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響く、聲
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ぼくは今日、友達? の圭とカラオケに来ている。
友達っていうか恋人っていうか。
でも男同士で恋人ってどうなんだろう?
店員さんの対応はカップルに対するそれだったけど……。
とにかく、ぼくは圭と四角い箱の中でふたりっきり。
歌を歌ったり食べたり飲んだり話したりしていた。
ぼくは邦楽しか歌えなくて、でも圭はたまに洋楽を歌ったりしていた。
圭の歌はなんというかすごく上手くて、聴いてて心地よかった。
うん。
普通にカラオケしてたはずなんだけど。
……なんでぼく脱がされてるの?
そうそう。
ぼくは歌い終わって座ろうとしてたんだ。
そして、その時に身体は触れ合ったのかな。
圭の手が大事なところに当たったとかで。
「……ぁん///」
ぼくの聲は小さかった。
すごく小さかった。
隣にいても聴きとれるはずのない大きさだったんだけど、ぼくは歌い終わった後でマイクを握っていて。
マイクは口のすぐ近くにあって。
『……ぁん///』
って。
四角い箱の中でエコーもかかって、響いてしまった。
色んな光が混ざった箱の中で、それでも圭の顔の紅さがはっきり見えて。
「……ぇ。今の、…林檎?」
動揺したように、整理がついてないままに圭は言った。
「……うん」
でも違くて、ちょっと痛かっただけだから、とかってわかりきった言い訳をした。
圭は勿論騙されなかったけど。
「林檎の聲、……聴きたい」
圭は赤い顔のままぼくを触った。
最初は服の上からで、突然中に滑り込んで。
「…ぁ……ゃん///」
ぼくの欲望は圭の手の中で膨らんで。
「んっ……んんっ////」
クチュ、と欲望から垂れた汁が音を立てた。
圭がぼくの下半身を剥ぐ。
「……恥ずかしい…///」
「なんか…エロいね」
圭がそっと、ぼくの欲望を握る。
また汁が垂れて。
欲望がピクン、と震える。
「んっ…ゃんっ!///」
ぱ、と手を離される。
「ごめん……強引、すぎたよな」
申し訳なさそうに言う。
そんなことないのに、と言おうとする。
でも恋人でもないぼくがこんなこと言うのは、出すぎた真似かもしれない。
迷惑かもしれない、と思う。
でも。
「……林檎!?」
ぎゅ、と抱きしめる。
圭の身体は筋肉質でがっしりしている。
「もっと、その……シてほしい///」
「林檎……」
ぎゅ、と優しく返される。
顔を上げると、まっすぐ上に圭の顔がある。
自然と近付いて、唇が。
「ん……///」
触れる。
「俺、自己中なところあるし、」
目を見られる。
圭の目はぼくを貫いて、心まで見透かすように。
「林檎を傷付けるかもしれないけど……いいか?」
「…うん///」
「痛かったら言えよ」
クチュ、と圭の指が入口を触る。
「ん……ぁっ///」
入口を触られる。
中に入ってこないのがもどかしくて。
「中も…触って……///」
「いいのか?」
こくん、と頷く。
圭の指が躊躇しながら入ってくる。
ぬち、と入口が開く。
「ゃ…ぁ……んっ////」
指が中でクニクニ動かされる。
「んっ……ぁん///」
「大丈夫か…?」
「ぁ……気持ちぃ……っ////」
ぬちゅぬちゅ、と音を立てて掻き混ぜられる。
ぼくの奥がきゅんと鳴いて、圭を欲しがる。
はしたないけど、恥ずかしいけど。
「圭…挿れて……///」
ぬち、と入口を見せる。
「林檎……!」
圭がぼくの身体を動かす。
ぼくは圭に身を委ねる。
ぼくの身体はソファの上に四つん這いみたいになって、入口は圭の目の前にあって。
「林檎、挿れるぞ…」
「ん……///」
圭の緊張したような聲に、身体の奥が熱くなる。
クチュ、と圭の欲望が入口に当たる。
「ぁっ! ぁあ……んっ!////」
『ぁっ! ぁあ……んっ!////』
マイクが目の前に置いてあった。
自分の聲が少し遅れて、箱の中を駆ける。
『ん……んっ! …んん……////』
必死で聲を抑えようとする。
「林檎、恥ずかしいの?」
『…恥ずかしいよ……んっ///』
自分じゃないような聲がスピーカーから降ってくる。
ぼくは快楽を感じないようにするけど。
『ん……ぁっ! はぁんっ!////』
圭の欲望がぱちゅっと中を突く。
『ぁんっ! ゃ……はぁ////』
欲望が中を抉る。
ぱちゅっぱちゅっ
『……ぁ…んっ……ぁあっ!////』
自分の聲が箱の中で響いて、羞恥を煽って快楽を増幅して。
「林檎……///」
たまに背中を撫でる圭の聲も耳を溶かす。
圭の欲望は中でビクビクして、入口を押し拡げて。
『ぁんっ…ぁっ! はぁっ!////』
きゅんと奥が鳴く。
圭の欲望を目一杯感じて、包み込んで。
「林檎……っ!!/////」
「ぁああんっ! …はぁん///////」
『ぁああんっ! …はぁん///////』
快楽がぼくの身体を貫く。
もう恥ずかしさなんて捨てて、ただ感じて。
頭が真っ白になって、蕩けた聲がマイクを通る。
圭の欲望から白濁が注がれる。
中が鳴く。
「林檎……///」
圭の息が荒くなっている。
「林檎、俺たちってさ、」
目を見つめられる。
相変わらず心をも貫く目だ。
「恋人で、いいのかな」
「……恋人が、いいと思う」
ぼくはそっと答えた。
マイクを使っていなくても、届いたはずだ。
「林檎……! 俺……」
「いいよ……来て///」
またぼくの聲が箱の中で響き渡る。
カラオケでバイトしていると色んなことがある。
歌っている時に入って気まずくなることなんてほぼ毎回で、最高にノってらっしゃる時は申し訳なさでいっぱいになる。
それよりも酷いのに出くわすこともあって、それはバイト仲間でも私が当たる確率が高くて。
今日も嫌な予感がしてたから身構えてたけど、まさかこれほどとは。
『ぁっ! ゃんっ! 気持ちいいよぉ……っ!/////』
「……林檎っ!///」
私はドアを開けたまま固まってしまって、お客様と目が合う。
「……失礼、しました」
そっとドアを閉める。
聲が壁を通り抜けているような気がする。
お客様、マイクはそのようなことに使うものではありません、と心の中で呟く。
友達っていうか恋人っていうか。
でも男同士で恋人ってどうなんだろう?
店員さんの対応はカップルに対するそれだったけど……。
とにかく、ぼくは圭と四角い箱の中でふたりっきり。
歌を歌ったり食べたり飲んだり話したりしていた。
ぼくは邦楽しか歌えなくて、でも圭はたまに洋楽を歌ったりしていた。
圭の歌はなんというかすごく上手くて、聴いてて心地よかった。
うん。
普通にカラオケしてたはずなんだけど。
……なんでぼく脱がされてるの?
そうそう。
ぼくは歌い終わって座ろうとしてたんだ。
そして、その時に身体は触れ合ったのかな。
圭の手が大事なところに当たったとかで。
「……ぁん///」
ぼくの聲は小さかった。
すごく小さかった。
隣にいても聴きとれるはずのない大きさだったんだけど、ぼくは歌い終わった後でマイクを握っていて。
マイクは口のすぐ近くにあって。
『……ぁん///』
って。
四角い箱の中でエコーもかかって、響いてしまった。
色んな光が混ざった箱の中で、それでも圭の顔の紅さがはっきり見えて。
「……ぇ。今の、…林檎?」
動揺したように、整理がついてないままに圭は言った。
「……うん」
でも違くて、ちょっと痛かっただけだから、とかってわかりきった言い訳をした。
圭は勿論騙されなかったけど。
「林檎の聲、……聴きたい」
圭は赤い顔のままぼくを触った。
最初は服の上からで、突然中に滑り込んで。
「…ぁ……ゃん///」
ぼくの欲望は圭の手の中で膨らんで。
「んっ……んんっ////」
クチュ、と欲望から垂れた汁が音を立てた。
圭がぼくの下半身を剥ぐ。
「……恥ずかしい…///」
「なんか…エロいね」
圭がそっと、ぼくの欲望を握る。
また汁が垂れて。
欲望がピクン、と震える。
「んっ…ゃんっ!///」
ぱ、と手を離される。
「ごめん……強引、すぎたよな」
申し訳なさそうに言う。
そんなことないのに、と言おうとする。
でも恋人でもないぼくがこんなこと言うのは、出すぎた真似かもしれない。
迷惑かもしれない、と思う。
でも。
「……林檎!?」
ぎゅ、と抱きしめる。
圭の身体は筋肉質でがっしりしている。
「もっと、その……シてほしい///」
「林檎……」
ぎゅ、と優しく返される。
顔を上げると、まっすぐ上に圭の顔がある。
自然と近付いて、唇が。
「ん……///」
触れる。
「俺、自己中なところあるし、」
目を見られる。
圭の目はぼくを貫いて、心まで見透かすように。
「林檎を傷付けるかもしれないけど……いいか?」
「…うん///」
「痛かったら言えよ」
クチュ、と圭の指が入口を触る。
「ん……ぁっ///」
入口を触られる。
中に入ってこないのがもどかしくて。
「中も…触って……///」
「いいのか?」
こくん、と頷く。
圭の指が躊躇しながら入ってくる。
ぬち、と入口が開く。
「ゃ…ぁ……んっ////」
指が中でクニクニ動かされる。
「んっ……ぁん///」
「大丈夫か…?」
「ぁ……気持ちぃ……っ////」
ぬちゅぬちゅ、と音を立てて掻き混ぜられる。
ぼくの奥がきゅんと鳴いて、圭を欲しがる。
はしたないけど、恥ずかしいけど。
「圭…挿れて……///」
ぬち、と入口を見せる。
「林檎……!」
圭がぼくの身体を動かす。
ぼくは圭に身を委ねる。
ぼくの身体はソファの上に四つん這いみたいになって、入口は圭の目の前にあって。
「林檎、挿れるぞ…」
「ん……///」
圭の緊張したような聲に、身体の奥が熱くなる。
クチュ、と圭の欲望が入口に当たる。
「ぁっ! ぁあ……んっ!////」
『ぁっ! ぁあ……んっ!////』
マイクが目の前に置いてあった。
自分の聲が少し遅れて、箱の中を駆ける。
『ん……んっ! …んん……////』
必死で聲を抑えようとする。
「林檎、恥ずかしいの?」
『…恥ずかしいよ……んっ///』
自分じゃないような聲がスピーカーから降ってくる。
ぼくは快楽を感じないようにするけど。
『ん……ぁっ! はぁんっ!////』
圭の欲望がぱちゅっと中を突く。
『ぁんっ! ゃ……はぁ////』
欲望が中を抉る。
ぱちゅっぱちゅっ
『……ぁ…んっ……ぁあっ!////』
自分の聲が箱の中で響いて、羞恥を煽って快楽を増幅して。
「林檎……///」
たまに背中を撫でる圭の聲も耳を溶かす。
圭の欲望は中でビクビクして、入口を押し拡げて。
『ぁんっ…ぁっ! はぁっ!////』
きゅんと奥が鳴く。
圭の欲望を目一杯感じて、包み込んで。
「林檎……っ!!/////」
「ぁああんっ! …はぁん///////」
『ぁああんっ! …はぁん///////』
快楽がぼくの身体を貫く。
もう恥ずかしさなんて捨てて、ただ感じて。
頭が真っ白になって、蕩けた聲がマイクを通る。
圭の欲望から白濁が注がれる。
中が鳴く。
「林檎……///」
圭の息が荒くなっている。
「林檎、俺たちってさ、」
目を見つめられる。
相変わらず心をも貫く目だ。
「恋人で、いいのかな」
「……恋人が、いいと思う」
ぼくはそっと答えた。
マイクを使っていなくても、届いたはずだ。
「林檎……! 俺……」
「いいよ……来て///」
またぼくの聲が箱の中で響き渡る。
カラオケでバイトしていると色んなことがある。
歌っている時に入って気まずくなることなんてほぼ毎回で、最高にノってらっしゃる時は申し訳なさでいっぱいになる。
それよりも酷いのに出くわすこともあって、それはバイト仲間でも私が当たる確率が高くて。
今日も嫌な予感がしてたから身構えてたけど、まさかこれほどとは。
『ぁっ! ゃんっ! 気持ちいいよぉ……っ!/////』
「……林檎っ!///」
私はドアを開けたまま固まってしまって、お客様と目が合う。
「……失礼、しました」
そっとドアを閉める。
聲が壁を通り抜けているような気がする。
お客様、マイクはそのようなことに使うものではありません、と心の中で呟く。
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