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12話
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「まあ、ソレイユ王国に戻らないといけなかったから、見つけたのはタイミングが良かった」
そう言うと、フォークを皿に置いた。すでに肉はなくなっている。ルージュも最後の一口を食べると、ノワールは何も言わず彼女と自分の皿を持って立ち上がった。
台所で洗うと、食器棚に戻してベッドに置いた本を持ってイスに座った。
「これを読んでくれ」
渡された本を受け取るが、ルージュは本当に読んでもいいのかと躊躇ってしまっていた。実は、これと同じものを一度だけ見たことがあった。ページを捲ることはできなかったが、表紙は見たので覚えていたのだ。
これは、禁忌魔法が記載されている本だ。本来なら各国の王宮の禁止書庫に保管されていて、持ち出しができない。
ディオース王国の王宮にある図書室の奥。そこに隠し扉があり、そこで見させてもらった。隣にニールがいたのだが、中を見ることは許されなかった。今それがここにあって、ノワールは読んでほしいと言っている。
どうしてノワールがこれを持ってきたのか。ソレイユ王国から持ち出して大丈夫なのか。聞きたいことがあったが、中を見れることにワクワクしていた。それと同時に本当に見ていいのかと躊躇う気持ちがあったのだ。
「本当にいいの? だって、これは本来禁止書庫にあるものよ。ソレイユ王国から持ち出して、勝手に見ていいものなの?」
「許可はもらったから大丈夫だ」
「……貴方は何者なの?」
そう言うと、フォークを皿に置いた。すでに肉はなくなっている。ルージュも最後の一口を食べると、ノワールは何も言わず彼女と自分の皿を持って立ち上がった。
台所で洗うと、食器棚に戻してベッドに置いた本を持ってイスに座った。
「これを読んでくれ」
渡された本を受け取るが、ルージュは本当に読んでもいいのかと躊躇ってしまっていた。実は、これと同じものを一度だけ見たことがあった。ページを捲ることはできなかったが、表紙は見たので覚えていたのだ。
これは、禁忌魔法が記載されている本だ。本来なら各国の王宮の禁止書庫に保管されていて、持ち出しができない。
ディオース王国の王宮にある図書室の奥。そこに隠し扉があり、そこで見させてもらった。隣にニールがいたのだが、中を見ることは許されなかった。今それがここにあって、ノワールは読んでほしいと言っている。
どうしてノワールがこれを持ってきたのか。ソレイユ王国から持ち出して大丈夫なのか。聞きたいことがあったが、中を見れることにワクワクしていた。それと同時に本当に見ていいのかと躊躇う気持ちがあったのだ。
「本当にいいの? だって、これは本来禁止書庫にあるものよ。ソレイユ王国から持ち出して、勝手に見ていいものなの?」
「許可はもらったから大丈夫だ」
「……貴方は何者なの?」
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