上 下
6 / 7

6.解けない ★

しおりを挟む
 ……つもりだった。
 
 魔術師は少なくとも表面的には冷静さを取り戻したし、このまま皆がいる宿に戻れば、何も問題はないはずだった。
 
 問題なのは自分だ。
 さっき触れられた刺激のせいか、体が疼いて仕方ない。突っ伏して熱がひくのを待ったが、一向に止む気配がない。
 今夜はおさまったと思ったのに。1人ならまだしも、すぐ側に魔術師がいる。
 さっきの吐息が脳裏を掠めて余計に熱が増す。
 
「どうした?」
 
 さすがに挙動がおかしかったんだろう。魔術師が尋ねてくる。
 
「何、でもない」
「…………」
 
 この間みたいに魔法を使ってくれ、なんて、虫のいい頼みだろうか。一瞬、躊躇ためらった。

「言わなくていいのか? 解いてくれって」
「と、解いて……」

 苦笑した魔術師の言葉に、慌てて乗っかったのに、ぐるりと手の平を返される。

「嫌だと言ったら、どうする?」
「なん……っ……」 
「限界だって、言ったよな……」
 
 嫌だって言われたら……俺は……。
 
 月明かりの中、灰色の瞳と見つめ合う。吸い込まれてしまいそうだった。

 魔術師が腕を伸ばし、顎を掴んだ。目を閉じる。
 気がついたら互いに息のかかる距離で、夢中で唇を交わしていた。

 キスの音が部屋に響く。

 冷たい手が、頬を、首筋を、背中を撫でていく。背筋がゾクゾクして、思わず魔術師の手をとり身体を引き寄せる。

 魔術師の両手が、髪を撫でていく。舌を絡め、互いを求め合う。震えるぐらい気持ちがいい。
 上着に手をかける。月明かりに彼の白い肌が露わになる。抱き合うと、互いの熱が伝わってきた。
 
 魔術師が唇を耳元から首筋、胸へと寄せ、キスの雨を降らせていく。
 指先が、硬くなった突起を探り当てて親指で強く撫でられる。身を捩って声をあげる。
 
「もう、こんなになってる」
「……お前が……触る、から……っ……ぅん……っ」
「ここが、いいのか?」
 
 応えるように身体がビクンと跳ねる。
 
「ぁ……ッ……んん……!」
 
 細い舌が、同じ場所をザラリと舐める。
 
「……ん……ッ!そこ……やめ……ぅん……!」
 
 身をくねらせて抗議するが、それでも執拗に責められる。
 
「……ぁ、あぁ……んッ、」
 
 背中が弓なりになってビクビク震える。
 突き出した胸の突起を、魔術師の唇が咥えて吸い上げる。涙目に訴える。
 
「んんん……ッ、やり……すぎ……ッ」
「気持ちいいんだろ」

 髪を撫でられ、突起を強めに摘ままれ、声をあげる。 
 再びキスを交わして抱き合う。互いの身体が、吐息が、熱い。
 床の上に押し倒され、両手を繋いで、キスを交わす。ゆっくりと下半身にかたいモノが侵入してくる。
 
「ぅ……ん……っ」
「痛いか……?」
「んん……っ」
 
 首を振る。ゾクゾクするような熱が下半身から上がってくる。もっと欲しくて堪らない。

「きもち……い……」
 
 魔術師は、身体を沈ませ、耳元で囁く。
 
「……俺も……」
「……ッん!!」
 
 魔術師のモノが奥を叩いて、衝撃で一瞬頭が真っ白になる。魔術師の手を握り返す。
 そのままゆっくりモノが引き抜かれて、
 
「……ぅん……ッ……はぁ……っ」
 
 また再びゆっくりと侵入してくる。
 再び、奥に押し込まれて。
 刺激が繰り返され、速度が増していく。呼吸が荒くなり、汗が滲んでくる。
 腰が勝手に刺激を求めて揺れてしまう。
 
「んッ! あッ! ああッ!」
 
 再び奥まで挿し込まれて、キツく抱きしめられ、名前を呼び合い、キスを交わす。

 繋がったまま、彼は頬に沿えた手を胸へと這わせる。弱い部分を一撫でし、お腹を撫で、今度は俺のモノを撫でる。狂いそうな熱に襲われる。
 
「んッ、ぜんぶッ、きもち、よすぎ……っ」
 
 クチュクチュと撫で回されて、身体が仰け反る。快感に身体がピクピクと震える。
 
「あッ、あッ!」
「先に出して……いいぞ」
 
 頬にキスされ、モノを握られたまま腰を揺らされる。
 
「ぁ……ッ!!」
 
 中を掻き回される刺激と、外を擦られる刺激とが大きな波になって押し寄せる。
 あまりの気持ちよさに、悲鳴に近い喘ぎ声しか出てこない。
 
「ひ、ぁ……ッ、んんッ!もぅ……いッ……」
 
 身体が震えて、白いモノを吐き出す。身体が数度、痙攣して跳ねる。
 放心状態の俺の下半身が、そのまま軽く持ち上がる。

「あ、待て……ッ」

 身体中がゾクゾクして堪らない。今動かれたら、
 
「待てない……」
 
 さっきよりも深く、モノが穴の奥まで挿し込まれて肉壁を叩く。
 
「……は……ッ……」
 
 いい角度で入ったのか、痺れるみたいな刺激が全身に走る。
 
「ぁ……ぁぁ……ぁ……」
 
 身体がピクピク震えて、奥まで挿し込まれると同時に達するような感覚になる。叩きつけられる度に、何度も。

 膝立ちしてる魔術師の腰の位置にまで尻を持ち上げられて、いやおうなく繋がってる部分まで見えてしまう。
 硬くなった魔術師のソレが、ジュプジュプと穴の奥をかき回す。
 
「ぁ……ッ」
「もう、イク……ッ」
 
 一際激しく突かれ、震える刺激が身体を巡る。
 
「あ……ッ!!」

 2人同時に達し、冷たい床の上で互いの身体を抱き締めた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

嫌がる繊細くんを連続絶頂させる話

てけてとん
BL
同じクラスの人気者な繊細くんの弱みにつけこんで何度も絶頂させる話です。結構鬼畜です。長すぎたので2話に分割しています。

オトナの玩具

希京
BL
12歳のカオルは塾に行く途中、自転車がパンクしてしまい、立ち往生しているとき車から女に声をかけられる。 塾まで送ると言ってカオルを車に乗せた女は人身売買組織の人間だった。 売られてしまったカオルは薬漬けにされて快楽を与えられているうちに親や教師に怒られるという強迫観念がだんだん消えて自我が無くなっていく。

少年はメスにもなる

碧碧
BL
「少年はオスになる」の続編です。単体でも読めます。 監禁された少年が前立腺と尿道の開発をされるお話。 フラット貞操帯、媚薬、焦らし(ほんのり)、小スカ、大スカ(ほんのり)、腸内洗浄、メスイキ、エネマグラ、連続絶頂、前立腺責め、尿道責め、亀頭責め(ほんのり)、プロステートチップ、攻めに媚薬、攻めの射精我慢、攻め喘ぎ(押し殺し系)、見られながらの性行為などがあります。 挿入ありです。本編では調教師×ショタ、調教師×ショタ×モブショタの3Pもありますので閲覧ご注意ください。 番外編では全て小スカでの絶頂があり、とにかくラブラブ甘々恋人セックスしています。堅物おじさん調教師がすっかり溺愛攻めとなりました。 早熟→恋人セックス。受けに煽られる攻め。受けが飲精します。 成熟→調教プレイ。乳首責めや射精我慢、オナホ腰振り、オナホに入れながらセックスなど。攻めが受けの前で自慰、飲精、攻めフェラもあります。 完熟(前編)→3年後と10年後の話。乳首責め、甘イキ、攻めが受けの中で潮吹き、攻めに手コキ、飲精など。 完熟(後編)→ほぼエロのみ。15年後の話。調教プレイ。乳首責め、射精我慢、甘イキ、脳イキ、キスイキ、亀頭責め、ローションガーゼ、オナホ、オナホコキ、潮吹き、睡姦、連続絶頂、メスイキなど。

監禁した高校生をめちゃくちゃにする話

てけてとん
BL
気に入ったイケメン君を監禁してめちゃくちゃにする話です。

監禁小屋でイかされ続ける話

てけてとん
BL
友人に騙されて盗みの手助けをした気弱な主人公が、怖い人たちに捕まってイかされ続けます

人体薬物改造 雌開発

オロテンH太郎
BL
知らないうちに母親に売られ、薬でメス開発された大学生の伊藤君が元担任に調教確認レイプされる話

白雪王子と容赦のない七人ショタ!

ミクリ21
BL
男の白雪姫の魔改造した話です。

刑事は薬漬けにされる

希京
BL
流通経路がわからない謎の薬「シリー」を調査する刑事が販売組織に拉致されて無理やり犯される。 思考は壊れ、快楽だけを求めて狂っていく。

処理中です...