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銀髪♂ルート(銀×黒)
7Ⅱ.暴かれる ★
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木々の間からは、細い月が見え隠れしていた。月の光以外に光源はなく、黒い木々は風でザワザワと揺れていた。
「……っ……ん……」
1人の青年が木の影で微かに声をあげていた。
その背を軽く木に預け、左腕を自分の上着の中に入れている。右手は、臍の下の開いたチャックの中に手を添えてまさぐり、下着の上から自らのモノを慰めていた。すでに下着には小さなシミを作っていた。
「っ……は…………っ」
黒い瞳は甘い疼きに細められ、少しずつ吐く息が乱れて熱を増す。手の動きも比例して増していく。引き結んでいた口元も緩み、唇がだらしなく開いていった。
「あ……はぁ……っ……もっ、と……」
服の下で自らの胸の突起を指先で弄り、下半身の勃ちあがったモノを握って上下に刺激を加える。自ら露にした腹筋が、時折ヒクヒクと震えた。
「ぅ……、んッ……あッ」
顎を上げ、紅潮した頬。目を瞑り、さらに自らの指で自分自身を追い詰めていく。小さく身体が跳ねる。股を少し開いて、竿を擦り上げ、熱い吐息を洩らす。
「……っ、……ぅ……」
しばらく行為を続けたが、苦悶の表情で手を止める。
「やっぱり、自分じゃ……これ、以上……」
まだ熱の残る息を吐いて呟く。昂った身体が治まりきらずに、無意識に慰めるように自らの腕でかき抱いた。
その時、青年はようやく間近の人の気配に気づく。
「手伝ってやろうか?」
「……っ!?」
密着した背後から馴染みのあるエルフの声がして、青年は息を呑み、咄嗟に振り返ろうとした。しかし、動けない。青年よりも早く、エルフは背後から腰に手をまわし、右腕を抱え込んでいた。動きを封じられ、青年はパニックになった。
「なん、で、お前がここにっ!? は、離せっ!」
「毎回同じような場所でやってて、気づかれないと思ってたか? 馬鹿だろ」
青年はエルフの腕を振りほどこうと暴れたが、暴れるほどに腕は締め付ける。行為の痕跡を隠しきることもできなくなった。
「なんで、知って……! っ……、俺の勝手だろッ!? 放っといて……!」
「あんまり喚くと人が来るかもな。別に俺は構わないが、お前のそれは……」
「……っ……!」
見られたくないものを見られた挙げ句、自分の現状を改めて指摘されて、月明かりでもわかるほどに青年の肌は朱に染まる。
「こんな通りに近い場所で耽っていたら、誰かに見られても文句は言えないんじゃないか」
「だって……あんまり離れたら、魔物が……っ」
弱々しい言い訳に、銀髪のエルフは鼻で笑う。その気配に青年はキッと顎を上げ、話の矛先を返す。
「お前、宿にいなかったのに、なんでこんなとこにいるんだよ……っ」
エルフの青年は、青年の脇から通した右腕で、青年の顎を掴む。
「……言っただろう、手伝ってやると。最近のお前は前にも増して愚鈍すぎる。コレのせいなんだろう?」
「う……っ」
「だから」
「なんで…………そうなる……っ……?」
伏し目がちに、青年は泣きそうな声を出した。
「いいから、このまま目を瞑れ。悪いようにはしない」
優しく耳に囁かれて、青年は逡巡する。正直、この疼きをどうにかできるのならどうにかして欲しいと思っていた。……同時に、その相手が彼だというのは有り得ないとも思っていたが。
「……っぅ……」
エルフの青年は何も言わず、じっと答えを待っている。いっそ喋っていてくれたほうが、黒髪の青年は気が紛れたかもしれない。なまじ人肌を感じてしまっているせいで、はっきりと振り切ることもできなかった。
何度か落ち着きなく視線を彷徨わせていると、エルフの青年はおもむろに口を開いた。
「……覚えてるか? 闇月の森でお前が触手に捕まった時」
「覚えてる……けど……?」
「……あの時、途中から俺は、正気だった」
青年は彼の言葉が理解できず、瞬きをする。
「えっと……」
しばらくの間の後、青年は霧の中での自分の一連の恥態をじわじわと思い出した。エルフの青年の手が、自分の身体に何をしたかも。
「……っ、正気な、わけっ……だって、お前」
「お前のベルトを外した」
「……っ……?!」
「俺は、あの時と同じことをするだけだ……そうだろ? お前は目を閉じてさえすればいい」
「……同じことをするだけ……」
「そうだ」
黒髪の青年は苦しげに眉を寄せ、わずかに口を開く。そうしてまた閉じた。誘惑にどうにか抗おうとしていた。
しかし、感じる熱のせいで、脳裏にいつかの感触の残滓が纏わりつく。所在なさげに視線を左右にやり、やがて彼は間近の誘惑に負けた。半ば自棄になってギュッと目を閉じる。
エルフの青年はそれを確認し、そっと首筋に舌先を這わせる。
「っう……っ……」
ビクッと青年の身体が震え、息を吐く。エルフの青年は腰に回した手を緩め、指先で腹筋をたどる。青年の身体が緊張した。反応を堪えてはいるようだが、撫でる度に呼吸が乱れ、体温が上がっていった。
勃ちあがり始めた竿を、エルフはもう一方の手で扱う。
「ん、ぅっ…………!」
堪えきれない様子で青年が声をあげ、身動ぐ。下着の上から指先で少し撫でてやるだけで、すぐに手の中で大きくなった。さっきまで自分で慰めていたせいだろう。薄く目を開けて、瞳を潤ませ、息を吐いた。
エルフの青年が上着の裾から手を差し入れて胸の尖りを押し潰すように転がし、軽く竿をしごいてやると、青年は身を震わせて吐息を洩らした。
「っは、ぁ……っ、ぅん………………ひぁっ!」
しっとり汗をかいた首筋に舌を這わせると、青年は思わず声をあげた。羞恥心からか、顔を逸らせて小さく震える。
手を止めずに、音を立てて首筋にキスを落としていくと、呼応して身体が跳ねる。
「ん、んぅ…………っ……んっ!」
舐める刺激に弱いらしい。エルフの青年はそのまま耳に舌を這わせた。耳を犯される感覚に、青年は目蓋をきつく閉じる。
「うぅっ! んん…………、はっ、ぁ…………っ」
エルフの青年は彼の下着の裾から手を差し入れる。
「っん! ま……まて、お前、あの時と同じことって……ぜんぜん、ちが……っ、うぅッ」
慌てて発した文句が、呻きに変わる。
「魔物にされた分も、俺がしてやってるだけだろう……」
「っ、ぅ……っ」
扱いた竿の先で、先走りがクチクチと卑猥な音を立てる。青年の耳にも届いているのだろう、身を捩り、震わせる。
「俺に触られて感じているのか?」
「っ……そんな、はず……っ……っうぅ……ぁッ」
「ここが、特にいいな?」
「んぅぅ……っ……」
エルフの手で括れと根本に触れられて、黒髪の青年は肯定するように声をあげて身を震わせてしまう。甘さと屈辱とが入り混じった声をあげる。
こんなにも反応する身体なのに、しばらく愛撫されても、ずっと同じように悶え続けるばかりだった。
「ん……ぅ……やっぱ、り、イけない……っ…………」
青年は与えられる刺激に震えながら、切なげな声をあげた。泣きそうな表情で身をくねらせる。
エルフの青年は手を止めると、長衣の下から用意してきた物を取り出した。
「……っ……ん……」
1人の青年が木の影で微かに声をあげていた。
その背を軽く木に預け、左腕を自分の上着の中に入れている。右手は、臍の下の開いたチャックの中に手を添えてまさぐり、下着の上から自らのモノを慰めていた。すでに下着には小さなシミを作っていた。
「っ……は…………っ」
黒い瞳は甘い疼きに細められ、少しずつ吐く息が乱れて熱を増す。手の動きも比例して増していく。引き結んでいた口元も緩み、唇がだらしなく開いていった。
「あ……はぁ……っ……もっ、と……」
服の下で自らの胸の突起を指先で弄り、下半身の勃ちあがったモノを握って上下に刺激を加える。自ら露にした腹筋が、時折ヒクヒクと震えた。
「ぅ……、んッ……あッ」
顎を上げ、紅潮した頬。目を瞑り、さらに自らの指で自分自身を追い詰めていく。小さく身体が跳ねる。股を少し開いて、竿を擦り上げ、熱い吐息を洩らす。
「……っ、……ぅ……」
しばらく行為を続けたが、苦悶の表情で手を止める。
「やっぱり、自分じゃ……これ、以上……」
まだ熱の残る息を吐いて呟く。昂った身体が治まりきらずに、無意識に慰めるように自らの腕でかき抱いた。
その時、青年はようやく間近の人の気配に気づく。
「手伝ってやろうか?」
「……っ!?」
密着した背後から馴染みのあるエルフの声がして、青年は息を呑み、咄嗟に振り返ろうとした。しかし、動けない。青年よりも早く、エルフは背後から腰に手をまわし、右腕を抱え込んでいた。動きを封じられ、青年はパニックになった。
「なん、で、お前がここにっ!? は、離せっ!」
「毎回同じような場所でやってて、気づかれないと思ってたか? 馬鹿だろ」
青年はエルフの腕を振りほどこうと暴れたが、暴れるほどに腕は締め付ける。行為の痕跡を隠しきることもできなくなった。
「なんで、知って……! っ……、俺の勝手だろッ!? 放っといて……!」
「あんまり喚くと人が来るかもな。別に俺は構わないが、お前のそれは……」
「……っ……!」
見られたくないものを見られた挙げ句、自分の現状を改めて指摘されて、月明かりでもわかるほどに青年の肌は朱に染まる。
「こんな通りに近い場所で耽っていたら、誰かに見られても文句は言えないんじゃないか」
「だって……あんまり離れたら、魔物が……っ」
弱々しい言い訳に、銀髪のエルフは鼻で笑う。その気配に青年はキッと顎を上げ、話の矛先を返す。
「お前、宿にいなかったのに、なんでこんなとこにいるんだよ……っ」
エルフの青年は、青年の脇から通した右腕で、青年の顎を掴む。
「……言っただろう、手伝ってやると。最近のお前は前にも増して愚鈍すぎる。コレのせいなんだろう?」
「う……っ」
「だから」
「なんで…………そうなる……っ……?」
伏し目がちに、青年は泣きそうな声を出した。
「いいから、このまま目を瞑れ。悪いようにはしない」
優しく耳に囁かれて、青年は逡巡する。正直、この疼きをどうにかできるのならどうにかして欲しいと思っていた。……同時に、その相手が彼だというのは有り得ないとも思っていたが。
「……っぅ……」
エルフの青年は何も言わず、じっと答えを待っている。いっそ喋っていてくれたほうが、黒髪の青年は気が紛れたかもしれない。なまじ人肌を感じてしまっているせいで、はっきりと振り切ることもできなかった。
何度か落ち着きなく視線を彷徨わせていると、エルフの青年はおもむろに口を開いた。
「……覚えてるか? 闇月の森でお前が触手に捕まった時」
「覚えてる……けど……?」
「……あの時、途中から俺は、正気だった」
青年は彼の言葉が理解できず、瞬きをする。
「えっと……」
しばらくの間の後、青年は霧の中での自分の一連の恥態をじわじわと思い出した。エルフの青年の手が、自分の身体に何をしたかも。
「……っ、正気な、わけっ……だって、お前」
「お前のベルトを外した」
「……っ……?!」
「俺は、あの時と同じことをするだけだ……そうだろ? お前は目を閉じてさえすればいい」
「……同じことをするだけ……」
「そうだ」
黒髪の青年は苦しげに眉を寄せ、わずかに口を開く。そうしてまた閉じた。誘惑にどうにか抗おうとしていた。
しかし、感じる熱のせいで、脳裏にいつかの感触の残滓が纏わりつく。所在なさげに視線を左右にやり、やがて彼は間近の誘惑に負けた。半ば自棄になってギュッと目を閉じる。
エルフの青年はそれを確認し、そっと首筋に舌先を這わせる。
「っう……っ……」
ビクッと青年の身体が震え、息を吐く。エルフの青年は腰に回した手を緩め、指先で腹筋をたどる。青年の身体が緊張した。反応を堪えてはいるようだが、撫でる度に呼吸が乱れ、体温が上がっていった。
勃ちあがり始めた竿を、エルフはもう一方の手で扱う。
「ん、ぅっ…………!」
堪えきれない様子で青年が声をあげ、身動ぐ。下着の上から指先で少し撫でてやるだけで、すぐに手の中で大きくなった。さっきまで自分で慰めていたせいだろう。薄く目を開けて、瞳を潤ませ、息を吐いた。
エルフの青年が上着の裾から手を差し入れて胸の尖りを押し潰すように転がし、軽く竿をしごいてやると、青年は身を震わせて吐息を洩らした。
「っは、ぁ……っ、ぅん………………ひぁっ!」
しっとり汗をかいた首筋に舌を這わせると、青年は思わず声をあげた。羞恥心からか、顔を逸らせて小さく震える。
手を止めずに、音を立てて首筋にキスを落としていくと、呼応して身体が跳ねる。
「ん、んぅ…………っ……んっ!」
舐める刺激に弱いらしい。エルフの青年はそのまま耳に舌を這わせた。耳を犯される感覚に、青年は目蓋をきつく閉じる。
「うぅっ! んん…………、はっ、ぁ…………っ」
エルフの青年は彼の下着の裾から手を差し入れる。
「っん! ま……まて、お前、あの時と同じことって……ぜんぜん、ちが……っ、うぅッ」
慌てて発した文句が、呻きに変わる。
「魔物にされた分も、俺がしてやってるだけだろう……」
「っ、ぅ……っ」
扱いた竿の先で、先走りがクチクチと卑猥な音を立てる。青年の耳にも届いているのだろう、身を捩り、震わせる。
「俺に触られて感じているのか?」
「っ……そんな、はず……っ……っうぅ……ぁッ」
「ここが、特にいいな?」
「んぅぅ……っ……」
エルフの手で括れと根本に触れられて、黒髪の青年は肯定するように声をあげて身を震わせてしまう。甘さと屈辱とが入り混じった声をあげる。
こんなにも反応する身体なのに、しばらく愛撫されても、ずっと同じように悶え続けるばかりだった。
「ん……ぅ……やっぱ、り、イけない……っ…………」
青年は与えられる刺激に震えながら、切なげな声をあげた。泣きそうな表情で身をくねらせる。
エルフの青年は手を止めると、長衣の下から用意してきた物を取り出した。
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