や脱字

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 私は誤字や脱字が嫌いだ。
 特に誤字。
 とりわけ、人名に対する誤字が許せない。

 人間、誰しも間違いはあるだろう。
 間違うこと自体を責めるつもりは毛頭ない。

 だが、指摘しても同じ間違いを繰り返す人間は、許せない。

 きっかけは、私の名前だ。

 私の本名の姓は「菊」だ。
 身バレするかもしれないが、まぁごく少数だと思うので、気にしないこととする。
 私の姓は「菊」であって、断じて「菊」ではない。

 たとえ起源(ルーツ)が「菊」であっても、だ。
 現在は「菊」の方が人口として多いにもかかわらず、だ。

 そもそも、人の名前を間違えることは、失礼極まりない行為だ。

「菊」と「菊」の場合、どちらも読み方は「きくち」だから、口にするときは気にならないし、気にしようもない。
 しかし、手紙や電子メールなどの宛名として記載されたときに間違われると、それは自分ではなく、別の誰かを示すことになってしまう。

 幼いころより間違われ続けたので、今更、一度や二度では怒ったり気分を害したりすることもなくなった。
 大抵は一、二回訂正すれば、覚えてくれる。
 だが、何度訂正しても間違い続ける人間が、本当に許せない。
 名刺や免許証を見せ、それを見ながら書き写しているのに間違うのは、もはや意味がわからない。

 だからこそ、私は、人の名前を間違えることを極端に嫌うようになってしまった。
 それがきっかけなのか、自分が書いた、普通の文章の誤字も許せなくなってしまった。
 前職が国家公務員で、公文書作成に深く携わってきたせいもあるのだろうか?
 初めて作成した文書が上司の赤ペンで、真っ赤っ赤になって返ってきたのは、今となってはいい思い出だ。

 私は現在、試行錯誤しながらも小説を執筆中である。
 ワープロソフトは、MicrosoftのWordを使っているが、文書校正の機能を上手に使えば、誤字や脱字は、ほぼほぼ無くせると思う。
 他のワープロソフトにも同様の機能がついているだろう。

 それでも、さまざまな作者の作品を読んでいると、誤字や脱字が目立つ気がする。
 私は、他者の作品で誤字や脱字を発見しても、「間違っているな」としか思わないし、基本的には指摘しないことにしている。
 前後の文脈から、明らかに矛盾や誤解を生むような場合のみ報告している。
 どんな文章であれ、作者がどんな意図でその文章を書いたか、本人に聞かない限り、他者に分かるはずがないからだ。

 それだけに、非常に惜しい、もったいないと思ってしまう。
 執筆初心者が何を上から目線で、と思うかもしれないが、文章を作成するということ自体はそれなりに年季が入っていると思うので、言いたいのだ。

 私は、小説というもの、特にライトノベルと分類されるものは、頭を空っぽにして、「創作された世界」に没入し楽しむものだと思っている。
 そこに誤字や脱字があると、そこで「違和感」を覚え、「思考」が生まれ、「現実」に引き戻されてしまう。
 そこが盛り上がる場面であればあるほど、没入していればいるほど、残念感が増してしまうように思う。

 プロの作家であれば、担当編集やプロの校正・校閲者に任せられるので安心かもしれないが、我々アマチュアは自分でやるしかない。
 執筆に使っているツールを上手に使って、可能な限り誤字や脱字を無くしたいものである。

 自分への戒めとして、ここに綴っておく。



 まぁ、私の場合は面白い内容を考える方が先決かもしれないが……。

 泣きたい。
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